慶應中等部と他校とで分野別分析表を10年分ほど比較してみると、中等部の出題分野が万遍なく多岐にわたることが見て取れます。その中でも、どの学校においても頻出と言える「平面図形」「割合と比」からの出題が多いのはもちろんですが、苦手とする受験生が多い「数の性質」から複数出題される年度が目立ちます。
また、H18・H20のN進法、H19・H20のフィボナッチ数列、H21・H22の直角三角形の相似、H18・H21の回転体、H20・H22の仕事算、H18・H21・H22の相当算といったように、同一テーマを2年連続で出題する、もしくは1年おき・2年おきで出題するというパターンが中等部の特徴です。直近3年間の出題テーマは要注意と言えます。
45分間で総設問数は20問前後であり、高難度の問題がほとんどないことから、典型問題の処理速度(1問2~2.5分)と精度の高さが求められる入試と言えるでしょう。ただし、それらは単なる必要条件に過ぎません。
「知識がないと解けない問題」「工夫すれば短時間で処理できる問題」といった、少しひねった典型問題の演習量・経験値が一次試験の合否の鍵を握ります。単なる典型問題だけでなく、この手の問題もテンポ良く解き進めることができれば、「問題文の条件にしたがって試行錯誤する中で解答方針が決まるタイプの問題」に対して十分な時間を充てることができます。
中等部の算数は答えのみを記入する形式です。ただし、独特なのは答えの桁数がわかるという点。例えば答えが36のときは解答指定が[ア][イ]のようになっており、[ア]に3、[イ]に6と記入することになります。
解答指定された桁数と自分の求めた答えの桁数が異なっていたり、解答指定が分数のスタイルなのに自分の求めた答えが整数になってしまったりといった場合に、答えが間違っていることに気付くというメリットがあります。
過去問演習を通じて、この独特な記入方法に慣れておきましょう。