「算数の傾向分析」で述べた出題傾向を踏まえて、これまでの浦和明の星合格者と共に私自身が実践してきたそれぞれの攻略法をお伝えします。
ここでは、御三家を第一志望とし、浦和明の星を第二志望もしくはお試し受験とする生徒の場合を考えます。
桜蔭中志望者なら、後半に配置される応用問題は解きやすいはず。むしろ前半の一行問題群を含む典型問題を、いかに速く正確に解けるかがカギです。桜蔭中の出題分野がほぼ固定されているため、その分野に偏った問題演習をしていると、典型問題の正答率及び解くスピードが落ちる危険性がなきにしもあらず。その点は注意が必要です。
JG志望者なら、前半の一行問題群を含む典型問題はお手のものでしょう。後半の応用問題、特に「現場での地道な作業を伴う問題」や「誘導つきの条件整理問題」の対策は十分積んでおく必要があります。
雙葉中志望者なら、後半の「現場での地道な作業を伴う問題」は得点源になります。そこにかける時間を確保するためにも、前半をどれだけテンポ良く乗り切れるかでしょう。雙葉中も出題分野が狭いぶん、偏った問題演習になるため、典型問題全般をカバーしておく必要があります。
御三家志望者にとって本命は2月1日であっても、本校受験時の1月に一旦はピークを合わせる必要があることも念頭に置いて、学習計画を立てましょう。
ここでは、本校を第一志望とする生徒の場合を考えます。
女子御三家受験組と比較して、後半の応用問題における得点力の差は、正直否めません。後半は得点を稼ぐのではなく、設問(1)は確実に、できれば(2)まで拾うという方針で十分です。
合格のための最重要課題は、前半の小問集合と典型問題の大問での取りこぼしをなくすこと。俗に「典型問題」で「基本的な問題」と分析されていますが、前者は該当するも、後者は受験生のレベルにより受け止め方が変わるでしょう。本校に合格する生徒にとっては「基本的な問題」だということです。
大問[1]の小問集合は広範囲からの出題であるため、苦手な分野を極力なくしておくこと。また、時折出題される難易度高めの一行問題にも対応できるようにしておくこと。そのための適切な問題演習のレベルは、サピックス生なら6年の『基礎トレ』!マークがついた問題、6年9月以降の『デイリーサポート』Aプリント、四谷大塚生なら『計算と一行問題集6年下』標準編の一行問題、『実力完成問題集』標準問題[1]の一行問題群、『予習シリーズ6年下』必修例題、日能研生なら6年9月以降の『合格力完成教室』練成問題、『合格力完成教室 難問』知識・技術重点問題、早稲アカ生なら『バックアップテキスト』(ただし、数の性質・割合と比については、これだけでは不十分)、NN難プロのテキストの例題・練習問題、あたりでしょう。
前半の典型問題の大問は、受験生であれば誰もがどこかで見たことがあるものがほとんど。各自が普段使用しているテキストで「入試で出たら嫌だな」と思っている問題があれば、一つ一つ潰していきましょう。
前半をノーミスで乗り切る(たとえ落としたとしても、1問が許容範囲)ことが、合格への通行手形と考えて下さい。
たとえ第1回入試で残念な結果に終わったとしても、第2回入試が実質的な本番。複数回入試がある都内私立中は短期間に入試が続くため、気持ちの切り替えができないまま終わってしまうケースもあります。しかし、浦和明の星は第1回入試日から第2回入試日まで3週間弱もあるため、建て直しを図ることは十分可能です。追加合格は複数回受験者が対象となるので、第1回入試の結果に引きずられることなく、強い気持ちで臨みましょう。
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