1 | 問1 A 問2 (a) A (b) A (c) B |
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2 | 問1 (a) A (b) A 問2 班 A 重さ B 問3 B 問4 B |
3 | 問1 B 問2 A 問3 (a) A (b) A 問4 (a) C (b) C |
4 | 問1 B 問2 A 問3 A 問4 A 問5 B |
A…浦和明の星合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題
2018年度の浦和明の星は、例年通り、物理・化学・生物・地学が1題づつの構成でした。
大問3のイネの問題の後半がかなりの難物。「実験結果から見抜く」力を要求されるのでここが肝のようですね。大問1の表をよく読むと同じ数値が出てくることを探し、法則性を見つけることが理科の一番にあることがペースを乱される原因になった人もいたかもしれません。ここでいかに平常心を保つかも試されるポイントかもしれません。
物理分野の問題は、おもりが複数になった時の変則的な振り子についての問題。
化学分野の問題は、金属粉の熱による酸化・重量変化についての問題。
生物分野の問題は、イネの発芽の実験についての問題。
地学分野の問題は、地層・地質柱状図についての問題。
本年は時事的要素はありませんでした。
時事問題ではなく古典的な問題を複雑に組み合わせているものなので対策としては、きちんと問題集のよくある問題をがっちりとこなしてゆくといいでしょう。
問題構成は、4分野から大問4題、小問21問。
理科の配点は50点ですから、一部組んでの採点としても、1問2点か3点と考えてよいでしょう。
解答形式は、選択肢が9問、記述なし、言語が2問、作図なし、数字が9問。
化学、物理分野での計算を要する問題は5問で、大問1の「探す」計算は少し珍しいようです。
(物理)おもりが複数になった時の変則的な振り子についての問題です。
表からの数値の読み取りとそこから重心位置の逆算についてと気づくかどうかがカギとなります。
ふり子の性質についてです。一般的に振り子の周期はふり子の長さだけ(実際は重力の値もですが)で決まりますがこの問題では表2におもりの空気抵抗や支点の摩擦によって振れ幅が大きくなると若干周期が長くなることを実験結果として選ばせています。
一般的なおもりの距離(ふり子の長さに当たる)で周期が決まることからオ。
実験2の振れ幅が大きくなるとやや周期が長くなっていることからウ。
実験4の表4での複数のおもりによって周期がどのようになるかの表では表3と同じ値がみられるのでそこがおもりAの重さによって重心位置が「支点からおもりまでの長さ」のどの長さに対応するかを読み取れるかがカギです。
(a)通常の重心位置計算です
(b)重心位置からおもりの重さの逆算です。
(c)3つのおもりの重心計算です。
(化学)金属粉の熱による酸化・重量変化についての問題。
一部の金属は空気中で加熱すると酸素と結合し金属酸化物となりその時に質量の増加がみられます。金属の粒が十分小さい場合酸化によって結合する酸素の割合は一定になると考えられるのでその割合を計算する問題です。皿の重さを除いた値が比例していることには気づいてもらうのが必須ですね。
(a)「実験1とその結果」を見て皿の重さを引いた加熱前後の重さを比べればすぐに出ます。
(b)上記問題での比がわかっていれば算出可能です。
1,2,3班に比べて4班だけが皿以の重さ(34gを引いた重さ)が反応前後の重さの比が3:5になっていない。増加した重さ(35.5-34.96=0.54g)に対して反応前の金属の重さは0.54÷(5-3)×3=0.81となります。0.96-0.81=0.15(g)が未反応の金属です
金属Aは反応後に重さが5/4倍になります。同様に金属Bは5/3倍になるので増加した酸素の分を同じ割合にするとAが⑩と⑧に対してBは⑤と③となるので8:3となります。表にして比較するとわかりやすいと思われます。
5/4倍と5/3倍になることを使ったつるかめ算で解けます。皿の重さを除いた重量2.36gの金属が3.10gになることからよくあるつるかめ算の面積図などの解法で算出できますがやや難しいかと思われます。
(生物)イネの発芽の実験についての問題。
この大問がかなり深い読みを必要とし、点数を左右したと思われます。
種子の中で栄養がどのように作られるか、作る物質がどのようにふるまうかを問う問題です。
太平洋戦争中の精米(玄米からぬかを取り除く作業)を社会科で見たことがあるかどうかでできるかどうかが別れますね。映像資料や戦争中の再現ドラマなどで見たことがないでしょうか?子供が一升瓶を抱えて棒でつつくようなシーンがあるかと思います。
選択肢に脱穀が混ざっていますが混同しないようにしてください。 答えはエ。
白米はイネの実の部分の食用になるところです。お米の粒を長円の形と思ってエに当たる「胚芽」を含むといわゆる「胚芽米」(はいがまい)というものになりますので、一般的な白米ということでウの部分だけのことが正解となります。 答えはウ。
イネの発芽実験。
(a) 実験には誤差が出ることについて。発芽条件自体はそろっているのに種子自体の問題で発芽しにくいものがあります。生物には個体差というものがあるためその誤差を小さくするために10粒程度で発芽の確からしさを調べようとしたのだと思われます。 答えはエ。
(b) 発芽の3条件(水、適温、酸素)のうち水との関係がない場合に実験結果に変化が出ないはずなのでこのような「変化が起きないことを試す実験」を「対照実験」と呼びます。
対照実験が必要な理由を記述させるものもほかの学校でもよく出題されます。注意しておきましょう。
「発芽する前に種子の中で作られる物質X」の振る舞いについて考えた問題です。
「合否を分けた一題」参照。
(地学)地層・地質柱状図についての問題。
一般的な地質柱状図の問題よりも若干傾きが難しいものとなっています。
南北のみか東西のみの傾きを問うことが多くこの問題も南北だけ考えれば大丈夫な問題でした。A,B,Cで南北の傾きを、B,F,Eで東西の傾きをきちんと分析しないといけません。
Aの地質から考えると下の地層(古い地層)から泥→(火山灰)→砂→レキ と粒の大きさが大きくなっているので河口に近づいていると考えられるためだんだん浅くなってきたと考えられる。
Bの深さ50mに対応するのがAの層の40mなのでそこからさらに10mまで下がったところは泥の層があることがわかります。
Aの標高は30m、Cの標高は20mなのでAとCの柱状図では地表(深さ0m)はAのほうが10m高い位置にあることがわかります。そのうえでAの地層はCの地層よりも10m上にあたる位置にあるので合計20m上にあることになります。またここでAはCの500m北にありますから地層の傾きは水平距離500mあたり高さが20mA側が高いことがわかりますので100m当たりでは5mA側、つまり北が上がっていることになります。
問3と同様にFの標高は40m、Eの標高は20mなのでFとEの柱状図では地表(深さ0m)はFのほうが20m高い位置にあることがわかります。そのうえでFの地層はEの地層よりも20m下にあたる位置にあるので合計すると0mとなります。そのためEFの東西方向には地層は傾いてはいません。
ここの地層は東西には傾いていないことがわかっているのでBとCの中間に位置するような地層を選べばよい。この問題では標高もG地点とBCの中間地点も同じ表国40mなので気が付けばかなり楽に解ける問題でした。
最も難しい大問3の問4がかなり実験結果を論理的に考えないと答えに届かないものだと思われます。
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物質Xの役割が「でんぷんを分解する」ではなく「でんぷんの分解をする物質の合成を促す」という部分で混乱する人が多いと思われます。 物質Xが胚芽で作られ、水を通してこふん層に移動します。そのあとでんぷんを糖に分解するアミラーゼを合成するのででんぷんの反応がなくなる部分ができます。これが「変化しなかった」部分なので種子2のこふん層だけが水によって物質Xをこふん層に運ぶことができなかった という結論を導き出せるかどうかが厳しく言うと合否を分けたのではないかと思われます。