過去数年にわたり、桐朋の出題形式はほぼ変わらずに安定している。
直近の状況で言えば、1で計算問題が3問、2で一行問題が3問、3、4で式や考え方の記述が求められる問題、5が平面図形、6が速さ、7が数論となっている。
問題の配置も基礎的な問題から始まって難易度の高い応用問題へと進んでいく配置となっており、受験生にとっては考えやすいものであろう。
問題文の構成もクセのあるものや長文で条件が記されているものではなく、普段の学習の中でよく目にする比較的なじみのある問題文の問題が多い。
しかし、だからといって侮ってはいけない。過去には男子2教科トップ校であった桐朋であるので、その面影は今も健在であり、速さの問題や数論はかなり難易度の高い問題が出題されている。
たとえば、H21年の6は一見するとよく目にする流水算の問題ではあるが、小問の誘導に乗るまでが難しく、苦戦を強いられた受験生も多くいたのではないかと考えられる。
桐朋の算数において継続されていることに、記述式の問題が出題されることも
あげられる。
出題数は1問から2題(4問)と多少の違いはあるが、毎年出題されている。
その多くは問題全体の中盤に設定されており、その後ろに控えている問題は比較的難易度の高い問題なので、この記述式の問題にどのように対処するかが合否の分かれ目になりそうである。なぜならば、式や考え方が求められている問題は、標準的な問題から落ち着いて取り組めば正解にたどり着けそうな問題が多いため、ほとんどの受験生がその問題に積極的に取り組んでいくはずである。ところが、記述に必要以上に時間をかけてしまうとその後の問題にかけられる時間が少なくなり、その結果焦りから取れるはずの問題も落としてしまうことになりかねない。
また、式や考え方を記入するスペースも限られているため、書くべき内容の取捨選択も常に意識しながら、ノートを取る必要もあるだろう。
桐朋中の入試データを元に合格者平均点を見てみると算数の占める割合が毎年高いことが見て取れる。たとえばH19年からH22年で見ると
合格者平均点:(%) 算数合格者平均点(%) 差
H19年 223.4点(69.8%) 81.7点(81.7%) (11.9%)
H20年 222.9点(69.6%) 77.7点(77.7%) (8.1%)
H21年 225.9点(70.5%) 70.1点(70.1%) (-0.4%)
H22年 215.6点(67.3%) 76.1点(76.1%) (8.8%)
H21年は問題の難化が見られたため、合格者平均との差はほとんど見られないが、その他の年においては10%前後の差が現れている。
算数の結果が合否に大きく影響していることを示している。
また、算数の合格者平均点が70%から80%というのも算数の重要性を示しているといえよう。50分で小問数19問、得点率70%から80%という数値は決してやさしいハードルではない。特に正確さとスピードについてはかなり意識して日々の学習に取り組む必要があるだろう。
同じテーマの記事はいまのところありません。
※ ただ今、当塾の講師陣が一生懸命執筆しております。
執筆がすみ次第、随時公開いたします。
今しばらくお待ちください。