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国語の合否を分けた一題

早稲田中入試対策・国語の合否を分けた一題(2017年度)

難易度分類

問1B  問2A  問3A  問4A  問5A  問6A  問7B
問1B  問2A  問3C  問4A  問5B  問6A  問7B

A…早稲田中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題別寸評

問1

動作や様子からうかがえる心情を具体的に説明する記述問題です。
傍線部の中にある「悩む」という言葉に関する心情が確認できるのは、文章の中盤以降の台詞のやり取りの中です。「…あいつらから何か命令…断固拒否…決心をした…」、「…圭一君は何で…亨に言いに来た…?」、「…他人に後ろから押してもらいたい」。これらから説明を組み立てていけば、正解に近づけます。

問2

傍線部の表現が間接的に表す「状況」を説明する記号選択問題です。
傍線部の後の台詞を確認しましょう。「…弟がご迷惑を…店長に頭を下げ…隣に瑠奈さん…」とあります。これを補足説明している選択肢を見抜くのは難しいことではないでしょう。

問3

 本文中での語句の意味を説明する記号選択問題です。
 

問4

比喩的に表現された事実を客観的に説明した言葉を抜き出す問題です。
傍線部の直前から確認していけば「自家用車…から垂れる水のようなものとは何か」という問いが成立します。あとはそれを明確に表した言葉を見つけるだけです。

問5

 空欄にあてはまる適切な表現を確認する記号選択問題です。

問6

 比喩的に表現された心情を具体的に説明する(すべて選ぶ)記号選択問題です。
 傍線部後半で強調されている「人間の迷い」を、その原因も含めて確認しましょう。そうすれば、選択肢の論理のワナにだまされることなく正答できるはずです。

問7

 キャラクターの描かれ方として不適当な内容を確認する記号選択問題です。
 本文中では「自家用車」が人間のように描かれていますが、一方で「人間との違い」も表現されています。「不適当なものを選ぶ」設問の場合、「適当なものを消去して正解を絞り込む」やり方をすることが多いと思われますが、本文との照合を怠らないよう注意しなければなりません。
 

問1

 漢字の書き取りの問題です。

問2

 傍線部の意味を説明する(すべて選ぶ)記号選択問題です。
 傍線部の内容は「対比の一方」です。第二段落の冒頭の二文を見れば、「近代、平等」という言い換えができます。これは第三段落の冒頭と末尾の文と合わせれば、ふさわしい説明を正確に選択できるはずです。

問3

「合否を分けた一題」として解説します。

問4

 傍線部の理由として不適当な内容を確認する記号選択問題です。
 傍線部の後を丁寧にたどっていきましょう。それによってふさわしい説明を確実に消去できる素直な設問になっています。

問5

 傍線部の内容を言い換えた説明を確認する記号選択問題です。
 傍線部直前(「そんな問い…答えは…ない」)は、「生きることの意味は何かという問いに対する答えはない。」と言い換えられます。それを傍線部と合わせると「生きることの意味は何かという問い対する答えの大半は、『問うことそのもの』である。」となります。一見すると単純な理屈のようですが、意味を確認しているうちに混乱してしまいかねません。

問6

 本文中での語句の意味を説明する記号選択問題です。

問7

 傍線部の意味を具体的に説明する記号選択問題です。

合否を分けた一題

早稲田中学の入試問題については「ごくオーソドックスな出題構成であり、記述問題のウェートは高くない」と説明することができます。しかしながら、それは「記述ができなくても構わない」という意味ではありません。記述もしっかり解かねばなりません。

さて、ここでは、「多くの受験生が解答するものの解答に個人差が生じやすい(勘違いすると大きな減点や失点につながる)」設問を一題とりあげることとします。

 

問3

筆者の批判の理由をを説明する記述問題です。

解き方の手順
①傍線部直後の問いかけ(反語)による強調内容を確認します。
⇒「…お産のときに赤ちゃんを取り上げる…できる人はいる…か」
     ↓
②この内容の具体例を抽象化した説明を確認します。3つ後の段落です。
⇒「生きるうえで欠かせない事柄を…他人に任せるようになった」
     ↓
③筆者の意見がはっきりと強調されている部分を確認します。傍線部4を含む段落の直後の段落に注目しましょう。ここに、設問が指定する「責任」という語が含まれています。
  ⇒「無力…から脱し、自分の問題を…考え…責任を負う…ために…をやめなければならない」
④解答要素を整理します。
  ⇒「自分の問題を自分で考える責任を負わず、生きるために必要なことを他人に任せるようになってしまったから。」

解答を作るための重要な要素となる内容は傍線部からかなり離れたところにありました。よって、文章を読みながら筆者の批判や意見を意識的にチェックする読み方ができていた受験生とそうでない受験生とで大きく差がついたのではないでしょうか。

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