A…早稲田中学合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題
1 | 問1 A 問2 A 問3 B 問4 A 問5 B |
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2 | 問1 A 問2 A 問3 A 問4 B 問5 A |
3 | 問1 A 問2 A 問3 A 問4 A 問5 B 問6 A |
4 | 問1 A 問2 A 問3 C 問4 C 問5 C |
2016年の早稲田中1回の問題は、〔1〕が生物分野から人体の仕組みと働き、〔2〕が地学分野から地層、〔3〕が物理分野から振り子、〔4〕が化学分野から水溶液の性質と溶解とバランスよく出題され、例年通りの出題といえます。ただ、早稲田1回入試の理科の合格者平均をみますと2011年27.6点、2012年21.6点、2013年31.3点、2014年24.0点、2015年21.5点、2016年28.5点となっており、難しかった翌年は簡単になり、簡単だった翌年は難しくなるという傾向が見られます。今年は簡単な年になります。取り組みやすい問題ばかりでした。来年は難しくなると予想されます。
非常に基本的な問題です。
試験管Bと試験管Aの対照実験ですが、共通部分に着目すると、それは37度という温度です。次に着目するのは異なる部分です。Aの試験管にはだ液を加えている一方で、試験管Bには水しかいれていません。
当然、だ液アミラーゼがでんぷんの消化に関わっているかを調べるためです。
非常に基本的な問題ですが、一つずつの選択肢を検討してみます。
選択肢アについては試験管Aと試験管Bを比べることになりますが、この実験からだけではどちらが、だ液アミラーゼの消化が強くなっているかがわかりません。
選択肢イについては試験管Cと試験管Eを比べることになりますが、ヨウ素液を加えた結果が青紫になっているので、でんぷんと反応したと言え、だ液アミラーゼがでんぷんを消化していないことがわかります。
選択肢ウについては試験管Cと試験管Eが紫に変色していることからでんぷんと反応していることが分かり、ヨウ素液のはたらきを失わせるとはいえません。
選択肢エについても試験管Cと試験管Eが紫に変色していることからでんぷんと反応していることが分かり、だ液アミラーゼがでんぷんを分解していないことが分かります。
ちなみに、だ液アミラーゼはでんぷんを糖(または麦芽糖)に変化させます。ブドウ糖ではありません。でんぷんがブドウ糖になるにはだ液アミラーゼがでんぷんを糖に変え、その糖がすい液、腸液が働いた後になるものなので気を付けましょう。
吸気と呼気の比較問題です。
吸気は空気の構成要素だと思ってください。吸気の割合は窒素78%、酸素21%、二酸化炭素0.04%です。
一方、呼気は酸素17%、二酸化炭素4%、残りが窒素と考えてください。
知識問題といえ、知っていれば選択肢オを選べました。
肺のガラス瓶を使った実験はあまりにも有名です。
この文章をそのまま覚えて肺の働きのメカニズムを知っておきましょう。
人間は受精して約280日(約10か月)で生まれます。
約体長50cm、約体重3000グラムです。
易しい問題です。
重いものから(つぶの大きなものから)沈んでいきます。
よく問われるのは、地層のでき方として、れきが多く含まれる地層は海の浅瀬、どろは海の深いところで形成されるというものです。小さいものほど遠くに流されるからです。
易しい問題です。
まがった川は外側の流れが速くなり、内側の流れが緩やかになります。
すると、外側はさらに川の流れで削られ、内側には堆積作用で川原が形成されます。
当然、流れが速い外側には大きな石しか堆積しないことになります。
易しい問題です。
シジミは宍道湖が有名です。
宍道湖は淡水と海水が混ざった汽水湖です。ということは、海の浅瀬が連想されるはずです。
合否を分けた一題で扱います。
易しい問題です。
まず、地層エが堆積し、次に地層Cが堆積します。
それから、逆断層であるDが形成されます。
さらにそこから、いったん隆起し(地層は基本的に海中で形成されます)、地上となって不整合面が形成されます。
その後、再び沈降し、地層イ、地層アの順番で堆積します。
易しい問題です。
知識として押さえておきたい問題ですが、このように考えましょう。
一万円札の厚さを答えなさい。
一万円札一枚の厚さを正確に計るには特別な測定器が必要ですが、500万円の高さを計って、500で割っても計れるはずです。
易しい問題です。
振り子の周期に関わるのは振り子の長さだけです。あとは一切振り子の周期に関係しません。
ところで、振り子の長さを正確に把握していますか?
支点から、つるされている物体の重心までが振り子の長さになります。よって同じ物体でも振り子の長さは異なることになります。
易しい問題です。
問2でも言った通り、振り子の周期に関わるのは振り子の長さだけです。あとは一切振り子の周期に関係しません。よって、振り子の長さが変わっていないので、周期も変わりません。
表1の振り子の長さ50cmと振り子の長さ2.0mを比較すると、振り子の長さが4倍になると、周期は2倍になることがわかります。
よって、振り子の長さ25cmと表1の振り子の長さ1.0mも全く同じ関係になっているので、振り子の長さ25cmの周期は半分の1.0秒になります。
A→B、B→Aは振り子の長さが1.0mの周期なので、A→B、B→Aにかかる時間は周期2.0秒の半分で1.0秒かかります。
問題となるのはB→C゛、C゛→Bです。
11.11cmとは1mの約9分の1です。
要するに、1mの振り子の長さが11.11cmの振り子の長さの約9倍となります。
そうすると、問4からも分かるよう1mの振り子の長さの周期は11.11cmの振り子の周期の3倍になっていることになります。
よって、1mの振り子の長さの周期2.0秒の3分の1の時間が11.11cmの振り子の周期となります。
したがって、2.0÷3が11.11cmの振り子の周期となり、B→C゛、C゛→Bはその半分になるので、B→C゛、C゛→Bにかかる時間は0.333333・・・となります。
1.0+0.333333・・・・・=1.3となります。
振り子についたおもりが最も遅くなるAとCの位置にあるとき磁石で引き寄せ、おもりがBに来た瞬間に、電磁石を切ると、その勢いでCにむかいます。おもりがCに来た時も同じことが言えます。
易しい問題です。
水にとけない個体は石灰石と二酸化マンガンです。
さらに、塩酸に溶けて二酸化炭素を発生させるのは石灰石です。
よって、Aが石灰石になります。
固体C、Dは食塩か水酸化ナトリウムですが、最終的にDしか残っていません。
水酸化ナトリウムは塩酸と反応して食塩を成生するのでDが食塩になります。
易しい問題です。
過酸化水素水(オキシドール)を二酸化マンガンに加えると酸素が発生することは基本中の基本です。
また、二酸化マンガンは触媒なので、溶けているわけではないので注意してください。過酸化水素水を加え続ければ、酸素が発生し続けます。
まずは、【操作6】に注目してください。
9gの食塩のうち、最初から食塩であるDが4gあったので、9-4=5gが水酸化ナトリウムが塩酸と反応して食塩になったことがわかります。
もともとの水酸化ナトリウム3gが塩酸に全て反応すると5gになることがわかります。
次に、【操作5】に注目してください。
8.6-4(もともとあった食塩Dの重さ)=4.6g(塩酸に反応した水酸化ナトリウム(食塩)と反応していない水酸化ナトリウムの和)となります。
水酸化ナトリウム3gが完全中和すれば、5gの食塩になることが分かっています。
とすると、ある量の水酸化ナトリウムが完全中和すると倍の食塩になります。
このことから、12㎤の塩酸に反応した水酸化ナトリウムを①とおくと、以下の式ができます。
これを整理すると
①=2.4gとなります。
2.4gの水酸化ナトリウムが食塩になるためには12㎤の塩酸が必要だとわかります。
反応せず残っている水酸化ナトリウムは
3-2.4=0.6gとなります。
よって、2.4gの水酸化ナトリウムを食塩にするには12㎤の塩酸が必要でしたから、0.6gの水酸化ナトリウムを食塩にするには4分の1の3㎤の塩酸が必要だとわかります。
したがって、3㎤の塩酸で足りるところに8㎤の塩酸が入っているので【操作6】後の水溶液は酸性となりBTB溶液を加えると黄色になります。
問3を参照してください。
問3を参照してください。
力の加わり方は比較的簡単ですが、正断層と逆断層の区別をしっかりさせましょう。
まずは正断層
引っ張られる力が加わります。
次に逆断層
押される力が加わります。
難しいのは方向です。
北東から南西に方向に力が加わったことが上の図よりわかります。