慶應中等部を目指すにあたって、通っている塾により取り組み方が変わるのは当然です。〔1〕SAPIX、〔2〕日能研、〔3〕四谷大塚、に通塾しながら中等部合格を勝ち取った生徒に対し、私がこれまで指導してきた各学習法をお伝えします。
日能研でも他塾と同様に、4年生から5年生への移行時期は、学習量の増加に戸惑う生徒が多いでしょう。隔週のカリテを軸にした学習スケジュールを早めに確立しておくべきですが、2週間単位の学習スケジュールに慣れてしまうと、6年生からカリテ実施が隔週から毎週になるため、多くの生徒がそこでペースを崩しがちです。
また、2009年度から5年生9月~翌年1月まで上位生対象に思考力育成テストが月1で実施されるようになり、上位生はカリテ・センター模試・思考力育成テストと毎週何らかのテストを受けることになります。そこで、新5年生になった当初から、2週間単位の学習スケジュールではなく、あらかじめ1週間単位の学習スケジュールを組み、その週の学習内容はその週のうちに終わらせるようにしたいところです。
★学習スケジュール
「基礎を固める」「骨太な計算力を身につける」が5年生の年間目標ですから、毎日の計算練習を疎かにしてはいけません。『計算と漢字』の日割り計画を立て、朝に集中して取り組むようにしましょう。
『本科教室』の「学びのひろばのまとめ」「オプション理解」「オプション活用」は必須で、その週のうちに2回転するスケジュールを組むと効果的です。オプ活には難易度高めの問題が数問含まれていますが、どれも入試においては典型問題ですから、5年生のうちに一度は手をつけてもらいます。
『栄冠への道』は生徒の状況に応じた取り扱いをします。基本的には『本科教室』の反復を優先し、それを補う必要がある場合には『栄冠への道』の問題を拾い上げて解くというスタイルで十分です。
また、毎週のカリキュラム内容の学習だけでは、既習内容が抜け落ちて行きます。2週間前と2ヶ月前のカリキュラムの復習を日曜日に組み込みましょう。5年生の日曜日を既習単元の復習時間として有効に活用することで、基礎力定着の時期が早まります。
★テスト
5年生のうちは、カリテでは共通を完璧に、応用では計算は当然、それ以外に2問以上得点することを目標にしましょう。センター模試では120点以上をキープし、偏差値62~65を推移できるように。前述のような学習スケジュールで進めれば、可能な数字です。
5年生9月から翌年1月まで上位生対象に実施される思考力育成テストについてですが、中等部の出題傾向にはそぐわないものになります。得点は気にしなくて良いですし、解き直しも突っ込んでやる必要はありません。ただ、この時期に思考力問題で頭を鍛えること自体は受験生としてマイナスにはなりませんから、良い機会ととらえて、前向きに受けるようにしましょう。