【1】 | 問1 A 問2 B 問3 A 問4 A 問5 A |
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【2】 | 問1 A 問2 A 問3 A 問4 B 問5 A |
【3】 | 問1 A 問2 A 問3 A 問4 A 問5 B |
【4】 | 問1 A 問2 A 問3 A 問4 A 問5 A 問6 B |
A…慶應湘南合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題
2017年度の慶應湘南は、例年通り、標準的な問題が中心で、取り組みやすい内容でした。
物理分野の問題は、ふりこについての問題。
地学分野の問題は、月の見え方についての問題。
化学分野の問題は、もののとけ方についての問題。
生物分野の問題は、水の中にすむ生物についての問題。
基本的知識と根本原理がしっかり身についていれば、ほぼ対応できたのではないでしょうか。
対策としては、基礎知識をしっかり身につけるとともに、いろいろな理科的表現に慣れておくこと。表やグラフの情報を適切に処理し、解答に結びつける力をつけておくとよいでしょう。
慶應湘南特有の、グラフを選ばせる問題が、今年も出題されました。いろいろなグラフを見て、どのような関係を読み取ることが出来るかを考える習慣をつけておくとよいでしょう。
問題構成は、4分野から大問4題、小問25問。
解答形式は、記号選択が22問、記述が2問。言語が1問。作図や数字はありませんでした。
選択肢は、「すべて選ぶ」問題があり、取りこぼしがないように注意が必要です。
記述は、いずれも一行程度。1つは実験方法を考えてかくもので、適切な言葉を使って、きちんと伝わるように書くことが大切です。計算が必要な問題は1問のみで、しかも、平易なものでした。
ただし、試験時間は25分間と短いので、時間不足にならないように注意しましょう。
(物理)ふりこについての問題。
見慣れたふりこの問題です。問2のように、グラフを選ばせる問題は、慶應湘南ではよく出されています。「原点を通るか通らないか」「増加か減少か」「比例か反比例かその他か」が確認ポイントとなります。
平均をとることで、個々の値に含まれている誤差を均して小さくすることができます。
表1から、「10往復の時間」は、「ふれ幅」が変わっても一定なので、4を選びます。
「ふりこの長さ」を横軸にすると、「ふりこの長さ」が4倍、9倍になると、「10往復の時間」は2倍、3倍になるので、緩やかに増加する曲線の5があてはまります。
問2を文章でまとめたかたちです。ふりこが1往復するのにかかる時間は、ふりこの長さで決まりますが、その関係は、比例でも、反比例でもありません。
ふりこの長さが同じとき、振れ幅に関係なく、周期が同じになることを、ふりこの等時性といいます。ガリレオがピサの大聖堂のランプがゆれるようすを見ているときに、気がついたとされています。
テンポを速めるには、ふりこの周期を短くします。おもりの位置を下に下げると、支点からおもりまでの距離が短くなり、周期が短くなります。
(地学)月の見え方に関する問題。
地球の地軸の傾きが、太陽の動きだけでなく、月の動きにも関係することを考える問題です。
ウが新月、アが上弦の月、キが満月、オが下弦の月です。
6月と12月の地軸の傾きが、交点面に対して正しい向きであること。月の交点面が、地球の公転面とほぼ同じであることを手掛かりに選びます。
図2は、図1のエの位置の月で、月齢は約27日と考えられます。満月のキの位置から、約10日後の月です。
月の位置がキにあるときと、エにあるときを比べて考えます。キは太陽と反対側に、エは太陽側にあります。6月の地軸は太陽側に傾いているので、エの方が南中高度が高くなります。
日本の月周回衛星「かぐや」が集めた計測データは、科学的に高い価値があり、将来の月の利用の可能性について重要な情報であるとされています。
(化学)食塩の溶け方に関する問題。
実験操作の具体的な方法をひとつひとつ確かめていく問題です。上皿てんびんだけでなく、実験器具の使用方法は、良く出されますから、確認しておくとよいでしょう。
利き手が右の場合、右手で食塩をのせる操作をするので、あらかじめ左に39.8gの分銅をのせておきます。針が正面に来るようにして、振れ幅を確認する必要があるためです。
薬品さじで食塩を運ぶ間にこぼれることがないように、容器を天秤の皿の近くに持ちます。
問1の逆です。重さをはかるときは、右側で分銅ののせ下ろしをします。
重さのわからないときは、重い分銅から順にのせます。
50gをのせる→20gをのせる→20gを下す→10gをのせる→10gを下す→5gをのせる→2gをのせる→2gを下す→1gをのせる→0.5gをのせる→0.2gをのせる→0.2gをのせる→0.2gを下す→0.1gをのせる
以上で、56.8gになります。
→合否を分けた一題参照。
(生物)水の中の生物に関する問題。
メダカからミドリムシ、いろいろな魚について、知識の問題が中心です。
メダカの雄と雌は、背びれとしりびれの形で区別します。
胸びれは左右にあり、尾びれの動きによる傾きを安定させ、広げる角度を変えることでブレーキやかじのはたらきもします。
メダカは、水中の小さな生物を食べて育ちます。
ミドリムシはユーグレナともよばれ、医療や環境改善の分野で研究が進められています。
サケは産卵期に川にもどってきます。コイ・マスは、淡水魚です。
表1から読み取れることを選びます。
最大体長が最も小さいメダカの卵の直径は、サケより小さいので、1は間違い。
2については、卵1個の重さは示されていないので、分かりません。
海で卵を産むタラは、メスの最大体長がコイやマスより大きいので、5は間違いです。
解答形式は記述ですが、計算によって数値の裏付けをした上で解答しなければなりません。具体的な実験方法がかけているかどうかも、採点の基準となるポイントです。
[操作]のように、20℃の水100gに「混合物」をすべて加えると、はかりとった食塩39.8gのうち36.0gが溶け、3.8g(39.8-36.0)が溶け残ります。砂糖は少量なので、すべて溶けたと考えます。これをろ過すると、食塩3.8gと砂つぶを取り除くことができます。ろ液は食塩水としては飽和しているので、食塩を9g取り出すには、全体の1/4(9/36)にあたる水25g(100×1/4)を蒸発させればよいことになります。砂糖はわずかなので、すべての操作において、水に溶けたままと考えます。