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国語の合否を分けた一題

豊島岡女子中入試対策・国語の合否を分けた一題(2016年度)

難易度分類

すべてA
問一A  問二B  問三A  問四B  問五C  問六A  問七B
問一A  問二B  問三A  問四B  問五A
問六B  問七A  問八A  問九A  問十B

A…豊島岡女子学園中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題別寸評

二字熟語の漢字書き取り問題です。

問一

語句の意味を問われている問題です。特にAの「普遍性」は本文を理解する上でのキーワードなので、ここでの間違いはさけたいところです。

問二

(1)「思い込む」とはどういうことかを具体的に言い換える問題です。設問の「二つ選び」から、並列の目印を探せるかがポイントです。本文の「そればかりでなく」がそれにあたります。
(2)「思い込んだ」ことの理由を答える問題です。傍線部周辺には理由だけではなく結果も書かれているので、混同しないことが重要です。

問三

具体例から筆者の主張を読み取らせる問題です。傍線部の一行前の「ことばや文化とは無関係に」という対比の目印を読み取れるかがポイントです。

問四

理由説明の問題です。傍線部の次の段落に明確に「そもそもの理由は」と書かれているので、その下を言い換えた選択肢が正解です。

問五

「認識を技術化する」という極めて抽象的な表現を具体的に言い換える問題です。直後の具体例と、最終段落の「『認識が技術化される』とは」の直後をヒントにしましょう。

問六

認識と技術の対比が問われています。問1の「普遍性」の意味がとれていないと難しい問題です。

問七

西欧近代科学は、認識が技術と結びつくことで普遍化したものであるという筆者の主張を読み取りつつ、問6で答えた「認識本来の姿」を記述させる問題です。設問の「比べながら」という指示を読み落とさないようにしましょう。

問一

傍線部の指示語を言い換える問題です。セオリー通り、まずは直前を見ましょう。

問二

「母さんが迷子になっている」という表現から、親子の立場が逆転していることを読み取らせる問題です。すぐに思いつかなくても、丁寧に消去法を使っても解くことができます。

問三

母さんの人物像を読み取らせる問題です。傍線を含む一文を読むと、かなり解きやすくなります。ベクトル(矢印)という言葉から何を連想できるかがカギです。

問四

理由説明問題ですが、傍線部にある「その矛盾」という指示語つきの言葉をまずは言い換えるところから解き始めることが重要な問題です。

問五

比喩を言い換える問題です。傍線の直前の一文に「僕の頭の中もたまにそんな感じになる」という指示語付きの表現があるので、その直前を見ると解きやすくなります。

問六

これも、比喩的な表現を言い換える問題です。傍線を含む段落を丁寧に読みましょう。

問七

「落ち着かない」という心情の理由を聞かれている問題。傍線の直後にある「焦り気味に」という類義の心情表現に気づくことができるかがカギです。

問八

心情説明問題です。傍線部の「気合を入れている」の具体的表現として直後のセリフがあることに気づくことができるかが問われています。

問九

これまた「この単純で揺るがない数式」という、指示語付きの表現が傍線部に見られます。指示語を見たら言い換える。まずはこれを習慣化しましょう。三

問十

文章の表現上の特色を問われています。このようなタイプの問題では消去法が有効です。選択肢を細かく分割し、誤っている個所を指摘する練習を普段からしておきましょう。

合否を分けた一題

豊島岡女子学園中はとにかく選択肢問題のレベルが高い学校です。選択肢が五択であるうえに、解答の根拠が傍線部から離れたところにあり、なおかつ、本文の言葉が正解の選択肢では言い換えられて用いられています。普段から、言い換えを意識しながら本文を読むクセをつけたいところです。

27年度から50字をこえる長めの記述問題が出題されていますが、いずれも大問の最後の設問であり、それまでの選択肢問題が解けていることが前提となります。

したがって、過去問演習の際にも、まずは選択肢問題に慣れることを心がけてください。

では、合否を分けた一題を具体的に見ていきましょう。

二 問六・七

問七は記述問題ではあるものの、直前の問六でも問われた「認識」という言葉の具体的内容を、西欧近代科学の認識と対比させて書かせる問題です。したがって、問六を落としていると芋づる式に解けなくなります。このように、豊島岡女子学園中学では、前の設問が誘導問題になっていて、最初を間違えると大量失点につながるケースがあるため、合否を分ける一題とさせていただきました。

解き方の手順

[1] まず、認識という言葉と対比されている言葉を探しましょう。すると、「科学は認識を目的としてきた。………これに対して技術は制作を目的にしてきた。」という部分が見つかります。認識←→制作という対比です。

[2] そして、認識は技術が普遍性を持つのとは対照的に、「ことばや文化」によって異なっていることが傍線部②の直前から読み取れます。ここから、問六のオ「その文化固有の」という正解が導けます。

[3] このように、本来は普遍性を持つことがない認識、すなわち、科学ですが、西欧近代科学では、「認識を技術化」(傍線部④)することにより、普遍性を獲得したことが述べられています。

[4] あとは、普遍性を獲得した西欧近代科学の認識と対比させて、問六で答えた「認識本来の姿」を、「その文化固有のものの見方」と言い換えて記述すれば答案が完成します。

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