[1] | 問1 A 問2 A 問3 A 問4 A 問5 A |
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[2] | 問1 A 問2 A 問3 A 問4 A 問5 A 問6 B |
[3] | 問1 A 問2 A 問3 A 問4 B 問5 B 問6 B |
[4] | 問1 A 問2 A 問3 A 問4 A 問5 A 問6 A |
A…桐朋中学合格を目指すなら必ず得点したい問題
B…やや難しく差がつく問題
C…難問
今年度(2016年)の桐朋中学の理科は例年通り大問4つの構成でした。【1】は鏡に映る像の問題、【2】は塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和反応に関する問題、【3】はアズキゾウムシとヨツモンマメゾウムシの産卵に関する問題、【4】は天体の自転と公転に関する問題でした。物理、化学、生物、地学全分野からそれぞれ大問が1題ずつ出題されました。全体的に理科の基本的な知識を問う出題ですが、【2】の問6のような中和反応を表すグラフを書く問題や【3】のようなグラフから正しい情報を読み取らせる問題など一筋縄では行かないような問題も出題されています。ただし、どれも理科の基礎が本当に身についているかを問う良問です。日ごろから、すぐに答えを見るのではなく自分の頭でじっくり考えるような学習を行うようにしましょう。
鏡から丸い紙を遠ざけたので、鏡に映る像も鏡から遠ざかります。
鏡に対して物体と像は線対称の関係になります。
物体と枠①の像は線対称になり、枠②の像は枠①の像の線対称になります。
鏡の前に置いた物体と枠①の像は線対称になり、枠②の像は枠①の像と線対称になります。また、枠③の像は枠②の像と鏡の前の物体の両方の線対称になります。
問5も問4も鏡と鏡の角度が90度なので、鏡の前の物体の像は3つできます。像のできるしくみは問4とまったく同じです。
①は部分中和で塩酸はまだ残っています。固体として残るのは食塩だけです。
BTB液は酸性で黄色、中性で緑色、アルカリ性で青色になります。①では塩酸がまだのこっています。②は完全中和していて塩酸も水酸化ナトリウム水溶液をも過不足なく反応しています。③では水酸化ナトリウム水溶液が残っています。
塩酸に石灰石を加えると二酸化炭素が発生します。
水酸化ナトリウム水溶液にアルミニウムを加えると水素が発生します。
水酸化ナトリウム水溶液40gの中には固体の水酸化ナトリウムは1.6g(4−2.4)含まれます。よって、水酸化ナトリウム水溶液の濃度は4%(1.6÷40×100)です。
⇒合否を分けた一題参照。
①はアズキゾウムシの成虫、②は幼虫、③はさなぎです。
表1で出てきた成虫の数が0のところはインゲンの粉の割合が20%以上です。
①のヨツモンマメゾウムシでは、アズキ1粒上の卵の数が1個であったアズキの粒数は50粒中38粒なので、70%(38÷50×100)を超えています。また、③では、アズキゾウムシがアズキ1粒に6個から8個の卵を産んでいるアズキの粒が全体の半数以上なのに、ヨツモンマメゾウムシはアズキ1粒に6個以上の卵を産んでいるものが1粒だけになっています。
ア アズキゾウムシは①の時でも②の時でも新アズキを好んで産卵しています。
イ アズキゾウムシとヨツモンマメゾウムシは①の時も②の時も新アズキを好んで産卵しています。
ウ ①と②のヨツモンマメゾウムシの産卵で比較します。
図2の①では、アズキ1粒上の卵の数が1個のアズキが多いことがわかります。これは、アズキゾウムシもヨツモンマメゾウムシも新アズキを好んで産卵するからです。
風速17.2m以上の熱帯低気圧を台風といいます。
地球の自転を利用した時計として日時計が考えられます。
北半球では太陽は東→南→西と動いて見えます。これは地球が西→東に自転しているからです。北極の上空から観察すると、地球は反時計回りに自転しています。
南半球では太陽は東→北→西と動いて見えます。
地球は24時間で360°回転するので、1時間に15度(360÷24)回転します。バイコヌール宇宙基地は東京から西に75度離れたところにあるので、時差は5時間(75÷15)です。また、バイコヌール宇宙基地は東京より西にあるので、東京の時刻が12時のときバイコヌール宇宙基地の時刻は午前7時になります。
図より惑星が太陽に近いところを1ヵ月に公転する距離(Xの弧の長さ)のほうが太陽から遠いところを1ヵ月に公転する距離(Yの弧の長さ)より長くなっています。
よって、惑星の公転速度は太陽に近いときのほうが太陽に遠いときより速くなることがわかります。
【問題】
同様の実験を、5%の塩酸65.7gと6%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて行ったときのグラフを書きなさい。グラフを書くのに必要な数値も書き入れなさい。なお、グラフを書くのに定規を使う必要はありません。
(【2】問6より)
【解説】
この問題は水溶液の濃度が変化しているので、水溶液自体の重さの比ではなく、水溶液の中に溶けている物質の重さの比で考えます。2%の塩酸73ℊと4%の水酸化ナトリウム水溶液40gが完全中和しています。2%の塩酸73gには、1.46g(73×0.02)の塩化水素が入っています。また、4%の水酸化ナトリウム水溶液には、1.6g(40×0.04)の水酸化ナトリウムが入っています。つまり、塩化水素と水酸化ナトリウムが完全中和する時の比率は、1.46:1.6になっています。5%の塩酸65.7ℊの中には、3.285g(65.7×0.05)の塩化水素が入っています。この塩化水素を完全中和させる水酸化ナトリウムの量を考えます。完全中和する時の塩化水素と水酸化ナトリウムの比を用いて、
1.46:1.6=3.285:□
□=1.6×3.285÷1.46=3.6g
水酸化ナトリウムが3.6g溶けている6%の水酸化ナトリウム水溶液の量は、60g(3.6÷0.06)になります。すなわち、5%の塩酸65.7gは6%の水酸化ナトリウム水溶液60gと完全中和することがわかりました。塩化水素1.46gと水酸化ナトリウム1.6gが完全中和する時、塩化ナトリウム(食塩)2.4gができるので、塩化水素3.285gと水酸化ナトリウム3.6gが完全中和すると塩化ナトリウム(食塩)は、5.4g(2.4×3.6÷1.6)あるいは(2.4×3.285÷1.46)になります。また、6%の水酸化ナトリウム水溶液20gの中には、水酸化ナトリウムは1.2g(20×0.06)含まれているので、6%の水酸化ナトリウム水溶液を80g加えた時に残った粉(食塩と水酸化ナトリウムの合計)の重さは6.6g(5.4+1.2)になります。