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社会の合否を分けた一題

桐朋中入試対策・社会の合否を分けた一題(2017年度)

難易度分類

問1(1)A (2)A (3)A (4)A (5)A (6)B
(7)A (8)B (9)A  問2 A  問3 A  問4 A
問1①A  ②B  ③B  ④B  ⑤A  ⑥A  ⑦A  ⑧A
問2 B  問3 C  問4 A  問5 A  問6 B  問7 B
問8 C  問9 【新潟】A 【前橋】B 
問1 A  問2 A  問3 A  問4 A 問5 B

A…桐朋中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…やや難しく紛らわしいが得点したい問題、正誤で差がつきやすい問題
C…受験者の大半ができない難問であるため、間違えても差がつかない問題

出題総評

2017年度の桐朋中学の社会は、例年通り大問3つの構成でした。[1]は歴史、[2]は地理、[3]は公民分野からの出題でした。全体的に、社会の基本的な知識を問う問題が中心ですが、記述問題も本年は2題出題されました。地理では統計資料を読み取り、考察できることを説明させる記述問題が出ています。受験生は資料から読み取れることをしっかりと見つけ出し、簡潔に答えを書く訓練が必要になります。地理では細かい知識を問う出題が見られた反面、歴史・公民では標準的な出題が多く、60点満点の試験で受験者平均46.3点、合格者平均49.6点とかなりの高得点入試となりました。難問対応力よりも、ケアレスミスや条件の読み落としを防ぎ、得点を積み上げていく力が大切になります。

問題別寸評

(歴史)北海道新幹線を題材にして歴史知識や考察を問う総合問題です。

問1

歴史では単語を「人物」「時代」と必ず結びつけて覚えることが大切になります。各文の中から時代を特定できる単語を見つけ出して、確実に正解しましょう。
基本問題です。各時代・各文化を代表する遺跡や建築物、戦乱や合戦の場所については、必ず地図で示せるようにしておきましょう。
足利義政については「銀閣」「東山文化」「雪舟」等とも関連づけて覚えるようにしましょう。
1877年の西南戦争になります。日本の歴史上、最後の士族反乱となります。
基本問題です。「卑弥呼」に限らず、歴史上の人物は、漢字で表記できるようにしましょう。
武士として初めて太政大臣になった平清盛についての問題です。記述では、解答の「要」となる内容や表現をしっかり答案に入れることが大切です。今回は「娘を天皇と結婚させた」「子を次の天皇とした」「外戚関係(天皇の母親の一族)を築いた」などの内容を入れるようにします。
「大森貝塚」は、現在の品川区・大田区にあり、アメリカの動物学者モースが発見しました。
ヒスイは、三内丸山遺跡から600㎞も離れた新潟県糸魚川周辺から運ばれました。他にも、長野県和田峠や新潟県佐渡から黒曜石なども運ばれ、広く交易していたことが分かります。
陸奥国は、現在の青森県、岩手県、宮城県一帯の地域にあった律令国の1つです。青森県の「陸奥湾」にもその名が残っていることなどもヒントにして正解にたどりつきましょう。

問2

 
シャクシャインはアイヌの首長で、江戸時代初期に松前藩に対して「シャクシャインの戦い」を起こしました。

問3

1973年に起こった石油危機により、1960年代から続いた日本の高度経済成長期が終わりました。

問4

日米修好通商条約では神奈川(横浜)・長崎・新潟・兵庫(神戸)の4港が開港されました。下田は、神奈川開港の6か月後に閉鎖されました。

(地理)日本各地の峠や世界の海峡に関する問題文を読んで知識を問う総合問題です。

問1

基本問題です。どの問題も問題文中にある「地名」から答えを決定できますので、満点を狙いましょう。

問2

「芦ノ湖」から「箱根」を結びつけられるようにします。芦ノ湖は箱根山にある堰き止め湖です。

問3

群馬県と長野県の境にあるのは「碓氷峠」です。中学受験の社会では、なかなか見る機会の少ない地名であるため、受験生には少々難しかった問題かと思われます。

問4

確実に得点したい問題です。対馬は長崎県に属する島で、「対馬海流」の名前の由来にもなっています。

問5

 
「うず潮」から徳島県の「鳴門」を結びつけましょう。淡路島と鳴門市を結ぶ本四連絡橋が「大鳴門橋」になります。

問6

ヨーロッパの海峡に関する出題です。イギリスとフランスの間にあるのはドーバー海峡となります。世界地理の問題ですが、受験生にとってはやや難しかった問題だったと思われます。過去問や模試などで出てきた地名については、1つ1つ知識として積み上げていくことを心掛けて行きましょう。

問7

運河は、船舶の移動のために人工的につくられた水路のことです。カリブ海と太平洋を結ぶ「パナマ運河」、地中海と紅海を結ぶ「スエズ運河」は特に有名ですので確実に答えられるようにしましょう。

問8

ほとんどの受験生が答えられなかったと思われる問題です。「黒海」については、必ず「ヨーロッパとアジアを分ける境界」という表現が使われます。地図帳でも確認して覚えておくとよいでしょう。

問9

雨温図の特徴を理解できていれば得点できる問題です。「前橋市」は、中央高地ほどではありませんが冬の気温が低くなるため、選択肢の「い」を選ばないようにしましょう。

(政治)2016年に開かれた伊勢志摩サミットを題材にした公民の総合問題です。

問1

標準的な問題です。現在、サミットにはロシアを除いた主要7か国の首脳が参加しています。

問2

ナショナルトラスト運動の活動としては、埼玉県所沢市の狭山丘陵(トトロの森)や釧路湿原などがあり、全国で活動が続けられています。

問3

関税は、貿易の際に外国からの輸入品にかかる税金のことで、「消費税」や「酒税」などと同じ「間接税」の中に含まれます。

問4

イ. 「ふるさと納税」は、国内の地方自治体に寄付をすることで、寄付した額の税額が控除されるものです。その自治体内の商店街だけで利用できる商品券は、「地域振興券」になります。

問5

 
合否を分けた1題で扱います。

合否を分けた一題

資料から考察できることを読み取る問題です。このような資料問題では、いきなり「えい!」と記述解答を書き始めてはいけません。与えられた資料の中から「大きく変化している数値」に着目して、そこから読み取れることを一度箇条書きやメモなどにして書き出すことが有効です。そのうえで、書き出した内容を解答にうまく収まるよう注意して、文意の通じる簡潔な解答を書くようにしましょう。

問5

図4のグラフから読み取れることを確認します。1983年以降、漁業をしている人の数において、特に大きく変化している項目を探すと、「40~59歳」、「25~39歳」の年齢で大きく人数が減っていることが読み取れます。ここから、「高齢化が進んでいること」、それにより「漁獲量が減っていること」を考察し、これらを解答の中に入れて、文意の通じる記述答案を書くようにしましょう。

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