豊島岡で出題されるのは、中和、気体の発生、燃焼、ほか習っていない化学反応です。ここまで化学反応の計算問題を徹底して出題する学校はほかに見つかりません。これに対応するためには、物質がどのようなふるまいをするのか、イメージをしっかり持っておく必要があります。
「物質は粒で出来ていて、それのくっつき方が変わって反応が起こる」これが化学反応の基本です。
中和ではそれぞれの物質が粒で表された図が必ずテキストに載っています。これを自分で描いて、反応のイメージをつかんでください。過不足なく反応する場合もあれば、どちらか少ないほうに合わせて反応が止まる場合もあります。この感覚を叩き込んでください。
本来なら中学で習う化学反応式ですが、豊島岡志望なら書けるようにしましょう。記号を使う必要はありません。実はいくつかの反応ではテキストに出てきています。
例えば代表的な中和
塩化水素(塩酸)+水酸化ナトリウム水溶液→塩化ナトリウム+水
炭酸水+水酸化ナトリウム水溶液(石灰水)→炭酸カルシウム+水
物質の名前でもくっつき方が変わったことが分かります。単純に組み合わせを変えるだけですので、いろいろな反応でこの式を書き、反応のイメージをさらに確実にしていくとよいと思います。これを書いてその下にそれぞれの物質の重さを書くのが化学反応式です。
銅+酸素→酸化銅
4g 1g 5g
これに慣れれば、見たことのない反応にも対応出来るようになります。
例えば、H24(2回)の問題
酢酸鉛+塩化ナトリウム→酢酸ナトリウム+塩化鉛(沈殿ア)
組み合わせを変えただけの単純な反応です。しかしこれが書けないと沈殿アのイメージがつかみにくく、その後を考えにくくなってしまいます。習った反応すべてでこの式を書き、新しいものでも書けるようにしておきましょう。
少ないほうに合わせて反応が止まるのが化学反応の鉄則です。どちらかが余る場合はその余りの量も重要になります。これは、「型」を覚えて確実に整理するのがいちばんです。
塩酸 水ナト水 食塩
ぴ 30mL 40mL 1.2g
今 60mL 120mL
反 60mL 80mL 2.4g
40mL余り
※ ぴ:ぴったり(過不足なく反応した量)
今:今混ぜた量
反:反応した量
私の授業ではこのような型を覚えてもらい、徹底的に練習します。