慶應中等部の合格点は高いです。普通に大手塾に通っていれは、簡単に出来てしまう問題が少なくないからです。まずはここをしっかり得点してください。塾の問題集や模擬試験で出される標準レベルの問題を落とさないことが第一歩です。僅差の争いになりますのでケアレスミスは命取りになります。
これをクリアした上で、差がつきやすい問題をひとつひとつ得点し、合格に近づいていきましょう。これからその具体案を述べていきます。
勉強は勉強の世界のこと、という感覚の受験生は少なくありません。遊びや食事の時間とはまったく別物と感じている。しかし慶應中等部の先生は、身近なものに「科学」を感じてほしい、と要求してきます。結びつけていかなくてはなりません。
理想は、普段の生活でも習ったことを使って考えられるようになることですが、それはやれと言われて出来るものではありません。勉強のときに日常のことを思い出せればいいのです。例えば、しょう油は電流を通すか?→しょう油はしょっぱい→食塩がとけているはず→通す。私の授業ではここのつながりを訓練します。
水溶液や三態変化、熱などは身近な例にあふれていますので、生徒の体験も合わせてどんどんつなげていきます。ただ、習いたてで理解が浅い場合は混乱、混同の危険がありますので、生徒によって時期の見極めを行います。
環境問題は燃焼や水溶液といった化学分野と光合成や食物連鎖(原発で注目される生物濃縮につながる)といった複合問題を作りやすいテーマです。このようにいくつかの単元をつなげやすいテーマや、つなげやすいキーワード(代表は「表面積」)があります。
慶應中等部志望にはおもに9月以降、連想ゲームのように復習単元の現象や原理をつなげる訓練を行います。慣れてくると、各分野の行き来がスムーズになり、問題を解くのが楽になります。1.の生活の科学と重複しています。生活の科学では勉強と生活をつなげる、総合問題ではいくつかの分野をつなげる、いかにつなげていくかが慶應中等部対策の最重要事項です。
知識は、覚えるしかないものです。慶應中等部は特に植物が詳しく出ますので、テキストに出てくる植物名はまず完璧に。それでは足りませんので、6年の夏以降は知識ノートを作ることをオススメします。テキストに出てくる知識(季節と生物、花、森林、動物の分類/気体、水溶液、実験器具/岩石など)をまず自分でまとめます。このときなるべくノートに余白を残しておくことがポイントです。
新しく解いた問題で知らないものが出てきたら、随時書き足していってください。葉や花粉などの形を問われる問題も出ますので、図もいれておくとよいでしょう。コピーして貼るのではなく、自分で描くことが重要です。その方が覚えるからです。
ただ、図を描くときは、簡略化したものを写すようにしましょう。写真や、写真のような図を写すと、特徴が分かりにくいことが多いからです。