[1] | 問1 A 問2 A 問3 A 問4 A 問5 A |
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[2] | 問1 A 問2 A 問3 B 問4 B |
[3] | 問1 A 問2 A 問3 A 問4 A 問5 A 問6 A 問7 B |
[4] | 問1 A 問2 A 問3 A 問4 A 問5 A |
A…桐朋中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題
2017年度の桐朋中は、例年通り、基本的知識を問う問題を中心としていますが、実験や観察の結果をグラフや表にまとめたものを、数字の処理をしたり、論理的に考えたりする問題が出題されています。
物理分野の問題は、豆電球と乾電池の回路の問題。
化学分野の問題は、ロウソクの燃焼・硫酸銅の溶け方の問題。
生物分野の問題は、魚類の体長とその利点についての問題。
地学分野の問題は、気温と地温の測定に関する問題。
桐朋中特有の、しっかり考えて書く記述問題は、昨年の2問だったものが5問出されました。
対策としては、基礎知識をしっかり身につけるとともに、グラフや表を見て何がわかるかを考える癖をつけること。記述対策として、分かったことを一行程度でまとめる練習をしておくとよいでしょう。
問題構成は、4分野から大問4題、小問29問。
解答形式は、言語が8問、記号選択が12問、記述5問、数字が4問。作図はありませんでした。
記述は、いずれも一行程度で、しっかり考えてからでないと書けない問題となっています。
計算は、電気回路と物の溶け方の問題で出されました。気を抜かずにしっかり取り組みましょう。
選択肢は、「すべて」選ぶものが多くみられ、的確な判断が必要です。
試験時間は30分で、時間的には余裕があるので、落ち着いて取り組みましょう。
(物理)豆電球と乾電池の回路についての問題です。
いわゆる普通に導線だけでつなぐ回路ではなく、扇型に切り分けたアルミはくの上で、金属棒を回転させることで、いろいろな点滅パターンを作り出す実験です。
しくみはそれほど複雑ではありませんが、アルミはくの形や位置と、点灯する回数や長さとの関係を考える必要があります。思考力を試す、良問と言えます。
金属棒がAとCに接触しているので、電球①が点灯します。
金属棒が5分間に100回転するので、1分間で20回転(100÷5)します。金属棒は1回転する間に、AとC・BとDに2回ずつ接触するので、電球②は2回点灯します。したがって、1分間では、2×20=40より、40回点灯します。
金属棒がEとFに接触しているので、電球①だけが点灯します。
金属棒がEとFに接触している間(角度で60°の範囲)は電球①だけが点灯し、EとGに接触している間(角度で30°の範囲)は電球①・②両方が点灯し、FとGに接触している間(角度で15°の範囲)は電球②だけが点灯します。一定の時間で回転しているので、点灯している時間は、角度の大きさに比例します。したがって、点灯している時間の比は、電球①だけ:電球②だけ=60:15=4:1
電球①が点灯している時間:電球①が消えている時間=(60+30):{180-(60+30)}=90:90=1:1
(化学)ロウソクの燃焼・硫酸銅の溶け方に関する問題です。
Ⅰは、ロウソクを、空気中で燃やした場合と、酸素のみで燃やした場合とを比較する問題。
Ⅱは、結晶硫酸銅と無水硫酸銅の溶け方の違いを確認して、解ける量を計算する問題。
酸素のみの集気びんの中でロウソクを燃やすと、大きな炎を出して激しく燃えて、ロウソクの減りもはやくなります。酸素の量が、空気中の約5倍なので、燃えている時間も長くなります。燃焼によって、酸素が使われて水と二酸化炭素になるので、集気びんの内側につく水滴も、石灰水のにごりも多くなります。
固体を水にはやく溶かす方法には、①かき混ぜる、②温度を上げる、③固体の粒を小さくする。
などの方法がありますが、この3つの方法を使わない場合を考えます。たとえば、結晶硫酸銅のかたまりを、水の上の方につるすと、溶けだした部分は密度が大きいので下に沈み、対流がおきます。
→合否を分けた一題参照。
(生物)魚類の体長による生活の変化に関する問題。
示されたグラフや表を見て、どのようなことがわかるか問う問題です。縦軸と横軸が示す量と、読み取った量の数的処理も求められています。難しいものではありませんが、選択肢を一つ一つきちんと確認することが大切です。
魚類とほ乳類は、どちらも脊椎動物です。羽毛は、どちらにもありません。
水中で生活する魚類は、えら呼吸です。両生類の成体・は虫類・鳥類・ほ乳類は、肺呼吸をします。
図1のデータの分布をみると、体調が長くなるほど、卵数が増える傾向があることがわかります。
「すべて」選ぶ問題です。表1を使って、正誤を一つ一つ確かめます。
ア:表1から、Aの攻撃回数は183回、Bは86回、Cは52回です。Aの攻撃回数の割合は、183/(183+86+52)≒57.(%)です。→正しい。
イ:CはBを19回攻撃しています。→正しい。
ウ:BがCを攻撃した割合は24/86≒0.28、CがBを攻撃する割合は19/52≒.037 より、後者の割合の方が高くなります。→正しくない。
AはB・C・Dのすべてに攻撃しているので、最も大きく、DはA・B・Cのすべてに攻撃していないので、最も小さいとわかります。BとCは、互いに攻撃しあっているので、ほぼ同じ大きさと考えられます。
これも、「すべて」選ぶ問題です。図2を使って、正誤を一つ一つ確かめます。
ア:体調50mmのグラフに着目すると、エサの重さが30mgのとき、処理時間は1mgあたり10秒です。30mgのエサを食べ終わるには、10×30=300(秒)かかります。→正しい
イ:体調40mmのグラフに着目すると、エサの処理時間が最も短くなるのは、エサの重さが3mgのときとわかります。→正しい
ウ:エサの重さが3mg以上のとき、同じ重さのエサの処理時間は、体長が小さい個体ほど長くなります。処理時間が長いほど、食べるために使われる栄養量が大きくなるので、よいエサとは言えなくなります。→間違い
エ:体調70mmのグラフに着目すると、エサの重さにかかわらず、処理時間はほとんど変わりません。24mgのエサであっても、他の大きさのエサとほぼ同じ速さでなくなります。→間違い
体長が長いほど、どの大きさのエサでも短時間で食べることができます。したがって、体長の短い個体より速く食べきることができる上に、得られる栄養量が多いので、次のエサの獲得にも有利になります。
(地学)気温と地温の測定に関する問題。
温度計の使い方、太陽の熱の伝わり方について、ごく基本的の問題です。問題をしっかり読み取り、ミスのないようにしましょう。
温度計の使い方の基本です。きちんと書けるようにしておきましょう。
日かげより日なたの方が、昼間の地温・気温ともに、大きく上昇します。
太陽の熱は、まず地面をあたため、次に、地面に近い空気から順番にあたためます。区別しやすい図1を見ると、●→■→▲の順に温度が上がっていることがわかるので、●:地面、■:地面付近の温度、▲:1.5mの気温の順にあてはまります。
太陽の光が地面をあたためるとき、地面が湿っていると、水分が蒸発するときの気化熱によって、熱がうばわれ、温度の上昇はゆっくりになります。
雪の白色より、土の黒色の方が、多くの熱を吸収します。
結晶硫酸銅と無水硫酸銅の問題は、中学入試でときおり見受けられます。小学校の範囲ではありませんが、説明文を読み取って、意味が把握できれば、解答できる問題です。この問題を演習で当たったことがある生徒は、問題の把握がしやすかったかもしれません。
水溶液の問題は、比で考えます。20℃のとき、水100gに無水硫酸銅20gまでとけるので、飽和水溶液は、水:無水硫酸銅=5:1です。一方、結晶硫酸銅25gは、無水硫酸銅16gと水9g(25-16)でできています。無水硫酸銅16gをとかすには、水80g(16×5/1)が必要ですが、まず、結晶硫酸銅にふくまれていた9gを使うと、あと71g(80-9)の水を加えればよいことになります。
以上から、追加する水の量:結晶硫酸銅=71:25 なので、50gの水に溶ける結晶は、50×25/71≒18(g)