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理科の合否を分けた一題

慶應中等部入試対策・理科の合否を分けた一題(2013年度)

平成25年度(2013)

 昆虫に関する問題
 食塩水の性質や湿度に関する問題
 ペーパークロマトグラフィーに関する問題
 植物に関する問題
 物の運動に関する問題

総評

本年度は大問5題の構成で、生物、化学、物理の各分野から出題されました。本年度は地学の分野からは出題されませんでしたが、天体はほぼ毎年中等部では出題されてきましたので来年以降も要注意です。

は昆虫についての基礎知識を問う問題でした。(2)のトンボは不完全変態ですので、さなぎの時期がない4と5に絞り込めますが、トンボの冬越しは幼虫(ヤゴ)ですので、4が正解です。
は食塩水の濃度や湿度に関する問題です。(2)のポイントは飽和水蒸気量は気温が高いほど大きくなるということです。冷たい液体を入れたコップにまわりの空気が冷やされてより多くの水滴がつくのは、「空気が湿っている」ときです。風呂場の鏡がくもるのもこのためです。(3)は知識に基づいて考えさせる問題でした。「合否を分けた一題」として後で詳しく解説します。
は水溶液をろ紙に染み込ませて溶けている物質を分離させる「ペーパークロマトグラフィー」に関する問題でした。図を見て考える力を問う問題でした。
は植物に関する知識を問う問題でした。樹木の実と葉の様子などかなり細かい知識が問われています。
は物の運動に関する問題が出題されました。表から「比較実験」を行います。BとCを比べると、「糸の長さ」と「車の進む距離」は比例していることがわかります。同様に、CとDを比べると、「重りの重さ」と「車の進む距離」も比例しています。また、AとBを比べると、「重りを振り上げる角度」を2倍すると、「車の進む距離」は3倍以上になることがわかります。

難易度

A:易しい B:標準 C:難しい


(1) A
(2) B
(3) A
(4) A


(1) A
(2) A
(3) B
(4) A
(5) A


(1) A
(2) A
(3) A
(4) B


(1) B
(2) A
(3) A


(1) A
(2) A
(3) B
(4) A

問題

10%の食塩水をペットボトルに500ml入れて冷凍庫で凍らせました。完全に凍ってから冷凍庫から出して放置して、半分ほどとけたところで、固体と液体の部分に分けました。まだ固体だった部分をA、液体になった部分をBとして、次の問いに答えなさい。

(3)A、Bともに液体で同じ温度のとき、なめてみると、どちらの方が塩からく感じられますか。次の中から選びなさい。
1 A    2 B   3 どちらもかわらない

(4)A、Bともに液体で同じ温度のとき、200mlずつをとり、重さを比べるとどちらの方が重いですか。
1 A   2 B   3 たがいに等しい
(3)(4)より)

解説

(3)この問題のポイントは、食塩水が凍るとは食塩水の中に含まれる水が凍っているということです。凍っていない部分(B)は、(Aの中で)凍った水の分だけ水の量が少なくなっています。したがって、Bの方が塩分濃度が高くなり、なめると塩からく感じます。よって、2が正解です。
一般的に、食塩水は食塩濃度が高くなるほど凍りにくくなります。これは凝固点が下がるためです。冬に湖は凍るのに、海水が凍らないのはこのためです。

(4)この問題は(3)と連動しています。(3)よりBの方が食塩濃度が高いことがわかりましたから、同じ体積(200ml)の食塩水の中に含まれる食塩の量はBの方が多くなります。よって、2が正解です。

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