試験時間は25分です。学校によって、科目によって試験時間が異なることは、お子さんにとっては調整適応が意外に大変なものです。試験時間をあらかじめしっかり確認しておきましょう。
出題形式についてさかのぼって見ていくと、
平成23年度 小問60問あまり+記述(20~50字)
平成22年度 小問40問あまり+記述(20~50字)
平成21年度 小問45問+記述(20~50字)
平成20年度 小問50問あまり(語句で答える問題7問)
平成19年度 小問60問(解答欄数)、すべて記号選択
平成18年度 小問40問あまり、すべて記号選択
となっています。記号選択だけという傾向から、語句で答える、ある程度の記述を求める、という傾向に変化していることがわかります。
新傾向としての記述問題は、平成23年までのところでは、ねじれ国会(平成21年度、22年度)、小選挙区制の欠点(平成23年度)がテーマとなっており、公民・政治分野からの出題です。制度がどうなっているかという単純な知識問題ではなく、現実の政治の状況、制度の問題点についてまで理解していることが求められていると考えられます。
地理分野では、気候・風土などの基本的な知識が全地域にわたって、確実に身についていることが求められています。気候・自然条件・地名・産業・特産・伝統行事・交通など、広い分野にわたって、具体的で細かい知識をはっきり憶えていることが、高得点のための条件となります。
平成23年度に東北地方に関して出題された問題の正解語句は、奥羽山脈、フェーン現象、猪苗代湖、八郎潟、石巻港(宮城県)、まげわっぱ(すぎ)、伊達氏(七夕まつり)でした。設問中に見慣れない語句が出てくることに惑わされず、確実な知識をもとにして答えを選ぶ力が問われていると考えられます。
また、地図中に場所やルートを書き込む形式の問題も出題されます。たとえば、青函トンネルの位置(23年度)、関東地方の境界(22年度)です。選択であれば正解できるとしても、自分で書き込むとなるとあやふやなことがありますね。地図帳に親しむこと、白地図などで手を動かして書く(描く)トレーニングをしておくことまで求められていると考えられます。
地図・グラフ・数値の読み取りもほぼ毎年出題されています。
時事問題、また、時事問題を導入とする作問も多く見られます。時事的な知識そのものでは、たとえば、APEC首脳会議開催都市、オリンピック開催国などが問われています。そこから、関連する一般知識を問う問題が出題されることもあります。
歴史分野は、全時代にわたって、8割方、標準的な知識が問われています。人物・用語の説明と関連する場所の知識を結びつけていること(歴史的知識が地理的知識と結合していること)が特に求められているようです。設問の問い方として、正しいものを選ぶ場合、正しくないものを選ぶ場合と混在していることがあるので注意が必要です。また、正しいものを「すべて」選ぶ問題、正解選択肢がない場合がある問題が出題されており、取り組みにくい出題が増えつつあるという印象を受けます。
公民分野では、基本的な政治のしくみを問う出題が中心ですが、先述のとおり、記述問題が出題されるようになっています。
慶應ならではの出題として、福澤諭吉・慶應義塾関連の出題もあります。福澤諭吉の出身地・著作・活動・慶應義塾の歴史などは、社会のみならず、国語でも頻出です。