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社会の合否を分けた一題

早大学院入試対策・社会の合否を分けた一題(2017年度)

難易度分類

問1 A  問2 B  問3 A 
問1 A  問2(あ)B(い)C(う)B(え)B(お)A
問3 B  問4 B  問5 B 
問1 A  問2 B  問3 A  問4(1)A (2)A
問5 B  問6 C  問7 A  問8 B  問9 B
問1 A  問2 A  問3 A  問4 B  問5 A
問6 A  問7 B  問8 A  問9 A  問10 A
問1(1)B(2)A  問2 B  問3 B  問4 A
問1 B  問2 A  問3 C  問4 C  問5 B

A…早大学院中等部合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…やや難しく紛らわしいが得点したい問題、正誤で差がつきやすい問題
C…受験者の大半ができない難問であるため、間違えても差がつかない問題

出題総評

2017年度の早大学院中等部の社会は、例年通り40分80点満点で、歴史、地理、公民から大問が二題ずつ出題されました。地理では地形図や地域図が多く出ており、初めて見る地図から正確な情報を読み取る力が要求されています。歴史や公民の問題では資料に絡めた出題は少なかった分、記号問題が減り、書き取りや記述問題が中心となっています。世界の宗教に関する問題や社会的なニュースからの出も出ていることから、受験生には幅広い社会の知識と関心が要求されていると言えます。一朝一夕に対応できるものではありませんので、日々の学習を大切にして対策をしていきましょう。

問題別寸評

(地理)地形図の読み取りを中心とした問題です。

問1

地形図の読み取りは確実に得点したい問題になります。太い等高線は、計曲線といって2万5千分の1の地図では50m毎に引かれています。ア、イ、ウが計曲線上にあるのに対して、エはより高い位置にあることを読み取りましょう。

問2

 
萩市は山口県の日本海側にある都市で、城下町として栄えました。秋田県大館市は「曲げわっぱ」、岐阜県高山市は「飛騨春慶塗」で、それぞれ有名な都市で、すべて内陸の都市となります。受験生にとっては少し難しかった問題かと思われます。

問3

問1同様、資料の読み取る問題は確実に得点できるようにしましょう。

(地理)4つの県の地理についての問題です。

問1

各地方を識別できるキーワードをしっかり見つけて確実に得点したい問題です。(A)「野菜の栽培が盛ん」「学園都市がある」から茨城県と分かります。(B)「内陸県」「かつての日本の政治の中心」から奈良県と分かります。(C)「かつて養蚕がさかん」「釜無川」から山梨県と分かります。 (D)「うずしお」とあることから徳島県と分かります。

問2

(あ)2015年大雨のために氾濫し、堤防が決壊する危険があったのは鬼怒川になります。
(い)「ききんのさいの米の代用品」とあることで、奈良県の三輪そうめんと読み取れます。細かい知識であるため、正解できた受験生は少なかったと思います。
(う)釜無川には戦国時代に武田信玄がつくったとされる「信玄堤」という堤防があり、富士川に流れが注ぐことになります。
(え)富士川の河口は駿河湾となります。
(お)徳島県の旧国名は「阿波」となります。四国の旧国名は愛媛県が「伊予」、高知県が「土佐」、そして香川県が「讃岐」となります。旧国名については入試でも良く問われますので、1つ1つ覚えていきましょう。

問3

記述問題です。徳島県に限らず、四国地方の太平洋側や中国地方の山陰地方などでは、県外へ人口が流出する「過疎」が進んでいます。そこで、さまざまな商品を現地で加工することに取り組むことで、その土地での「雇用」を生み出し、過疎化に歯止めをかけようとしています。少々難しい記述問題であったかもしれませんが、日頃から物事の「因果関係」に目を向けて学習を進めていきましょう。

問4

各図の特徴をとらえて場所を識別する問題です。特徴として分かりやすいのが「水域」です。奈良県や山梨県は内陸県のため目立った水域がありません。これに対して、徳島県には吉野川、茨城県には琵琶湖がありますので、各県の「特徴」を見分けて確実に得点できるようにしましょう。

問5

 
資料より、(a)の「昼間人口」よりも「夜間人口」が多いことが読み取れます。ここからこの都市が「大都市の近郊都市」であることが分かります。また、表中で最も人口が多いことも踏まえ、大阪近郊にある奈良市であることを読み取ります。

(歴史)巡礼を題材にした問題です。

問1

基本問題です。日光東照宮は、江戸幕府の真北の方角に位置しており、江戸幕府を開いた初代将軍の徳川家康を祀っています。

問2

五街道が整備されたことで、当時の人々は街道沿いにある宿場町を目標に歩き、そこで宿泊をしました。
東海道には五十三の宿場町があり、品川は日本橋から最初の宿場町となります。

問3

基本問題になります。真言宗は、平安時代に唐から帰国した空海によって開かれました。

問4

(1) 基本問題です。伊勢神宮は三重県に位置しています。確実に得点できるようにしましょう。
(2) 「東海道中膝栗毛」は、江戸時代の化政文化を代表する小説家の十返舎一九による作品です。元禄文化、化政文化の代表的な作品や人物は、一覧などにしてしっかり整理しておきましょう。

問5

 
江戸時代の人々は、年貢に縛りつけられた苦しい生活を送っていました。そして、年貢を確実に納めさせるために、幕府は慶安の御触書などで農民の生活を統制し、人々は農業に専念させられました。これらのポイントを簡潔に答えられるように、日々の学習でも因果関係や理由に注目してください。

問6

イスラエルにあるエルサレムは、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の3つの宗教の「聖地」とされており、現在まで数多くの紛争が繰り返されてきた場所です。問題文中に、2つの宗教名が記載してあることから正解を導きたいところですが、正解できた受験生は少ないかもしれません。

問7

基本問題になります。キリスト教は、1549年に鹿児島に到着したスペイン人のフランシスコ・ザビエルによって伝えられ、その後九州地方では多くのキリスト教徒やキリシタン大名が生まれました。

問8

メッカは、サウジアラビアにあるイスラム教徒の聖地で、入試でもよく問われますが、解答できた生徒は少ないかもしれません。世界の宗教に関する出題では、聖地や開祖の他にも、安息日や戒律、食べてはいけない食物などがよく問われています。一覧表などにしてそれぞれを比較した上で知識を整理するようにしてみましょう。

問9

合否を分けた1題で扱います。

(歴史)福岡を題材とした歴史の問題です。

問1

基本問題です。読み方が特殊な地名ですが確実に得点しましょう。

問2

基本問題です。日宋貿易は平安時代に平清盛が行いました。

問3

臨済宗の栄西と曹洞宗の道元は、どちらも「禅宗」の開祖となります。しっかりと区別して、確実に得点できるようにしてください。

問4

「扶桑」は日本のことを指しますが、同様に「最初」「禅窟」も「はじめて」「禅宗の寺」と置き換えて解答を導きます。知識としては知らなくても、与えられた情報をもとに少しでも解答に近づくことを目指しましょう。

問5

 
基本問題です。「菅」の字は、大変誤字の多い字ですので確実に正解しましょう。

問6

基本問題です。天平文化を代表する建築物である「正倉院」は入試頻出の問題です。

問7

受験生にとっては馴染のない問題だったと思います。城跡は、主に都市の中心部に残っていること、また広い敷地を確保できることから、解答の手掛かりをつかんで堪えられるようにしましょう。

問8

確実に得点したい問題です。漢字が伝わる以前の日本については、中国の歴史書の内容から知ることができます。その中でも奴国についての記載がある「後漢書」東夷伝と、邪馬台国についての記載がある「魏志」倭人伝は入試頻出の資料となります。漢字でもしっかり書けるようにしておきましょう。

問9

サザエさんの作者についてのユニークな出題です。国民的知名度のある作品ですので、正解できた生徒は多かったのではないでしょうか。

(公民)参議院議員選挙についての問題です。

問1

「合区」の問題です。2016年に参議院選挙、そして2017年に衆議院総選挙が行われたこともあり、選挙制度の問題は入試でも頻出となっています。「合区」を採用した「島根・鳥取」「高知・徳島」は、いずれも人口の流出が進む「過疎」地域であることも覚えておきましょう。

問2

ア.都道府県知事の被選挙権は満30歳以上となります。ウ.知事が失職した場合は、すぐに新しい知事を選出する選挙が行われます。エ.直接請求権での解職請求は、有権者の3分の1以上の署名が必要になります。50分の1以上の署名が必要なのは、監査の請求や条例の改廃になります。

問3

「非拘束名簿式」に関する問題です。設問の条件が「すべて選ぶ」となっているため、受験生にとっては完答が難しい問題だったと思われます。当選順位を事前に決める衆議院の「拘束名簿式」とは異なり、参議院選挙では、得票数の多い順に比例代表での当選順位が決まります。そのため、候補者は他の候補者との違いをアピールして、個人の得票数を伸ばすようにします。比例代表制における各政党の議席数は政党の得票数によって割り当てられるため、タレントや著名人など知名度の高い候補者を擁立することが行われます。国政選挙の制度はしっかり得点をしたいところです。

問4

参議院では3年ごとに選挙が行われ半数が改選されます。基本問題ですが「盲点」であった受験生もいたかもしれません。解散のある衆議院総選挙とは異なり、参議院選挙は今後の実施年も確定していることから、確実に得点したい問題です。

(公民)現代の世界のようすについての問題です。

問1

世界についての時事問題になります。選択式ですが、正しい解答を2つ組み合わせないと正解できないため、正解した受験生は少なかったと思われます。入試問題での時事問題は、その年度の上半期の出来事が中心に出題されますので、世界の大きな動きについては、塾のテキストなども活用して確認しておきましょう。

問2

日本国憲法には、基本的人権の自由権として「表現の自由」や「言論の自由」が記載されています。ヘイトスピーチは、発言者が意図していなかったとしても、受け手の解釈によって解釈が大きく異なってしまうため、法律で規制することが非常に難しいとされています。

問3

バングラデッシュでのテロ事件についての問題です。政治や経済の分野ではなく、社会的な事件からの出題であったことから、正解できた生徒は少なかったと思われます。

問4

難問です。社会の授業やテキストには記載がないものです。

問5

 
知識では解けない問題ですが、直後にある「経済的な不満を強く主張している」という表現から答えを導き出したいところです。移民や難民を多く受け入れることで、その国に住む国民が、自分たちの職(仕事)を移民に奪われてしまうことを不安視していることに触れましょう。

合否を分けた一題

このような記述形式の問題で大切なことは「設問に正対した内容」で答えることです。その場の思いつきや勢いに任せた「出たとこ勝負」のような記述の書き方では対応ができません。まずは、設問で要求されている条件や内容を確認し、その上で、解答要素をしっかりと答案に入れ込む「意識」が大切になります。つまり、解答する内容をある程度決めてから、書き始めることが大切になります。そうすることで、条件の抜けのない答案を書くことができ、部分点を確実に取れるようになります。

問9

まず「本文を参考にして」とありますので、本文に記載のある内容を解答に入れる必要があります。本文中にある「巡礼を口実とした旅行」という表現から、江戸時代の人々が、巡礼を「観光」や「行楽」の機会として考えていたことが読み取れます。これが「信仰心以外の目的」に当たります。また、「社会的背景」があるかを述べることも条件に入っていますので、「経済的余裕」や「時間的余裕」が生まれたことについて解答に入れるようにします。

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