[1] | (1)A (2)A (3)A (4)A |
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[2] | (1)A (2)B (3)A (4)C |
[3] | (1)A (2)B |
[4] | (1)A (2)C |
[5] | (1)A (2)A (3)B |
[6] | (1)A (2)B (3)C |
A:豊島岡合格を目指すなら必ず得点したい問題
B:着眼点や解法ツールにより正答率・かかる時間に差がつく問題
C:難易度や処理量から判断して、部分点狙いで答案を作成すべき、もしくはとばすべき問題
今年も、大問1・2は計算および各単元からの小問集合が計8問、大問3~6は4つの単元にわかれて、という昨今の形式が踏襲された入試となりました。
詳細については大問1が計算1問+小問3問(場合の数・割合・数の性質)、大問2は文章題が3問と平面図形が1問、大問3は規則性の問題、大問4は2点の移動の問題、大問5は場合の数の問題、大問6は立体図形の応用問題でした。
(1) 答 7.6
分数や小数の混合計算。工夫は特にないので、分数に統一して慎重に・順番に計算していきましょう。
(2) 答 10個
カードを並べる場合の数の、典型的な一行問題。偶数なので、一の位は使えるカードのうち0か2です。0の場合は百の位、十の位、一の位と3×2×1=6個、2の場合は2×2×1=4個できます。(4種類の数字、ではなく4つの数字ということにも注意しましょう)
(4) 答 2119
~でわると~あまる、という倍数の典型問題。余りがバラバラ→不足数もバラバラなので、両方の条件に合うものを書き出して重なるところを調べます。
11で割ると7余る→7、18、29、40、51、62、73…
31で割ると11余る→11、42、73…
となり、最小は73です。その次は、割った数である11と31の最小公倍数=341ずつを足していくことになり、式に表すと73+341×□=1950にもっとも近い数、おちうことになり答えが求まります。
(1) 答 31枚
和と差の文章題で、差集算の問題です。
合計金額が62円切手で82円切手よりも1030円少ないといっていますが、82円切手が62円切手よりも5枚多いことから、両方とも枚数を62円切手にそろえると、82×5=410円分の差が縮まることとなり、1030-410=620円の差になります。1枚当たりの差が82-62=20円なので、ここから答えが求まります。
(3) 答 A26個、B14個
(4) 答 1640㎡
3頭の牛の動ける範囲を考える平面図形の問題。それぞれの牛が互いに重なり合うところ・そうでないところをしっかり作図して捉える必要があり、かなりの難問です。各々の牛が動ける範囲を作図すると以下のようになります。
続いて、Aの牛(つな16m)とBの牛(つな12m)がぎりぎりで重なるところを考えると、上図の青い円弧と赤い円弧が交わる部分になります。(下図の太い点線の部分)
同様にAとC、BとCで同じように考えると以下のようになります。
よって、牛が動ける部分の面積の合計は以下のような半径が12m、16m、20mの半円の面積と、縦が12×2=24m・横が16×2=32mの直角三角形の面積の合計となります。
ここからは大問になります。5の倍数を並べた数列をテーマにした規則性の問題。
(1) 答 5
7で割った…とあるので、5と7の倍数の最小公倍数である35までを1周期として考えます。5、10、15、20、25、30、35までを7で割ったときの余りはそれぞれ5、3、1、6、4、2、0となり、この7個の数字の繰り返しが40以降の5の倍数でも続いていくことになります。127番目なので127÷7=18グループ…1となり、余りから答えが求まります。
(2) 答 5751
さきほどと同じように、5~35、40~70…と35を1周期として考えます。5、10、15、20、25、30、35までを7で割ったときの商はそれぞれ0、1、2、2、3、4、5で合計は17です。次に40、45、50、55、60、65、70までを7で割ったときの商はそれぞれ5、6、7、7、8、9、10で合計は52です。なお、1周期が35なのでそれぞれの商は35÷7=5増えるため、17+5×7=52としても構いません(例えば、7で割ったときの商は5→0、40→5で5増えている)。ここから、この数列の1~7番目までの和は17、8~14番目までの和は52、15~21番目までの和は87(=52+35)…と35ずつ増えていくことがわかります。127番目を問われており、127÷7=18…1なので127-1=126、120~126番目までの和を考えます。下線を引いた部分が7の倍数となっていることに着目すると、7=7×1、126=7×18なので120~126番目までの和は17+35×(18-1)=612です。したがって、1~126番目までの和は17+52+87+…+612=(17+612)×18÷2=5661です。127番目の数については、数列上で1番目の数→0、8番目の数→5、15番目の数→10となっており、番目が7増えるごとに数が5増えていきます。(127-1)÷7=18、0+5×18=90とわかります。先程計算したものと合わせれば答えが求まります。
2点が動き、そうしてできた三角形と台形の面積の大小を考えていく点の移動と平面図形(相似)の問題。
(1) 答 図形イの方が12㎠大きい
実際に12秒後の様子を作図すると以下のようになります。
(2) 答 18秒後
(1)の12秒後と比較しながら、図形アと図形イの各々の面積について考えていかなければならない難問です。まずは本問で考えなくはならない情況について作図してみます。
次に、図形イを下図のように2つの三角形にわけてみると、△GIQの面積が(12-9)×8÷2=12㎠となり、(1)の答えになっていることがわかります。ここから、△EHIと△GBQは面積が等しいことになります。
では、この図に最初の図を重ねあわせてみましょう。
図形ア(△EJK)と図形イ(台形GBLK)の面積が同じですが、このうち☆の部分がお互い等しいです。HI=IQ=8㎝であることに着目し、さらに共通部分を探すべくHからJKに向かって垂線を引きます。
すると長方形HIKMも長方形IQLKも、縦が共に8㎝・横の長さも等しいので面積が等しいことになります(図の◎の部分)。したがって、残りの部分である△HMJは、△GIQと同じで12㎠ということになります。この三角形は△DEFと相似で、その比は縦:横=DF:EF=16:24=2:3です。JM×HM÷2=12で、JM:HM=2:3になるようなJMは4㎝、HMは6㎝だけです。ここから、P・Qが移動した距離がわかり、答えが求まります。(実際にここまでを本番の試験中で考えるのは困難です。(1)の答えである12秒後から、P・Qが到着する24秒後までで大体の見当をつけて答えを求める方が現実的でしょう)
円周上の点を2人がじゃんけんをしながら動いていき、その様子を考えていく場合の数の問題。今年は本問を、合否を分けた一題として後述いたします。
(1) 答 D
(2) 答 1回
(3) 答 B、E、G
最後の大問であり、昨今の入試で良くテーマとして扱われる立体図形の問題。水そうを傾けて、水面が立方体のどの点を通るのかイメージが湧きづらい受験生も多くいたと思われます。最終問である(3)は相当な難問と言えるでしょう。
(1) 答 1512㎤
真上から見たときにBCとEHが重なるということは、EHを軸として左の向きに45°傾けたということです。そのときの水そうを正面から見た図は以下のようになります。
水のある部分の底面積は12×12-6×6÷2=126㎠となり、水の体積はこれに高さの12㎝をかければ求まります。
(2)答 1440㎤
CとEを直線で結んだときに、水面を考えた場合にその垂線はDを通ることになります。作図をすると以下のように、垂線はGも通ります。(正面から見た図がCEを対称軸として線対称になるため)
(3) 答 1606.5㎤
(2)でDを通ったので、本問でのKを通る場合と比較した図を描いてみます。
今回は、後半の大問群の中で場合の数である大問5について合否をわけた一題として紹介しましょう。決して平易な典型題などではなく、問題文の条件を一つ一つ整理して情況を丁寧に考えていかなければならず、差がついた問題と言えそうです。
(1) 花子さんが3回勝ち続けたとしても、右回りに6マス進むのでHにくることはできません。したがって、3回じゃんけんを終えて合計で左回りに1マス進んだということです。花子さんの場合、勝つと右回りに2マス、負けると左回りに1マス、あいこだと右回りに1マス進むので、例えば(←1、←1、→1)のような場合になります。(1回勝ってしまうと、Hまで左に3マスを2回で進むのは不可能です)このとき、花子さんは(負け、負け、あいこ)なので豊子さんは(勝ち、勝ち、あいこ)となり、豊子さんの場合、勝つと左回りに2マス、負けると右回りに1マス、あいこだと左回りに1マス進むので、(←2、←2、←1)と進むのでDにいることになります。
答え:D
(2) すべての場合を試験時間内で考えるのは理論的に不可能です。(1)と問題文の条件をよく比較して考えてみると、2人のスタート地点が同じ・じゃんけんをした回数も同じです。さらに、先程では花子さんがH、豊子さんがDにいて4つ離れているということも合致しています。よって、(1)よりあいこは1回です。
答え:1回
(3) 1回の勝ち負けで2人は2-1=1マスだけ離れます。(例えば、2人が同時にAからスタートしたとして、花子さんが勝って豊子さんが負けた場合は、花子さんはAから→に2マス、豊子さんはAから→に1マスで2人は1マスの差がつくということです)1回のあいこで2人は1+1=2マスだけ離れます。(1)で3回のじゃんけんが終わった時点で4マス離れていました。全てのじゃんけん後に2人が同じ点にいるということは、全部で2人は1周分=8マス分離れたことになります。よって、後半3回のじゃんけんで8-4=4マス分の差がついたことになります。4=1+1+2なので、片方の人のじゃんけんの結果が(勝ち、勝ち、あいこ)(勝ち、負け、あいこ)(負け、負け、あいこ)のどれかであるということです。豊子さんの場合で考えると、
①(勝ち、勝ち、あいこ)のとき…D→B→H→Gとなり、Gです。
②(勝ち、負け、あいこ)のとき…D→B→C→Bとなり、Bです。
③(負け、負け、あいこ)のとき…D→E→F→Eとなり、Eです。
なお、相手の花子さんの場合でそれぞれを考えた場合も、同じ答えとなります。
答え:B、E、G