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社会の合否を分けた一題

豊島岡女子中入試対策・社会の合否を分けた一題(2017年度)

難易度分類

[1] 問1 C  問2 A  問3 B  問4 B  問5 A  問6 A
問7 B
[2] 問1 A  問2 A  問3 B  問4 A  問5 B  問6 A  
問7 B  問8 C
[3] 問1 A  問2 A  問3 A  問4 B 問5 C  問6 B
問7 B  問8 C  問9 B  問10 A

A…豊島岡女子中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…やや難しく紛らわしいが得点したい問題、正誤で差がつきやすい問題
C…受験者の大半ができない難問であるため、間違えても差がつかない問題

出題総評

2017年の豊島岡女子中の社会は、年通り「地理」「歴史」「政治」分野から大問が一題ずつ出題されました、昨年度よりも難易度の高い設問が少し多くなりましたが、Aランク・Bランク中心の出題であることは変わりありません。受験生としてはあまり難問を追いかけ過ぎず、地理・歴史・政治の各分野で取りこぼしなく得点できる力をまずはしっかり養成したいところです。政治では、日本国憲法の条文について細かい出題がありました。歴史では、20字程度の記述問題が出題されました。地理では、統計資料を用いて読み取りや考察をさせるユニークな出題も見られました。いずれの問題も落ち着いて問題文を読み、設問で問われているポイントを把握した上で解答できるようにしましょう。

問題別寸評

[1]

(政治)日本国憲法の施行70年を題材にした問題です。

問1

日本国憲法施行70年については、来春以降の入試でも十分出題が予想されます。中でも、前文や第9条、第26条など重要条文中の表現については、記述形式での出題が目立ちます。今後は憲法改正に関する「96条」なども注目されると予想できます。本問は、受験生にとってかなり細かい知識を問うものであり、特に「国防軍」を選べた受験生はかなり少なかったと予想します。

問2

 
内閣が制定するきまりは、「政令」となります。確実に得点したい問題です。

問3

大日本帝国憲法は、君主権の強い欽定憲法でした。大日本帝国憲法下では、天皇は様々な権限を持っていました。1.「勅命」とは「天皇の直接の命令」のことであり、天皇の権力を示す内容となります。ちなみに「勅撰和歌集」や「教育勅語」も同様の意味となります。2. 天皇の名で司法権が行使されていることから、大日本帝国憲法の内容と分かります。

問4

日本国憲法については、GHQが草案を作成し、その後日本の議員たちによって繰り返し審議される中で細かな修正や加筆が行われました。このことから、日本国憲法には「日本人の理念」もしっかりと反映されているとも考えることができます。ただ、入試問題としてはかなり細かな知識を要求しているため、受験生には難しい問題であったと思われます。

問5

国会の種類に関する出題です。通常国会は、毎年1月に召集され、予算の審議と議決が行われます。

問6

殺人事件などの重大な事件は「刑事裁判」として扱われ、第一審は必ず地方裁判所で行われます。また、三審制に基づいて「上告」の手続きを行った場合、最終審は必ず最高裁判所での審議となります。

問7

 
一見知識を問う設問のようにも見えますが、問題文をよく読むことで解答することができます。14条、22条、26条が指す内容は、問題文の直前に書いてある「男女の差がなく」「教育を受け」、「職業を選択できる」の部分になることが分かります。これら「教育」「職業」の内容と異なるのは「3.裁判を受ける権利」となります。

[2]

(歴史)日本の自然や産業、人口などについての問題です。

問1

グラフの読み取り問題です。初見のグラフでは、数値の読み取り方もしっかり確認しましょう。また、本問では問題文中にある「3つの数字を足し合わせると100%になる」という条件を活用することで、正答率を一気に上げることができます。問題文中の決定的な条件を読み落として失点してしまうことのないよう気を引き締めて臨みましょう。

問2

地形図の問題では正確にグラフを読み取る力が大切になります。地図の中から具体的な数字を見つけましょう。その上で、2万5千分の1の地形図で10mおき、50mおきに引かれている等高線を手掛かりに、①と②のそれぞれの標高を求めます。地形図は、落ち着いて確実に得点できるようにしましょう。

問3

かんしょ(さつまいも)は鹿児島、そばは信州(長野)での生産がさかんです。このような「組み合わせ」の問題は、「3項目すべてを判別」せずとも、「2項目」が判別できれば正解を選ぶことができます。

問4

確実に得点したい問題です。客土のような基本用語はしっかり得点に結びつけましょう。

問5

 
合否を分けた1題で扱います。

問6

日本の工業出荷額についてのグラフは頻出です。現在の日本は、重化学工業が中心となっており、「機械」「金属」「化学」の各工業が盛んです。一方、軽工業については「食料品工業」「せんい工業」が盛んになります。

問7

日本経済について、年代別の特徴を選ぶ問題です。各年代で特徴となるキーワードや出来事などと絡めて、確実に正解できるようにしましょう。1.自動車工業を中心にアメリカとの貿易摩擦が問題化されたのは1980年代となります。2.出生率の低下により日本の人口が減少し始めたのは2000年代です。3高度経済成長の一方で、公害や環境問題が大きく取り上げられるようになったのは1960年代です。4.バブル経済崩壊による就職難や不況の問題は1990年代のことになります。

問8

樹木の植生に関する問題ですが、理科の要素も入っており難しかった生徒も多かったと思います。カラマツは寒い地域に、椿は文字通り暖かい地域に見られる樹木となります。

[3]

(歴史)時代の転換点を題材にした問題です。

問1

1853年のペリー来航を詠んだ有名な狂歌です。「ひらがなで答えなさい」と指示がありますので、誤って漢字で「蒸気船」と解答しないよう注意しましょう。

問2

1.朝鮮通信使は、将軍の代替わりごとに江戸まで慶賀に訪れました。朝鮮との貿易については、対馬の宗氏が幕府の許可を得て行っていました。3.シャクシャインは江戸時代前期に登場するアイヌの首長で、松前藩に対して交易の正当化を求め「シャクシャインの戦い」を起こしました。しかし、改善はなされませんでした。4.薩摩藩が琉球王国と中国の間に国境を定めたことはありません。

問3

2.前島密は、明治維新の際に郵便制度を整えた人物です。3.終戦に際しての天皇の「玉音放送」は、ラジオを通じて行われました。4.現在の公職選挙法では、電子メールでの投票は認められていません。

問4

近現代の歴史事項の並び替えの問題です。アメリカ同時多発テロ(2001年)や阪神淡路大震災(1995年)など、10~30年前に起こった大きな事件や出来事の順番があやふやになった受験生もいたと思います。時事問題の学習などでしっかり確認しておきましょう。

問5

難問です。平安時代の荘園制度の構造に関する出題です。荘園に役人を立ち入れなくする「不入の権」や、荘園を貴族や寺社の土地とすることで重い税を免れる「不輸の権」は、いずれも「国への税を納めないでやり過ごす」という狙いが荘園にありました。一方農民は、土地の「持ち主」である荘園領主に対して税を納める必要があったため、「税の負担」に大きな変化はありませんでした。土地制度に関するかなり細かい出題ですので、多くの受験生にとっては難しい問題であったと思われます。

問6

近年日本でも注目されるようになった「ハロウィン」は、本来は「秋の収穫」を祝った行事でした。受験生にとっては、あまり馴染みのない出題であったと思われます。

問7

江戸時代に起こった火山噴火について準備していた生徒にとっては易しい問題だったと言えます。江戸時代に噴火した火山としては、富士山(1707年)、浅間山(1783年)、雲仙普賢岳(1792年)の3つが有名です。

問8

難問です。「長屋王」は奈良時代の皇族で、藤原氏との対立が発端となり、陰謀によって殺されたとされています。1986年に「長屋王」という文字が記載された木簡が大量に見つかったことで「長屋王の邸宅」が確認されました。細かい知識でもあり、正解した生徒は少なかったと思われます。

問9

教科書や資料集の写真でも有名な興福寺の阿修羅像は、天平文化を代表する仏像です。東大寺南大門金剛力士像は、鎌倉時代を代表する運慶の作品となります。

問10

基本問題となります。「13世紀の終わり」という時期から、元寇後に恩賞を与えられなかった御家人に対する「徳政令」であることを読み取りましょう。

合否を分けた一題

資料問題では、資料から何が読み取れるのか、また与えられた数値の中でどの数値に注目するのかを見極めることが大切です。「1校あたりの小学生の人数」から、人数の多い「東京・大阪」と「北海道・島根」に分けること、その上で都市部と地方の「大学生の人数」の違いを考察して、式の値がどのように変化するかを考えます。1問で受験生の総合的な学力を見てきた本問を、2017年の「合否を分けた1題」とします。

[2]
問5

本問では、「小学生の人数÷大学生の人数」の数値に注目します。大学の多くは都市部に集中しており、地方の学生の多くが都市部の大学へ進学します。このため、大都市ほど小学生の人数よりも大学生の人数が多くなることが考えられます。その結果、「小学生の人数÷大学生の人数」の商は、大都市ほど小さくなりますので、式の数値の小さい順から、「東京」「大阪」「北海道」「鳥取」になると分かります。

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