一 | 問一 すべてA 問二 A 問三 A 問四 A 問五 A 問六 A 問七 B 問八 A 問九 A |
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二 | 問一 A 問二 A 問三 A 問四 A 問五 A |
三 | ア A イ A ウ A エ B オ B カ A |
四 | ア B イ B ウ C エ C オ B |
五 | ア A イ A ウ B エ A オ A カ A キ B ク A ケ A コ A サ B シ A ス B セ A ソ A |
A…確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題
今年度の慶應中等部は大問五つの構成となっており、例年通りの出題でした。文章題二つはともに随筆文で、大問一は人形浄瑠璃を観た経験と感想、大問二は「おかわり」と「リフィル」の違いについて、どちらも著者名が明らかにされておりません。一問でも落としたら差がついてしまう、そんな基本レベルの問題ばかりでした。ただし、大問一は難読漢字が多かったので、読むトレーニングをきちんとしてこなかった受験生には厳しい文章だったかもしれません。また、大問二は5問中3問が言語要素の問いでした。大問三は、別の意味にとれる現代の言葉遣いについての問題、大問四は、畳語と呼ばれる同一の単語を重ねて一語とした言葉の問題でした。大問三、四ともに、慶応中等部らしい言葉にこだわったものでした。大問五は、漢字の書き取り十五問となっていました。記述が一題、四十字以上五十字以内という、慶応中等部としては珍しく長いものが出題されました。
接続詞、副詞の混ざったものでしたが、前後の部分の関係をきちんとおさえられば、4つとも正解できるレベルの問題です。
「どうなった」と問いにあります。直後でいったん著者の経験話になりますが、丁寧にその後を読んでいけば答えに当たります。落とせない問いです。
直前の特徴をまとめるだけの問題です。不要な部分を削れるかが勝負ですが、○をとらなければならない問いだと考えます。
線部の直後の「からくり」に飛びつかず、もう少し先まで読み進められれば、「淡路人形浄瑠璃の持ち味である『けれん』を」とあり、答えが選べました。落としたくない問いです。
間違っているものを選ぶ問いです。丁寧な読み、もしくは、丁寧な確認が求められました。ただし、線部の直後の内容と違うものが正解選択肢であり、落としてはいけない問いと言えます。
両手にはさんだストローをこすり合わせてストローが回る様子が、うず潮のうずを巻く様子と似ているということが読み取れるかが試されました。最後の5が正解なので、途中であきらめなければ、正解できたと思います。
線部の直後から始まる説明を読めば、答えが選べます。「時間差によって生まれる、あの不思議な現象」。これが、両者の共通点だったので、思い出したのです。
松尾芭蕉「おくのほそ道」。絶対に落とせません。
「茫然と」の心情は必ずどこかで学んだと思います。さらに、他の選択肢が明らかに違う心情を述べていることも考えると、落としてはいけない問いだと言えます。
線部の「こと」を自分なりに言い換えるという工夫をすると、正解に近づきます。今回は「経験」と言い換えられます。落としてほしくない問いです。
「細心の注意」という言葉を知っているかが勝負。漢字テストでも頻出する熟語です。落としてほしくない問いです。
「腑に落ちない」の意味を知っているかが勝負。物語文の問題で出てくることのある、心情が読み取れる動作表現です。落としてはいけない問いです。
直前の内容から「リフィル」の二つの使い方が書いてあるものが答えだとわかります。落としてはいけない問いです。
最後の段落、特に終わり5行と同内容を選べば正解となります。落としてはいけない問いです。
ア・イの「やばい」は、TVなどでも取り上げられている身近な言葉なので、本来のマイナスの使い方と、最近のプラスの使い方は判断できるでしょう。
ウ・エの「大丈夫」は、一つしか使い方が発想できなかったかもしれません。
オの「普通」は、程度を表す選択肢が3つもあるため、本来の意味を聞いている点を考えず、自分なりの解釈で選んでしまう可能性があるかもしれません。
カの「イタかった」は、例文から意味が読み取れるので、易しいと考えます。
合否を分けた一題で説明いたします。
ウ 世相 キ 定石 サ 明 ス 測候 の4つが書けない可能性が高いと予想します。しかしそれでも、慶応中等部の入試では漢字が15問程度出題されると知っているならば、落とすのは2,3問におさえてほしいです。
今回は四の畳語が合否を分けた一題と考えます。慶応中等部は、言葉に関する難度の高い問題を必ず出題します。慶応中等部に合格するためには、文章問題を解く能力は基本レベルで良いのですが、言葉に対する感度を普段から高め、鍛えておく必要があります。
日本語には、畳語と呼ばれる同一の単語を重ねて一語とした言葉がある。次の各文の空らんにあてはまる畳語を〔 〕内の意味を参考にして考え、■部分に入るひらがなを後の1~5から選び、番号で答えなさい。ただし、□・■・○はそれぞれひらがな一字分を示し、同じ記号には共通したひらがなが入る。なお、濁点がつく場合にも、同じひらがなと考える。必ず例を参考にすること。
(例)□■□■な種類のスポーツをたしなむ。〔いろいろ〕
→空らんには「さまざま」が入るので、答えるべきひらがなは「ま」となる。
ア 彼が犯人だと□■□■感づいていた。〔かすかに、ほのかに〕
1 す 2 こ 3 み 4 な 5 ま
イ 新製品であるにも関わらず、□○■□○■傷がある。〔いくつかの箇所〕
1 ひ 2 さ 3 ろ 4 つ 5 か
ウ □■□■心配していたことが起きてしまった。〔前もって〕
1 す 2 ね 3 つ 4 る 5 こ
エ 散歩□■□■買い物に行く。〔ついでに〕
1 に 2 き 3 り 4 た 5 お
オ 思いがけず□■□■な目に遭う。〔ひどく悪いさま〕
1 ふ 2 え 3 せ 4 ぬ 5 ん
【解答】
ア 1 うすうす〔かすかに、ほのかに〕
イ 3 ところどころ〔いくつかの箇所〕
ウ 2 かねがね〔前もって〕
エ 4 かたがた〔ついでに〕
オ 5 さんざん〔ひどく悪いさま〕
今回の慶応中等部の国語最大の難問です。
慶応中等部特有のとてつもない語彙力を持っていなければ解けないものです。
対策としては、
言葉の知識に関する問題集を質量ともにこなす
ということがあげられます。
特に、形容詞や副詞の使い分けは、問題集の中での問題数も少ないので、様々な問題集に触れる方が良いと考えます。
ただし、
今回の問題は選択肢なので、
5つのうち3つ、最低でも2つはとらないとマイナスになると予想します。