1 | (問1)A (問2)A (問3)A (問4)A (問5)B (問6)B (問7)B (問8)B (問9)C |
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2 | (問1)A (問2)A (問3)B (問4)A (問5)A (問6)B (問7)C |
3 | (問1)A (問2)A (問3)A (問4)B (問5)B (問6)B (問7)B |
4 | (問1)A (問2)B (問3)A (問4)A (問5)A (問6)B |
A…桐朋合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題
昨年と同じく物理・化学・生物・地学から1問ずつ、大問4つの出題でした。内容も例年と同様グラフや表からの読み取り・計算が多く出題され、細かい知識などはあまり必要としない問題でした。平均点も例年と大きく変わらない程度だと思われます。
出題構成は、各4分野から1題ずつの出題となっています。
物理分野の問題は、浮力に関する問題。
化学分野の問題は、圧力と溶解度に関する問題。
生物分野の問題は、動物の生まれ方に関する問題。
地学分野の問題は、地震に関する問題。
昨年と比べると、リード文の読み取りは易しくなった印象です。問題文にある通りに読解し、丁寧に計算していけば合格点に届くような内容でした。記述問題は相変わらず理科的思考を試されるような内容でしたが、それまでの問題内容をふまえて考えれば答えられたという人が多かったと思います。もちろん時間配分の視点で考えると、記述が思いつかなければ飛ばすことが正解です。
問題構成は、大問4題、小問29問。
解答形式は、記号選択が18問、数字が5問、言語が3問、記述が3問。
記号選択問題が増加しました。
(物理)浮力に関する文章題
計算がめんどうではありますが、丁寧に数値を求めていけば、それほど苦戦せずに高得点をとれるはずです。特別な知識も必要なく例年よりも簡単なくらいなので、桐朋を目指すのであればこういった単元で点数を稼げるようにしましょう。
仮に計算方法がわからなかったとしても、単位から計算方法を予想できます。
同じ体積(1㎤)あたりの重さを比べたものが密度なので、そのままです。
同じ重さで比べたときの体積が大きいということは、スカスカで密度が低いものを選びます。
(c)が正しく計算できていれば、ひと組あることがわかります。
木片の表には密度が書かれていませんが、金属のときと同様に計算して書き込んでおきましょう。
密度計算(重さ÷体積)をして、1よりも大きければ水に沈み、小さければ浮きます。
問7と同様です。体積・重さの合計が書かれていないので、丁寧に足し算してから密度計算しましょう。
→合否を分けた一題へ
(化学)圧力と溶解度に関する問題。
気体の溶解度と圧力の関係からの出題です。発展的な学習にあたるので知識だけで解き進めることはできません。しかし解法は問題文の中に書かれているので、そこまで難しいわけでもありません。問題文を読み飛ばすことなく、すみずみまで読んでヒントを探すことを習慣づけましょう。
「固体は水温が高いほどたくさん溶ける」、「気体は水温が高いほどたくさん溶ける」が基本です。
問題文に<3>の関係は水に溶けにくい気体のときだけ成り立つと書いてあるので、それを選びます。塩化水素は塩酸のもとですから、溶けやすいかどうか迷う必要はありませんね。
ここに書かれている、空気中の4つの気体の空気に占める割合は覚えましょう。
二酸化炭素の発生は塩酸+炭酸カルシウム。炭酸カルシウムを含むものとしては石灰石、チョーク、卵の殻、貝殻、大理石などをすぐに言えるようにしておきましょう。
問題の誘導どおりに式をつくりましょう。1000hPa×0.0004となります。0.04%のまま計算してしまわないよう注意してください。
炭酸飲料は高い圧力をかけて大量の二酸化炭素を溶かし込んでいます。そのままふたを開けると溶けていた二酸化炭素が一気に放出され、ふたが飛んでしまいます。それを防ぐため、二酸化炭素を逃がす縦の溝が必要になります。ふたを開けたときのプシュッという音は、この溝から二酸化炭素が出て行く音です。
(生物)動物の生まれ方に関する問題
前半は基礎知識、後半はグラフの読み取りの問題となっています。難しくはないので全問正解を狙いたい問題です。注意すべきなのは後半で、知識だけでは解くことができません。変な思い込みで失点してしまわぬよう、問題文やグラフに書かれている文字・単位にいたるまで、丁寧に読み取るようにしましょう。
体外受精をするのは、水中に卵を産む魚類と両生類の特徴です。卵に固い殻が無いという共通点もあります。生まれ方の問題で要注意なのは、卵生のほ乳類であるカモノハシと、卵胎生で魚類なのに親と同じ姿で生まれてくるグッピーやサメなどです。
胎生はほ乳類のみです。
この穴埋めも基礎知識だけです。落ち着いて答えましょう。子が育つところを子宮、栄養・酸素・不要物は母親のたいばんからへその緒を通してやりとりします。親子の血液が混ざることはありません。
ここからはグラフを読み取るだけなのですが、まぎらわしい選択肢が多いので、問題文・数値を細かく見ていきましょう。アの選択肢はメスの話ですが、グラフはオスの数値であることに注意。ウは30℃のとき20%程度なので約5倍です。
「24℃のとき」と指定されていたら、グラフに線を書き足して数値を丁寧に確認しましょう。
ミシシッピーワニのグラフがとてもわかりやすいですが、温度が33℃前後でないとオスが生まれなくなってしまいます。地球の気温が変化してオスが生まれなくなってしまうと、絶滅する可能性も出てきてしまいます。
(地学)地震に関する問題
地震の問題では計算問題が出題されることが多いですが、この問題ではそれほど時間はかかりません。問題文の長さから判断して、大問3よりも優先して解いてしまうのも良いでしょう。最後の記述で悩んでしまうくらいなら、他の問題に時間を使いましょう。
○○地震によって引き起こされた災害には、□□大震災などの別称がつきます。すべてをおぼえる必要はないですが、東日本大震災は日付も含めて必須です。
地震による被害といえば津波と液状化現象ですが、地震は地層のずれによって発生しますから、隆起や沈降も発生します。
緊急地震速報は先に届くP波を観測してから、S波が来る前に地震情報を伝えることが目的です。
速さの計算をするだけです。P波とS波が伝わる時間をそれぞれ求め、その差を答えます。初期微動継続時間のことですね。
問4にあるように、地震の波は秒速数kmという速度で伝わります。音の速さは秒速340m程度ですから、地震の波がものすごい速さだということがわかります(音の伝わりやすさは固体>液体>気体の順です)。一般人の使う乗り物の中で一番速いのは旅客機ですが、音よりも少し遅い程度の速さです。台風は自転車程度の速さで通過することが多いので、長時間にわたって被害をおよぼします。
どういった場所で地震が起こると緊急地震速報が間に合わないのか、ということを考えて答えましょう。
合否を分けたポイントとして、大問1の最終問題を選びました。大問1から計算問題を出題してくるあたり、それだけで苦手意識を持ってしまう人もいると思います。しかし計算自体は簡単なので、丁寧に解いていけば(8)まではテンポよく解き進められます。ただこの(9)でレベルが上がるので、この問題にチャレンジするかどうかで、その後の時間配分が変わってきます。難問というほどではないですが、計算手順の勘違いから失点する可能性の高い問題です。計算単元が苦手だという人は、すぐに次の問題に移ったほうが高得点を狙える可能性があります。
最後は浮力との複合問題です。この1問だけレベルが1ランク上がります。まずは先ほどまでと同じように重さ・密度をもとにアルミニウムの体積を計算します。
108 ÷ 2.7 = 40 ㎤
40㎤ → 浮力40g
これをそのまま答えにしてしまわないよう注意です。
「浮く」ということは浮力=物体の重さなので、
この球を浮かせるには108gの浮力が必要です。
残りの浮力を発生させるのに必要な空気の量を考えます。