9月以降の学習は、あれもこれもとやるべきことの多さに振り回されないようにしましょう。〈1〉SS特訓、〈2〉過去問演習、〈3〉前述〈1〉・〈2〉の出来具合を踏まえての問題演習補充、〈4〉東京出版『ステップアップ演習』、〈5〉平常授業の復習、の優先順位で進めることになります。
6年生後半の『デイリーサポート』が中等部志望者にとってオーバーワークとなり、使い勝手があまり良くありません。出題傾向に沿って頻出分野の学習に比重を置く時期ですので、優先順位を誤らないように注意しましょう。
〈1〉日曜日のSS特訓を、学習の主軸としましょう。
まず、志望校別講座でのテスト演習は、各自に合わせた時間配分の基準を私が提案するので、それを実践する場となります。1回分終えるごとに、時間配分は適切だったか、解法に抜けがなかったか等をチェックして反省点を洗い出し、次回のテスト演習につなげていきましょう。
また、志望校別講座で取り扱うプリントも重要です。校舎によって、女慶クラス(JG+中等部)や慶青クラス(中等部+青学)など様々なクラス設定になりますが、収録されている問題を見る限り、どの学校を志望していても必要になる最大公約数的な問題演習です。
配布される『慶應中等部合格への100題』については、半分は過去問の数値替え問題です。テスト演習でも同様の問題を解いているため、それらを除いた残りの問題だけ取り組んでもらいます。
単科講座については、頻出分野の演習量を増やす、逆に出題頻度の低い分野について演習量の不足分を補う、という観点から、解法力講座を選択してもらいます。
〈2〉過去問演習はSSのテスト演習と同様の取り組み方をして下さい。最低でも10年分は実施し、注意点・修正点をアドバイスしていきます。
なお、過去問の2回転目の取り組み方は生徒によって異なります。SS特訓を受講している生徒の場合は、2回転目で全セットに取り組む必要性はあまり感じられません。生徒個々に応じて指示を出していきます。
11月ないし12月から併願校の過去問にも順次目を向けていきましょう。
〈3〉については、〈1〉・〈2〉の出来具合を踏まえて、中等部の頻出単元のうち穴になっている部分があれば、適切なレベルでの問題演習量を増やしていきます。6年生前半から月刊誌『中学への算数』の「レベルアップ演習」に載っている数・図形・文章題に毎月取り組んでいる生徒は、それを継続しましょう。
〈2〉と〈3〉は集団塾では面倒を見てもらえないため、個別指導の講師に委ねるしかないでしょう。逆に言えば、そこに最大限の力を注ぐと他の受験生より一歩も二歩もリードできるということです。
〈4〉9月から東京出版『ステップアップ演習』の2回転目に入ります。解くスピードを意識しながら10月末までに2回転目を終了させ、冬休みに入るまでに3回転目を終了させましょう。3回転目は2回転目で×だった問題のみで構いません。
〈5〉平常授業については、間違えた問題の解き直し・理解だけで十分です。教材・プリントがたくさんあってやり残しが気になるかもしれませんが、一切気にしないことです。必要な問題演習は〈3〉でカバーできています。
ただし、『基礎トレ』は日付通りに進めましょう。何度も述べますが、スピード練習の素材として最適なレベルの問題です。
9月以降の重要な模試は、〈1〉学校別サピックスオープン、〈2〉合格力判定模試+比較合判、〈3〉四谷大塚の学校別判定テスト、〈4〉四谷大塚の第1回~第4回合不合判定テストになります。各塾の学校別模試の特徴は「【4】算数の時期別学習法の提案 〔4〕6年生後半の学習方法」を参照して下さい。
正月特訓は中等部志望者としての仕上がり具合を測る絶好の機会です。本番と同じ形式でのテスト演習を重ねるので、時間配分の最終チェックを行いましょう。