中学受験の算数の学習にとって5年生の時期はもっとも大切な時期です。算数でこの時期に割合や比という単位の無い数字を習い始めるからです。子供にとって割合や比などの他のものと比較して出された数字という概念は、大人が考える以上に抽象的でむずかしく感じるものです。それまで理解できていた算数の授業に急についていけなくなり成績が下がり始めたなどのご相談をお受けするのもこの時期です。
ここで注意すべきことが一つあります。それは、5年生の学年の年齢である10才と11才の差は、人の脳が発達する段階で、極めて大きな差があるということです。ところが、塾の集団授業ではこの差は無視されてしまいます。たとえその子が早生まれだとしてもそんなことは一切考慮されません。そこで、この時期に算数の授業が分からなったとしても、それが本人の努力不足だけとは限りません。その子の発達段階まで考慮した授業を受けることができる点で、個別授業や家庭教師は優れています。早稲田中学入試の算数にとって、この時期習う割合や比は極めて重要ですから、体験授業などを通じて、本当にその生徒に割合や比の概念が理解できないのかどうか確かめてみるのがいいでしょう。
とにかくこの時期は比や割合の理解をしっかり身につけておくことが最も重要です。これは、図形の分野についてもいえます。早稲田中学では、相似比や面積比・体積比の理解を前提とした応用問題が必ず出題されるからです。