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国語の合否を分けた一題

桐朋中入試対策・国語の合否を分けた一題(2016年度)

難易度分類

問一B  問二A  問三A  問四B  問五C  問六A
問七C 問八A
問一A  問二A  問三A  問四B  問五B  問六B
問七C  問八B  問九B  問十B  問十一B

A…桐朋中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題別寸評

問一

本が見つかることと、本がみつからないことのメリットを比較し、それぞれについての心情をしっかりと書きましょう。

問二

A…「黙る」を意味する「口をつぐむ」となります。
B…直後の寝付くと関連しているので、「根付く」となります。

問三

語句問題です。「予想した通りに」などが答えとなります。

問四

泣く母への思いが書かれた別の部分をヒントにしましょう。「クラスメイトの女の子みたい」「心がスポンジ状になって濁った水を吸い上げていくような」とマイナスの表現がされています。

問五

「それで」は順接の接続語なので、直前に、古本屋に行くことになった理由が書かれているところを探しましょう。最後の「のに」と次の段落とのつながりを意識し、どつぼにはまってしまった受験生が多かったのではないかと推察されます。答えは、「ことも教えてくれた。」です。

問六

直後のセリフに注目しましょう。「あんたも言うときは言うんだねえ。なんだかみんな、やけにやさしいんだもん、調子くるってたの」と、「私」と「みんな」が対比されています。死を前にしたおばあちゃんを前に妙にやさしくするみんなと違って、思いをありのままにぶつける「私」の素直さが嬉しかったのです。

問七

問六を前提にして解きます。詳しくは、合否を分けた一題のところで解説いたします。

問八

漢字の書き取り問題です。ここは全問正解しておきたいところです。

問一

漢字の書き取り問題です。ここも全問正解が可能です。

問二

「普通~教えます。」といった直後に、「ですが僕は逆に」とあるので、この一文が答えとなります。

問三

語句問題です。「意気揚々」レベルは答えたいところです。

問四

「うっかり」は本来、「忘れる」などの表現にあたる言葉です。類する表現を探すと、直後に「棚にあげて」とあるので、それを含む一文をほぼ抜き出し、「棚に上げて」を「忘れていた」にすると答えが出来上がります。

問五

空欄の直前を見ると、建物「にも」道路「にも」とあるので、建物や道路と何が重ね合わされているのかを考えます。すると、農家の作った野菜だと分かります。したがって、答えは、「自分が恩恵を受けている」となります。

問六

傍線部からポイントを抽出すると、「人間が自然を破壊しつづけてきた」となります。それにあたる内容の一文をⅡから抜き出しましょう。

問七

傍線部の直後で、正義感を煽るだけでは本当に世界は変わらないと述べられているため、「世界が変わる」というのが勘違いの内容だと分かります。

問八

空欄を含む一文に、「そのための手段」と書かれています。直前を見ると、植物に対する愛情の量を増やすための手段であることが分かります。愛情を増やすにあたり、植物を使ったいろいろなプロジェクトを通して伝えられるものは、「植物の魅力」です。

問九

直前に「自分だけが得をしようとしているわけではなく」とあるので、自分も相手も得をするという内容の語句が入ると分かります。選択肢にない言葉で言うならば、「共存共栄」などです。

問十

直後に、「しかし植物は、他者にメリットを与えることが自分のためにもなる」と書かれているので、「自分だけが得をすること」などが入ります。

問十一

1、 どちらの失敗を選んだのかを明記し
2、 なぜそちらを選んだのかを抽象的に書き
3、 2を具体化する自分の経験(具体例)を書く

という「回答の形」を決めて、そこから答案を作成し始めれば、大きく減点されることはないはずです。

合否を分けた一題

国語の問題の中でも、物語分の「象徴」や「主題」を読み取らせる問題は、本文全体の理解ともかかわってくるため、非常に差が付きやすいです。今回は、以下にあげた問題が、「象徴」を問う問題でした。

一 問七

「ぬいぐるみ」というものが何の象徴なのかが分からないと、本質にせまる答えを書くのは難しかったでしょう。

解き方の手順

[1] 傍線部の直前の一文の「おばあちゃんはそう言って」に着目すると、おばあちゃんのセリフを見ればよいことが分かります。
[2] そのセリフの内容は、直前の問六で答えた、「『私』の率直さがかえって嬉しかった」というものです。
[3] ここから、率直に思いをぶつけてきた「私」の思いに、おばあちゃんが応えようとしていることが分かります。
[4] ここで、このぬいぐるみは、「入りづらいのにがんばって入ってるんだから」とある通り、古本屋をめぐるなど、様々な苦労の末に古本が見つからず、やむを得ず代わりに購入したものであることを押さえましょう。つまり、ぬいぐるみは、「私」のおばあちゃんに対する「優しさ」の象徴なのです。

以上を踏まえると、
「思いを自分に率直にぶつけてくる孫の発言から、ぬいぐるみを買ったのは、若い子には入りにくいような古本屋を探して回るなど、精一杯の努力の末の行動だと知った。そのような孫の優しさがうれしく、ぬいぐるみを隣に寝かせることで孫の優しさに応えようとしたから。」といった答えが作れます。

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