1 | (1) A (2) A (3) A |
---|---|
2 | (1) B (2) A (3) A |
3 | (1) A (2) A (3) C |
4 | (1) A (2) A (3) B (4) C |
5 | (1) B (2) B |
A…早稲田中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難度、処理量から判断して、得点差がつかない問題
合格者平均/満点 = 31.1点/60点と、前年より10点以上下がりました。
60点満点ですから大幅な難化となりました。
上記難易度分類のBレベルを悉く落とした受験生が多くいたと思われます。
逆に言うと、合格のためにはこのBレベルで速く正確に、あるいはわからなければすぐ飛ばす、といった動きができるように練習を積んでいけばよいわけです。難問の類は少ないので、練習量の多さが合否を分けるでしょう。
2(3)の立体切断、大問3の時計算、大問5の図形の移動など、作業すべき内容も、その結果も、容易に想像がつきます。ただし作図や計算などの作業量が多く、それをミスなく黙々と解き進めることが求められる、そんな問題が目立ちました。
「困難に耐え、辛抱強く努力を続ける」生徒をきっちり選抜するセットになっていた、とも言えるでしょう。
170201が2017と関係あるのか…を考える必要はありません。
まずは循環するまで筆算です。小数第8位までなので、何も考えずに計算を続けてしまっても答は出ます。
小数が循環のパターンについて、÷9、÷99、÷999で循環の仕方がどのように違うのか、一度自分の手を動かしで確かめておくとよいかもしれません。
各時点での個数を順番に整理で来たかどうかで、処理速度に差が出そうな問題です。
この問題で差がつくことはないでしょう。
これは見慣れないパターン。面食らった生徒が多くいたに違いありません。
→【合否を分けた1題】で後述します。
6個の正三角形を下図のように分割して、
全体を36等分するのが無難な方法です。
切断面を作図する→三角すい台の体積を求める→立方体から引く
という流れが瞬時に浮かぶ受験生がほとんどではないでしょうか。
ある程度やることが見えた状態ですから、ミスに気を付けて丁寧に計算していきましょう。
正しい時刻 ←→ 置時計の時刻
の変換をいちいちやらなければならず、忍耐強さと注意力が要求されます。
ここでは
を用いて変換してきましょう。
置時計では9:00から14:36までとなりますので、その範囲で直角になる回数を調べましょう。調べる範囲も狭いので、全部数え上げるのがよさそうです。
進みの比5:4から、正しい時刻での経過時間が7時間35とわかります。
難問です。図を丁寧に描いて考えましょう。自分の知っているパターンではない、と判断したら、次の問題にいきましょう。
10時の向きと長針の作る角 : 10時の向きと短針の作る角 = 1 : 2
を考えればよいことに気づけば、知らなくても解けます。
10:50の時点で短針は0.5×50=25°動いていますから、
角度の速さ 長針 : 短針 = 6 :0.5 を用いると
各位の数字がすべて異なる3けたの9の倍数についての問題です。
3けた→百の位が0以外
9の倍数→各位の数字の和が9の倍数
というふうに条件を整理しましょう。
。
3けたのうち1個が9なので、残りの2数は和=9という条件で調べます。
(1)で最大の数字=9の場合を調べていることに注意して、
最大の数字が8,7の場合を調べましょう。最大の数字=6だと、666しか作れず、これは条件に反しています。
0ありの場合と0なしの場合に分けて、丁寧に調べ上げましょう。ここではじめて3けた条件を使うことになります。
数字の2が入っているもの、とあります。(3)までに調べ上げた中から、2を含むものに印をつけてみましょう。
(9,2,7), (1,2,6), (2,3,4), (0,2,7)の4通りになりますね。
(9,2,7)の場合、279,297,729,792,927,972の6個の数を足すのですが、縦に並べて筆算すると、工夫できることがわかります。
2,7,9が百、十、一の各位にそれぞれ「2回ずつ」登場しています。これに気づけば、
(2+7+9)×2×100+(2+7+9)×2×10+(2+7+9)×2×1
=(2+7+9)×2×111
で簡単に出せます。(1,2,6), (2,3,4) についても同様の手順で求めます。
(0,2,7)は0があるので数え方が変わりますが、同じ考え方で工夫できます。
ところで9の倍数については2016年の第1回入試でも扱われています。
9の倍数→各位の数字の和が9の倍数
3の倍数→各位の数字の和が3の倍数
という倍数条件は頻出ですが、なぜそうなるのか、といった根本原理まで踏み込んで理解できている人は意外と少ないように思います。
結果の暗記にとどまっている場合、難度が上がった時の対応力に差が出ます。
難しくはないけど手数が多い…図形の移動は、そんな問題の代表です。
作問者が意図したコースを正確になぞっていくという作業です。
練習量がものをいう分野でもあります。平均点の低さを考えても、分量の多い作業をこなして正解に到達できた受験生は多くなかったものと思われます。
解答欄に補助線がついているため、答えやすい問題でした。
作業系の問題とわかっているので、途中でミスが出ないように細心の注意を払って解き進めます。
円の外側をおうぎ形が弧の部分で接しながら「転がる」ります。この部分を正確に作図できるかどうかで、まず差がつきます。
②では図形Pと図形Qの面積の差を求めます。それぞれ線を引いて分割し、正三角形とおうぎ形にわけて、枚数をカウントしていきましょう。
この問題では正三角形の面積は求められない設定ですから、結局差し引きゼロになることも容易に予想できるでしょう。
2(1)を取り上げます。
図形小問集合3題の1つ目です。ぱっと見たところ、できそうな感じがしそうです。ところが最初の方向性が悪いとなかなか答えが出ません。
まず「外角の定理」を確認します。
定理というほどのものではありませんが、角度問題では大活躍する道具です。
問題の図をよく見ると、この外角の定理の形が3つ埋め込まれていることがわかります。
そのうち2つを式にすると
ア + ●●● = ××× …①
38 + ●● = ×× …②
と表せます。これを見ただけでア=38×1.5=57が分かるでしょうか。
もう少し頑張りましょう。●や×の個数をそろえてみます。
②をさらに式変形して、
19 + ● = ×
これを両辺とも3倍します。
57 + ●●● = ×××
気が付いたらアが出ていた、というわけです。
このように、基本といえる定理をいかに「使いこなす」ことができているかが試されているのが分かると思います。試験全体の流れの中で、ここでいきなり時間を消耗するのは後に響きそうな場所に位置していることから、1問ではありますが試験の明暗を分ける問題といえるでしょう。