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国語の合否を分けた一題

慶應湘南中入試対策・国語の合否を分けた一題(2021年度)

難易度分類

A ② B ③ A ④ A ⑤ B
問一 どちらもA 問二 Ⅰ B Ⅱ B 問三 どちらもA
問四 C
問一 すべてA 問二 a A b A c A d B e A問三 A
問四 すべてA 問五 B 問六 A 問七 B 問八 A 
問九 A 問十 A 問十一 B 問十二C

A…確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題総評

今年度の慶應義塾湘南藤沢中等部は大問4つの構成となっており、例年通りの出題でした。また、物語文が長文であるのも例年通りです。大問一は、言葉の知識問題、大問二は、硬さは学問的にはよく分かっていないし、直接の用途がないという論説文、大問三は、父への反発からギターを弾かなくなった少年が、再びギターに魅了されながらも、戸惑いを覚えるという物語文、大問四は、課題作文でした。

2021年度 問題別寸評

言葉に関する問題

慣用句などの空欄を漢字一字で補充し、さらに、同じ漢字が入る慣用句をあとの選択肢から選ぶという問題です。「後(ご)生大事」と「後(こう)進に道をゆずる」のように、漢字の読みが違うので、きちんとした知識がないと太刀打ちできません。

問一 接続語

落としてはいけない問いです。

問二 空欄補充 ※抜き出し

 Ⅰ・Ⅱを含む一文と同じ内容が、本文の最初に書かれていたことに気づけるかが勝負の分かれ目です。しかもこの後の大問三では長文の物語文問題が、大問四では課題作文が控えていることもあり、時間をそれほどかけられません。要点をおさえた読み方が必須です。

問三 二つの測定法の内容 ※記述

線部の直後に「押込み硬さとか反発硬さ」とあり、その次の段落からそれぞれの測定法について説明されています。確実に得点すべき問いです。

問四 空欄補充 ※自分で考える

空欄にあてはまる語を自分で考えて答える問いです。設問に、本文中の語の対義語が入るというヒントはありますが、難問です。空欄の直後の「利用している」と同じ意味の言葉に注目することで答えが見えてきます。

問一 漢字の書き取り

 「子細」を書けない受験生が多かったのではないかと思いますが、それ以外の漢字は落としてはならないものばかりです。

問二 漢字の読み取り

どれも読めてほしい漢字です。

問三 イニシャル

「姓・名」の順番で答えること、優太は「U」ではなく「Y」であること、大丈夫だったでしょうか。落としてはいけない問いです。

問四 空欄補充

前後の文脈から、どれを入れればよいか読み取れなければならないレベルの問いです。

問五 空欄補充

空欄Aを含む一行を読むと、主人公の後悔が読み取れます。その後悔は、直前に書かれた、父の息子であることに喜びを感じていた幼いころに対してだとわかります。その理由は、父と母は離婚しますが、父からもらったギターを壊していることから、父に非があることが考えられるからです。
 また、母の父に対する態度が徐々に変わっていったことに小さな違和感を抱いたにもかかわらず、当時の主人公ははっきりと意識できませんでした。このことに対しても後悔しています。

問六 空欄補充

事故にあったうえに大事なギターも傷ついた水谷に、普通なら同情してもよいところですが、みんなは「せっかくがんばって練習してきたのに、コンサートが台無しになる」と考え、しゅんとしています。このように、線部の前後の読み取りで答えが出せます。落としたくない問いです。

問七 指示語 ※記述

合否を分けた一題で説明します。

問八 主人公のしたこと ※記述

線部の4段落後に書かれています。正すべき記述問題です。

問九 並び替え

それぞれの選択肢の判断材料となる言葉を以下に挙げます。

ア「もう一曲」 
イ「やっとの思いで、ボロン、弦をかき鳴らした」 
ウ「ドッドードレドシララソソラソ……」
エ「初めてさわるギターだ」
オ「続いて、コードをもう一つ。もう一つ」

正解すべき問いです。

問十 線部の理由

ジョー先生の会話文を追っていけば正解が選べる問いです。

問十一 空欄補充

直後の「無理をしている」という表現の正確な理解が求められる問いです。水谷が今どういう心境でこの場にいるのかを読み取りましょう。

問十二 心情

「不適当」なものを「すべて」選ぶという条件の問題です。これらの点を見落とさずに解くことができたでしょうか。また、本文が長いので、線部の段階での心情ではないものを、適当なものと考えてしまう可能性があります。場面による心情の違いに気づく読み方を心がけましょう。難しい問題でした。

問 課題作文

受験生(十一歳か十二歳)が十歳の子供たちに避難所生活で経験・体験してほしいこと、さらに、どのような工夫をすればそれを実現させられるかを書く課題作文です。例年通り、単純には思いつけない問題になっています。このような時間のかかる問題が控えている前提で、解く時間の配分を考えておきましょう。

 自分勝手な行動が許されない環境で、相手を思いやって行動する経験をしてほしい、そのために、年上の自分が積極的に相手とのつなぎ役を心がける、などが答えとして考えられます。経験を書くに際しては、お年寄りに必要なものを届ける、場所が分からない人を案内する、などの具体例を入れると、字数の条件もクリアできるでしょう。

合否を分けた一題

今回は大問三の問七を、合否を分けた一題として取り上げます。 指示語の問題ですが、答えの中心は前ではなく、後ろにありました。

問七 指示語 ※記述

―1「そうなった」とあるが、どうなったのですか。二十字以内で答えなさい。

解き方の手順

まず、線部の前後を確認します。

どうしてそうなったのか、わからない。
その瞬間の脳みその働きを、ぼくは自分にも説明できない。いや、むしろ何も考えていなかったのだと思う。
気がつくと、ぼくは高々と手をあげていた。

「そうなった」の指している内容は
直後の「わからない」やすこしあとの「気がつくと」とあることから、
線部の前ではなく、後ろにある
高々と手をあげていた
だとわかります。

次に、「どういう出来事に対して」なのか、を答えの前半書く内容を考えます。
それは線部の前に書かれていた

ジョー先生が「ほかにギター弾ける子なんて、いないよね」とつぶやいたこと

に対してです。

そして、この出来事に合う表現に、「高々と手をあげる」を言い換えます。
「立候補する」「名乗り出る」「意思を表明する」などが考えられます。

最後に、問いで聞かれた「どうなった」にあった答えの終わり方にします。

【解答例】
ギター担当に立候補することとなった。(18字)

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