9月からの算数は、①明の星の出題傾向に沿った問題演習、②各塾の明の星対策講座、③過去問演習、④網羅的な一行問題演習、⑤各塾の通常授業、という優先順位になります。
①・②塾によっては明の星の対策講座が実施されますが、他校の対策も兼ねた講座である場合は不要な問題演習も含まれます。また、明の星単独の対策講座であっても、御三家やフェリス、早稲田実業の対策講座の完成度の高さと比べて、テキストやそっくりテストの内容が少々見劣りする点は否めません。対策講座に通うよりも、明の星の出題傾向に沿った問題かつ生徒にとって必要な問題を講師が適切に選択し、演習に取り組ませる方がずっと効率が良い場合もあるでしょう。
③については、第1回入試・第2回入試ともに最低でも5年分は実施。開校して10年に満たないので、すべての年度の過去問に取り組んでもさほど負担にはならないはずです。50分間をどう使うか、時間配分の基準は各自に合わせて提案します。
過去問の2回転目の取り組み方は生徒によって異なります。全セットに取り組むのか、1回転目で時間配分を誤ったものだけ取り組むのか、間違えた問題だけ拾い上げて取り組むのか、生徒個々に応じて指示を出していきます。
④何度も述べますが、明の星の大問[1]の小問集合は広範囲から出題されます。極力穴を作らないように、9月以降も満遍なく一行問題演習に取り組む必要があります。適切な問題演習のレベルに関して、SAPIX・日能研・四谷大塚の各塾生については、後述「【5】算数の塾別学習法の提案」を参照して下さい。
⑤については、どの塾も全分野にわたる網羅的な問題演習を行うカリキュラムになります。授業内で取り組んだ問題のうち、間違えた問題の解き直し・理解だけは疎かにしないことです。
冬休みが明ければ第1回入試は目前です。どこの塾でも都内校を第一志望とする生徒が多いため、授業だけに限らず全てにおいて2月1日に照準を合わせた展開になりがちです。明の星志望者はその雰囲気に引きずられることなく、前倒しで1月中に調子のピークを合わせなければならないことに留意しましょう。