一 問一 A 問二 A 問三A 問四B 問五B
問六 A 問七B 問八B 問九B
二 問一 A 問二 A 問三B 問四A 問五B
問六 B 問七A 問八B 問九C
A・・早大学院合格を目指すなら確実に正解すべき設問
B・・知識や考え方、解き方により正答率・かかる時間に差がつく問題
C・・早大学院合格を目指すレベルでも、正解するのは難しい設問
「合否を分けた一題」というと、記述問題(一の問七、二の問五)や難易度が高そうな「全体の内容一致問題」(二の問九)と考えてしまいがちであるがそうではない。
そうした設問は比較的配点が高いが、正答率も高くないので差がつきにくいからである。
早大学院の国語で最も大切なことは ①骨太な語彙力 と ②骨太な論理力 であり ①については一の問一、問二、問六の8問と二の問一、問二、問七の8問、計16問を確実に正解できるだけの骨太な語彙力が合否に直結する。
だが敢えて「合否を分けた一題」を挙げるなら一の問五である。
理由は2つある。
1つ目の理由は、この設問は本文で「嘘をついてよい場合」とされている ①誰もが認めざるを得ない自分の基本的な利益を守るため ②相手を救うため ③暴力や詐欺から身を守るため ④相手が誠実でない時 の4つについて「たとえば」によってその具体例を選択するという、まさに本文の内容理解の度合い ②骨太な論理力 を試される設問だからである。
抽象的に論述されている事柄を具体的に把握する演繹力は生徒自身が事柄をかみ砕いて理解する論理力がなければ発揮されない。
2つ目の理由は、この設問は、論理力があれば全問正解が容易だが、1問でも設問と肢の組み合わせを間違えてしまうとその肢を正解とする他の設問も間違えてしまい、下手をすると全問不正解もあり得るという「差がつきやすい」設問だからである。
実際にこの設問を解いていく際の手順を示すと以下のようになる。
・②「相手を救うため」は肢ア、肢ウ、肢エ、肢オはすべて自分のための嘘だが、肢イだけは他人である「子ども」のための嘘であり、この「子ども」がの「相手」に対応する。
→よって「②はイ」
・③「暴力や詐欺から身を守るため」のうち「暴力」に肢オの「強盗」が対応する。
→よって「③はオ」
・④「相手が誠実でない時」は肢ア「無礼な訪問者」に対応する。③の「暴力や詐欺」は「無礼」より度が過ぎているという語彙力も必要。
→よって「④はア」
・残った①は肢ウと肢エの勝負。①「誰もが認めざるを得ない自分の基本的な利益」は肢エ「クラブ活動の練習に参加したいため」ではなく、肢ウ「骨折した時、人の助けを求めて」がふさわしい。
→よって「①はウ」
この設問では、本文①~④含まれる言葉と肢ア~オに含まれる言葉の「対応関係」をしっかり把握する論理力が正解への道標になる。