③点の移動については、動点が複数あるものが過去10年間で5回出題あり。ここ3年間出題がないので、そろそろ要注意です。動点が複数ある問題だと、周期、旅人算、求積など、色々な設問が考えられるため、タイプ別に演習を積んでいきましょう。
後半戦の頻出分野である、①条件整理+場合の数、②立体図形、について。
①直近5年間での出題が最も多い「ゲームと場合の数」の問題は、自分の出した答えが正しいかどうか判断しにくく、今ひとつすっきりしないのが悩ましいところです。問題文が長いゲーム問題は鷗友学園中や古い年度の桜蔭中の過去問に散見されるので、それを利用して「どうやらこれが答えかな」と見切る練習をします。筑波大付属駒場中や、灘中2日目の過去問を利用して、設問(1)だけを得点する練習をするのも有効です。
②立体図形は「立体を切断する」、「立体をくりぬく」、「水そうを傾ける」「水そうの中に物体を入れる」といった、普通の女の子なら嫌がる問題かつ難易度が高めの問題のオンパレード。高度な空間把握能力を問う問題がある一方で、知識があればスムーズに解ける問題もあるため、演習量及び知識量の差がそのまま得点力の差として現れます。城北中2回目・3回目入試の立体図形問題と類似性があるので、取り組んでおくとよいでしょう。
入試は限られた時間内での勝負ですから、どの学校を受験するにしても、時間配分について作戦を立てるのは当然です。綿密な作戦を練る必要があります。
第1回入試の合格ラインの目安である7割を得点するには、後半戦[5][6]の時間配分がカギです。[5][6]については、片方は“難易度が高く(1)だけ確実に得点して、あとは捨てるのが無難な問題”で、もう片方は“設問すべてを解き切るのは難しくても、(1)(2)までは拾えるようなレベルの問題”というセットでの出題が目立ちます。
この識別を正しく行えるようにして、時間の浪費を防ぎます。さらに、設問ごとに費やす時間を判断するといった、現場での対応力を養成するためにも、生徒の状態を完全に把握したうえで、最適な時間配分の基準を作り上げるようにします。生徒にそれを身体に染み込むくらいに実践してもらうことが、合格には不可欠です。