[1] | 問1A 問2B 問3A 問4A 問5A 問6B |
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[2] | 問1B 問2B |
[3] | 問1A 問2B 問3A 問4A |
[4] | 問1A 問2A 問3B 問4A 問5B |
A…早稲田実業中学合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題
2016年度の早稲田実業中学理科の問題は、1は電流の問題でした。電磁石を使ったモーターは頻出問題ですが、苦手意識を克服できていた受験生とできていなかった受験生に差が出た問題だと思います。2は赤血球の数に関する計算問題でした。あまり見たことがない出題でしたので、どれだけ問題と向き合えたかが重要な問題でした。3は生物分野と月からの出題となっており、生物分野に関してはアブラナの正確な知識が求められ、月に関しては正確な思考が要求されました。4は環境資源についての知識問題となっていました。
昨年度よりもかなり難易度が上がった印象ですが、合格するためには30~35点は取りたいところでした。
電流の基本的な問題です。
方位磁石と右の手のひらで、導線を挟む作業を行ってください。
右の手のひらの人差し指から小指までが電流の流れる方向、親指の向きが方位磁石の振れる方向と覚えてください。
電流が逆向きに流れれば、方位磁石が振れる向きも逆になります。
流れる電流が強くなれば振れ幅は大きく、流れる電流が弱くなれば振れ幅も小さくなります。
(1)A(オ)
導線を手のひらと方位磁石で挟んでください。
西においてもN極が振れる方向は変わりませんが、導線からの距離が遠くなるので振れ幅は小さくなります。
(2)A(キ)
導線を手のひらと方位磁石で挟んでください。
N極が振れる方向は変わりませんが、距離が近くなるので振れ幅が大きくなります。
(3)A(ア)
導線を手のひらと方位磁石で挟んでください。
N極が振れる方向は逆になります。距離は(2)と同じなので、振れ幅は(2)と同じになります。
図6を図5に当てはめるという問題でしたが、図6の方向が分かりにくいため、判断に迷った受験生も多かったと思います。
オームの法則を知っていれば易しい問題です。
この際に覚えてください。
電圧=電流×抵抗です。
電圧は電池の数だと思ってください。直列に電池がつながっていれば、電池の数を足したものが電圧になります。並列に電池がつながっていれば一本の導線につながっている電池の数を電圧にしてください。(並列で電池の数が異なる問題は基本的に出題されません)
抵抗は豆電球のことだと考えてください。直列に豆電球がつながっていれば、豆電球の数を足したもの抵抗になります。並列に豆電球がつながっていれば、一本一本につながっている豆電球の数の和を分母にし、一本一本につながっている豆電球の積を分子にしてください。
(ア)電圧は2、抵抗は2よって、流れる電流は1になります。
(イ)電圧は1、抵抗は直列部分の1と並列部分の1/2を足して3/2となるので、流れる電流は2/3になります。
(ウ)電圧は1、抵抗は並列部分だけなので1/3、よって流れる電流は3になります。
(エ)電池は並列に一つずつ並んでいるので電圧は1、抵抗は直列に2つ豆電球がならんでいるので2、よって電流は1/2になります。
電流の流れる量が少ない順にならべます。
電磁石を使ったモーターの仕組みとして必ず理解しておかなければならないところです。
導線が受ける力は変わりませんが、4分の1回転を超えた瞬間、コイルを回転させようとする力が反対になってしまいます。
整流子のはたらきについての設問です。
必ず理解していなければならない部分なので、理解が進んでいない生徒は図5、図6とともにこの文章を覚えてください。
間違えてしまった生徒が多かった問題だと思われます。
あくまでも「磁石の近くで導線に電流を流すと、磁石の磁界と導線のまわりの磁界が影響を及ぼしあい、導線は力を受けて動きます」ということなので、コイルが電流によって動くものを選ぶ必要がありました。
コイルが電流によって動くものはアナログ時計とスピーカーになります。
合否を分けた一題で扱います。
合否を分けた一題で扱います。
易しい問題です。
全ての植物について覚えておく必要はありませんが、アブラナはもっとも出題される可能性が高い植物の一つですので、覚えておく必要がありました。
知らない受験生が多かったのではないかと思われます。
光の当たり具合から考えれば、選択肢(ア)の「花は茎の上の方から順にさいていき、実も上の方から順に出来ていく」を選ぶことになると思います。
しかし、アブラナは早く花を咲かせたものから受粉していくため、上の方で花が咲いているときには先に受粉した下の方の花が実をつけているという状態になります。
蕪村は満月の月の出を見ているので10日前に午後6時の月を見ていたと思われます。
月は右から満ちて右から欠けていきます。
10日かけて満月になる月は、キかクですが、キの方が近いと思います。また、月の出は1日で48分遅れるので10日だと480分、8時間遅れることになります。よって、日の出の時間は午前2時頃だと考えられるので、最も近い(ス)の真夜中の1時頃が選べます。
①易しい問題です。
日の入りに関しては1度東にズレれば、日の入りの時間は4分早まります。
よって、5度ズレているので、日の入りは20分早まることになり18時29分になります。
②北半球では同じ経度でも、地軸が太陽側に傾いているので(5月3日だから)、昼間の時間の方が長くなるり、日の入りは遅くなります。
知識問題です。
深海や永久凍土に存在する「メタンハイドレード」のことを言っています。メタンを含み、火をつけると燃えるため「燃える氷」と言われることもあります。
社会の入試問題でよく聞かれる言葉です。
畜産物や農産物を全て水に換算することを「バーチャルウォーター」といいます。
蒸発させて海水から真水を作ることは容易に想像できると思います。
また、逆浸透法については今までに理科の問題で解いたことがあるかどうかが問われていました。
選択肢(イ)(ウ)(オ)(カ)については知らなくても構わない用語です。
まず、DとEは反応して水になることから、酸素と水素であることが分かります。
扱いが危険なEが水素と判断でき、水素の性質はすべての気体の中で最も軽いことが有名なので、選択肢(ア)が選べます。
Dに関しては、空気中に沢山あるということから窒素を選ばないことが大切でした。また、選択肢の中から酸素の性質について選ばなければいけませんでしたが、雷によってオゾンに変化するということは知らない受験生が多かったと思います。
この問題も理科で出題されるよりも、社会で出題されることの方が多い語句です。
環境に優しい自動車として、燃料電池車が話題になりましたが、実用化はほとんどされていません。ハイブリッドカーとは違うので注意が必要です。
(あ)(い)合否を分けた一題
合否を分けた一題で扱います。
見慣れない問題なので、問題文を何度も読んで設問の意味を理解することが大切です。
問2と連動するのですが、同じ数の赤血球は毎日作られ、毎日壊されていなければ、体内の赤血球の数を一定に保つことはできません。
とすると、A君の血液3600㎤の中に含まれる赤血球は全て120日後には破壊されていることになります。破壊された分の赤血球は毎日生成されていることになります。
血液3600㎤の血液に含まれる赤血球数は3600×(10×10×10)×500万です。
この赤血球が120日間で破壊されるので1日に破壊される赤血球の数は
3600×(10×10×10)×500万÷120=30×1000×500万
=15000000万
=1500億
=150000000000になります。
同じ数の赤血球が毎日作られ、毎日壊されているから。