試験時間50分。
100点満点。長文読解題2題。一が説明文で二が物語・小説文あるいは紀行・日記。
設問数は30問前後。
子供向けの文章ではなく大人向けの文章が多いため難易度はやや高めである。
設問形式は、漢字・四字熟語、書き抜き問題、適語補充、選択肢問題が80~90%で、残りが記述問題となる。記述問題は平成22年度は3問、平成23度は4問、平成24度は2問であった。記述問題の字数は少なくて6~8字、多くは40字前後である。
大問の形式としては、漢字・四字熟語・慣用句が独立の設問としてではなく、文章と一緒に出題されることが特徴的である。
過去3年間の出題をみると、一の説明文では「哲学」「論理学」「倫理学」などの人文科学の各分野より論理的な文章が出題され、二の物語・小説文等では「家族間の心情」をテーマにした文章と、統一性のある出題になっている。
平成22年度は一の説明文は「哲学」の分野から「不平等」を「差別による不平等」と「運による不平等」に分けて考察する文章、二は1匹の飼い猫をめぐる、家族5人の接し方や感情が父親の視点から描かれた文章が出題された。なお二の物語・小説文の著者の尾崎一雄は早稲田高等学院出身である。
平成23年度は一の説明文は「論理学」の分野から「推論」と「推理」を区別し「論理的に考えること」について説明した文章、二の物語・小説文は離れ離れになっていた4人の子供を順次引き取り、育てていく父親と子供たちの心情をえがいた、島崎藤村の「嵐」が出題された
平成24年度は一の説明文は「倫理学」から「嘘をつく」ことについて許される場合があるのかないのか、キケロやカントの主張を例に価値の比較判断の難しさについて考察する文章、二の物語・小説文は、姉が危篤に陥った姉のため弟が「イボタの虫」という薬を買いに行く中で、自分自身と向き合い、兄や母との関わり合いを考察する文章である、大正8年に発表された中戸井吉二の「イボタの虫」が出題された。
過去3年の入試問題をみると、一の説明文は ①漢字 ②四字熟語 ③語彙力を問う設問 ④文章中で触れられている論理の理解を問う設問 ⑤文章全体の内容理解を問う設問 が出題されている。
また、二の物語・小説文は ①漢字 ②語彙力を問う設問 ④感情の理由を説明・選択させる問題 ④文章全体テーマについて問う設問 が出題されている。
もちろん、今後もこの傾向が続く保証はないが、この設問の内容の統一性が早大学院の国語の大きな特徴といえる。
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