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社会の合否を分けた一題

桐朋中入試対策・社会の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

【1】 問1 A
問2 B
問3 ①B  ②A  ③B  ④A  
問4 ①A  ②A  ③A  ④A
問5 B
問6 A
問7 A
問8 A
問9 A
問10 B
【2】 問1 A
問2 A
問3 A
問4 A
問5 A
問6 あA  いA  うA
問7 A
問8 B
問9 A
問10 B
【3】 問1 1B  2B
問2 B
問3 A
問4 A
問5 B

A:易しい(桐朋中合格を目指すなら確実に正解すべきレベル)
B:標準的(ややまぎわらしいが落とせないレベル、ここで差がつく問題)
C:難しい(受験者の大半ができないため差はつかない問題)

出題総評

問題自体は奇をてらったものは出題されないものの、しっかりとした基礎学習を積んでいたかどうかで差がつく問題であったといえます。歴史の並べ替え問題やグラフを見て回答する問題など、苦手とする場合には避けて通りがちな分野からの出題がありますので、まんべんなく学習を進めていく必要があるでしょう。また桐朋中の特徴の1つである、世界に関する問題はかなり少なかったです。記述問題は用語を覚えているだけではなく、「なぜそうなるのか」という因果関係などでつなげておき、場合によっては文字で説明するという対策をしておけば、スムーズに解答を進めることができたでしょう。

問題別寸評

Ⅰ 奈良時代から明治時代までの事実に関する歴史の問題
問1

並び替え問題は「キーワードの発見」が最重要です。アは徳川氏が大名を配置するということから江戸初期であるとわかります。イは壇ノ浦や平氏をほろぼすという言葉から、平安時代末期であるとわかります。ウは薩長同盟に関することであるので、江戸幕末であるとわかります。エは聖武天皇ということから、奈良時代であるとわかります。オは文化人が京都から離れたということで応仁の乱を浮かべ、室町時代だとわかります。カは下関条約と言う言葉から、明治時代であるとわかります。

問2

毛利氏・大内氏が治めていたところは今の山口県あたりでした。東大寺の大仏に使われた銅は、日本最古の銅山である長登銅山で産出されました。

問3

①杉原千畝は昭和時代、第二次世界大戦中にユダヤ人のためにビザを発行していた外交官で、「東洋のシンドラー」と呼ばれていました。③明治時代を中心に北里柴三郎はペストの菌を発見したり、破傷風の抗毒体を発見したりするなど、日本の医学界を発展させた人物です。また、慶應義塾大学に医学部を作ったのも彼です。

問4

④は飛鳥時代に推古天皇の摂政となった聖徳太子が制定した憲法十七条です。史料の問題は見たことがあるか否かで、差がつきやすいです。また、見たことのない史料が出題されたときには、必ずどこかに歴史用語につながるヒントが隠されていますので、しっかりとチェックすることができるような目を養っておきましょう。

問5

毛利氏の治めていたのは山口県で、現在は萩焼で有名な都市もあります。

問6

鎌倉時代は将軍の補佐役として執権、軍事・警察として侍所、政治は政所、裁判は問注所に属する御家人がそれぞれの役割を担いました。

問7

吉田松陰は1858年に結ばれた日米修好通商条約が、朝廷の許可なく結ばれたものであったため幕府を批判した。それをきっかけとして処罰を受けたことを安政の大獄といいます。そんか彼が立てた私塾である松下村塾では、伊藤博文などの明治時代に活躍する人物たちが学びを深めた場であったようです。

問8

奈良県にある東大寺は何度も戦火に見舞われましたがたびたび再建され、今の形となってます。

問9

雪舟は、墨の濃淡で表現する水墨画を大成した文化人です。

問10

日本は日清戦争に勝利し、下関条約によって、遼東半島の領有を認められましたが、ロシアを中心とした、フランス・ドイツの三国の干渉にあい、遼東半島を清に返還しました。その後、不凍港を求めていたロシアが遼東半島を占領したことに怒りを覚えた日本は日露戦争へとコマを進めていくのです。

【2】産業を中心とした地理の問題
問1

東京都は、第三次産業、愛知県は第二次産業と、それぞれ産業人口の多い都県ですから、そうではないものを選択すれば高知県となります。

問2

高知県は四国最南端で、太平洋に面しています。

問3

重化学工業のうちで、機械工業が最もさかんです。

問4

雨温図は「0度に線を引く」ことで区別ができます。岡山市・高松市はともに瀬戸内海の気候ですから、降水量が少ないです。また、高知市は夏に南東からふく季節風の影響を受けますので夏の降水量が多くなっています。また、鳥取市は冬に北西からふく季節風の影響を受けますの降水(雪)量が多くなっています。

問5

伊予は愛媛県の旧国名、讃岐は香川県の旧国名です。これらの旧地名は「いよかん」「讃岐うどん」などのように現代でも使われていることがあります。

問6

明石海峡大橋は神戸市と淡路島を結んでいます。

問7

台湾や韓国のように日本と関わりのある国名やその位置はしっかりと確認しておきましょう。地図をしっかりと確認することで、定着率は格段に上がります。他にも可能であれば、「日本の同緯度・経度にはどの国があるのか。」などというような支点も持てると良いでしょう。

問8

ストローのように、新幹線や高速道路などの交通網の整備によって、小都市が大都市の経済圏に取り込まれ、ヒト・モノ・カネがより規模の大きい都市に吸い取られていく現象のことをストロー現象といいます。

問9

1995年の1月17日に兵庫県南部地震が発生し、それにより、阪神淡路大震災が引き起こされました。

問10

日本よりも人口が多い国は9カ国あります。桐朋受験者は世界のことにも触れられるように学習を進めましょう。

【3】ノーベル賞や環境問題に関する公民の問題
問1

2001年に経済産業省に原子力安全・保安院が設置されましたが、2012年に廃止され、環境への影響を考え、環境省のもとに原子力規制委員会が設置されました。

問2

日本初のノーベル賞受賞者は湯川秀樹です。その後は歴史の出来事をヒントに解き進めます。大江健三郎は高度経済成長期(1955年~1972年)に受賞し、佐藤栄作は沖縄返還(1972年)の二年後に受賞したことから、順番を考えます。山中伸弥は2012年に受賞したのでこれが最後となります。

問3

水素爆弾は1954年、第二次世界大戦後にアメリカがビキニ環礁で爆破実験を行ったことで使用されました。日本の第五福竜丸がそれに被爆し、水爆への反対運動が盛んとなりました。

問4

1990年から2013年にかけて、経済が急成長していった国を考えましょう。中国とインドは「BRICS」に数えられるほどに経済成長を遂げた国ですので、それだけ二酸化炭素の排出量も多いのではないかと考えられます。

問5

⇒合否を分けた1題で扱います。

合否を分けた一題

【3】
問5

グラフと本文を参考にして解答を進めます。単にグラフを読むのではなく、本文を参照しながら、どこに着目するのかを考えながらグラフを読み取ることを心がけましょう。本文を見ると、原子力に関する話題があがっている事がわかります。そこで、グラフも「原子力」の割合に着目します。2010年「28.6%」・2012年「1.7%」・2014年「0.0%」の原子力の推移の背景にあることがらとして、2011年の東日本大震災を浮かべましょう。震災の影響で、福島第一原子力発電所で事故があり、そこから原子力に対する不信感が募りました。それにより、段階的に原子力発電の割合が下がっていったものと考えられます。解答欄はここまでかけば埋まってしまうかもしれませんが、原子力発電の代替として火力発電の割合が高まっていることにも注目しておきましょう。

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