【1】 | ア:A イ:A ウ:A エ:B オ:B カ:B キ:A ク:A ケ:A コ:A |
---|---|
【2】 | ア:A イ:A ウ:A エ:A |
【3】 | ア:A イ:A ウ:A エ:B オ:A カ:A |
【4】 | ア:A イ:A ウ:A エ:A オ:A カ:A |
【5】 | ア:A イ:A ウ:A |
【6】問1 |
ア:A イ:A ウ:A エ:A |
【6】問2 | B |
【6】問3 | 番号1:A 語句1:A 番号2:B 語句2:B 番号3:B 語句3:B 問4:B 問5:C |
【7】 | B |
A:易しい(中等部合格を目指すなら確実に正解すべきレベル、大きく差はつかない問題)
B:標準的(まぎらわしいが合格を左右するレベル、差がつく問題)
C:難しい(受験者の大半ができないため差はつかない問題)
2018年度はほぼ平年通りの難易度でした。出題の方針も、基礎基本が身についているかどうか、受験勉強だけではない、生活に根ざした習慣や知識が求められています。また、随所に時事的要素があるため、対策は立てやすいのではないでしょうか。受験生の平均はおよそ35点で、合格者は40点を超えた得点が求められたものであると思われます。また、短記述問題がなかった分、解きやすいという印象をもった受験生が多かったのではないかとも思われます。やはり、慶應義塾中等部の社会科は、「時事問題をもとにした基礎基本の徹底」・「正誤問題の精密な処理方法」・「データや資料の正しい読み取り方」をしっかりと対策すれば確実に合格ラインに乗せられます。ちなみに、今年の目玉問題はやはり【7】です。これは、合否を分けた一題でも扱いますのでぜひご覧ください。
アは、「志賀島でみつかったもの」であるため金印とわかります。イは、古墳でみつかった、円筒形や武人などの形をしたものであるため、はにわであるとわかります。ウは、埼玉県の稲荷山古墳から出土した「ワカタケル大王」と刻まれた鉄剣であるとわかります。エは、法隆寺金堂にあるということから、釈迦三尊像であるとわかります。また、同じ時期の寺院として聖徳太子が建立した四天王寺も確認しておきましょう。オは、聞きなじみがないかもしれませんが、法隆寺などにある玉虫厨子です。タマムシの羽はその美しさから用いられていましたが、経年によって穂ほとんどが剥がれ落ちてしまったようです。また、その側面には仏教絵が描かれており、単なる調度品ではなく、仏教品であるという意味合いも感じられます。カは、興福寺の阿修羅像です。三面六臂(顔が3つで、腕が6つある)像で、解釈によってさまざまな意味合いを持つ神様です。印象的な容姿をしているので、ぜひとも一度は見ておきましょう。キは、平等院“鳳凰”堂ということばからすぐにわかります。クは、厳島神社は平氏の氏寺であるため、平家納経が選べます。なお、建立されたのは飛鳥時代に推古天皇が遣隋使の平穏無事を願ってのことだったので、航海のご利益があるとされています。ケは、鎌倉時代の運慶・快慶の作品で、武士の時代に即した力強いつくりをしています。コは、奥州藤原氏の建立した中尊寺金色堂を建立しました。なお、奥州藤原氏は鎌倉時代には滅ぼされてしまします。
アは、下田・函館港にアメリカ船が来航するという内容から、日米和親条約であるとわかります。イは、清との条約であり、領土の割譲についての項目から、下関条約であるとわかります。なお、その領土のなかでも遼東半島は不凍港を求めていたロシアがフランス・ドイツを伴って三国干渉してきたということも押さえておきましょう。それがきっかけで日露戦争へと発展していきます。ウは、ロシアとの条約で、日本へ鉄道や採掘権の割譲をしていることからポーツマス条約であるとわかります。(ちなみに、ポーツマスはアメリカ合衆国の地名です)ここで注意したいのは以下のことです。
朝鮮半島の名称が異なっています。この違いは中等部の正誤問題で問われうるレベルですので、しっかりと押さえておきましょう。ちなみに、ここでいう「韓国」は大韓帝国であって、大韓民国ではないので、要注意です!エは、一瞬迷うかもしれませんが、アメリカ軍の駐留を認めたり、アメリカ軍が日本を守ったりという内容から、日米安全保障条約であるとわかります。なお、この条約と同時に結ばれたのが、「サンフランシスコ平和条約」で、これにより、日本が独立国家であると認められました。
アは、織田信長の出身地であるため、尾張が入ります。イは、今川義元の国なので駿河を入れます。ウは、安土城や琵琶湖から近江を入れます。エは、御三家という言葉から「紀伊・水戸・尾張」の中から、アに入れた尾張を省き、徳川慶喜の出身地であるということから水戸を選びます。なお、現在の「御三家中学」という呼び名はここからきているとされています。オは、大政奉還のために京都にある二条城に大名を集めたので京都が入ります。カは、西郷隆盛の出身地であるため、薩摩が入ります。
アの3は衆議院議員総選挙の後は30日以内に特別国会が開かれます。なお、その議題は「内閣総理大臣の指名」です(任命するのは天皇の国事行為)。イの4で国会の召集は天皇の国事行為の一つです。なお、国事行為は内閣の助言と承認によって行われます。ウはすべて正しいものです。エの2にある裁判員制度は2009年より、重大な刑事裁判の第一審に導入されている制度です。これには、国民全体に裁判や司法への興味関心を抱いてもらおうという目的あります。オの1にある都知事の被選挙権は30歳からで、参議院議員の被選挙権と同じ年齢ですので、確認しておきましょう。カの3にある国際連合の非常任理事国の任期は2年ですが、構成国は10か国です。日本は2016・2017年と担当したため、2018。2019年は非常任理事国ではありません。
アは集団的自衛権、イは非核三原則のうちの「持たず、(作らず)、持ち込ませず」、ウは排他的経済水域です。また、非核三原則は吉田栄作首相が国会で唱えた方針で、憲法への規定はありませんので注意が必要です。2018年3月現在、日本国憲法は一度も改正されていません。
問1は、発表までの手順を考えて選択する問題です。普段の塾の学習ではなかなか触れないものですが、小学校の調べ学習では普段から取り組んでいるのではないでしょうか。中等部の社会ではこのように日常生活に関する問題が出題されることがあります。過去にも、正月などの年中行事についてだったり、寺社での参拝の際に行う手水(ちょうず)の作法であったりという出題もあるほどです。ただし、これらは時事問題に絡めて出題されることが多いため、ある程度の対策を聞かせることができます(年中行事の際は、外国人旅行者が多い年でしたし、手水の際は、伊勢神宮の式年遷宮と出雲大社の平成の大遷宮がありました)。
問2は、神戸市・東経135°の線の位置・阪神淡路大震災の震源地といった基礎的な地図問題です。ただし、普段から地図を用いた学習を進めていないと苦しいのかとも考えられます。地理の学習は徹底的に「地図を使う!」という意識で学習を進めるくらいでちょうどいいと考えます。
問3は、資料②を見ながらの正誤問題です。1は平野部が南西から北東にむけて位置しているので簡単に見抜けたでしょう。2の河岸段丘は河川の中・下流域に流路に沿って発達する段々になっている地形であるため違うと判断できます。さらに、前の文に産地と平野部の境目が直線的であるということを考え、断層という言葉が浮かべられれば解答できたはずです。3の高速道路は、地図の中央部に注目し、神戸トンネルが駅と重なっていることに気づければ新幹線であると解答できたのではないでしょうか。
問4は平野部のすぐ近くに山地があり、山間を切り開いた土地利用をしていることを考えると、土砂崩れなどの災害が考えらえます。
問5:問1とも重なる問題です。文章を確認すると、震災後に建てられた仮設住宅は、郊外に建てられたということから、まずイを用いればよいのです。また、2000年までに4万戸建てられた復興住宅の入居者が65歳以上の高齢者が30%を超えているということから、ウを用いればよいはずです。
→合否を分けた一題で扱います。
正しく条件を確認しましょう。求められている要素を確認すると、
「携帯電話・スマートフォンの学校への持ち込みを許可してほしい」という提案に対して、
① :この提案の問題点
② :問題点にたいする有効な対策案
この2点です。これを書くためには、普段から物事のプラス・マイナスという二項対立を考えて、相手の立場にたった視点を持つことが大切であると考えます。たとえば、携帯電話やスマートフォンは便利な道具であり、もっていることがある程度当たり前なものですが、その不利な点を考えてみると、学校生活の妨げになったり、余計なトラブルを招いたりすることがあるということを考えると良いでしょう。また、その問題を問題のままにするのではなく、「どうしたら解決できるのか」つまり、マイナスをプラスにもっていくという思考をすることが大切です。これらは中学受験の学習をすすめていくなかではなかなか養いにくいものでありますが、慶應義塾中等部を志望するのであれば、日ごろからしっかりと書きなれておく必要があるでしょう。