一 | ① A ② A ③ A ④ B ⑤ B |
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二 | 問一 すべてA 問二 Ⓐ C Ⓑ B 問三 A 問四 すべてA |
三 | 問一 ① A ② A ③ B ④ A ⑤ A 問二 すべてA 問三 すべてA 問四 A 問五 すべてA 問六 B 問七 B 問八 B 問九 A |
四 | C |
A…確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題
今年度の慶應義塾湘南藤沢中等部は大問4つの構成となっており、例年通りの出題でした。大問一は、慣用句に使われる物をイラストから選ぶ問題、大問二は論説文で、進化および自然淘汰に関するもの、大問三は物語文で、オルゴールの視点で人間をとらえたもの、大問四は課題作文でした。また、物語文が長文であるのも例年通りです。慶應義塾湘南藤沢中等部を第一志望として学習してきた受験生にとって、傾向は変わっていないので、戸惑うことはなかったことでしょう。しかし難度が高い問いが複数見られ、解きやすい内容とはいえません。
慣用句に出る物のイラストを選ぶ
慣用句の知識と物の知識が同時に問われる問題でした。しかし慣用句を知っていればイラストは選べると思います。「めがね」と「はしご」はやや難易度が高いと言えます。
答えるのは難しくないと思われます。
Aは直後の言葉をヒントにして答えを探すと、「形質」が第一候補になります。ただし今回は、直前のイチローの進化との対比から答えを見つけてほしいというのが学校側の意図であったようです。
「イチロー選手は進化…世代をまたいで置き換わっているプロセスではありません。」
「スマートフォンの進化…新しい「世代」に置き換わっていくプロセスを指しており」
難問です。
Bは、前後から「不利」や「有害」が答えの内容であるとわかるのですが、「~の効果」につながりません。3行前の「マイナス」も同じ内容だと気付けるかがポイントです。
50字程度の抜き出しなので、探すのに手間がかかるように思えますが、線部の4行後に答えがありました。早く見つけなければならないうえに、落としてはいけない問いです。
文章の要点と、文章のどの辺りに問いの内容が書いてあるかの見当がつけやすいもの、これらが問題とされています。全て正解してほしい問いです。
「所帯」は、テストでも普段の生活でもあまり出てこない言葉なので、書けない受験生が多かったと思います。また「内蔵」は、今までのテストに出たであろう「内臓」と間違えて書いてしまった受験生がいたかもしれません。しかしこちらは意味を考えてほしいという学校の意図がうかがわれます。確実に得点したい漢字です。
どれも読めてほしい漢字です。
どれも基本的な慣用句です。
直前の「随分とよいクルミ材を使った」という表現から、意味を読み取ることができますし、この段階ではゼムスがお金持ちではないことも本文から読み取れます。正解してほしい問いです。
せりふをそれぞれの空欄に入れる問いですが、Bを外さなければすべて正解にできる問いです。Bの直前「以前と違って」と直後「と歌っているつもりが」を考慮しましょう。
オルゴールの止まり方を、「欠点」と「良い点」として表現したら、どうなるかという問いです。どちらも直前に「だんだんと」という言葉があるので、エの「徐々に」は答えにならないと気付きます。次に、「欠点」として答え候補になるアの「勝手に」とオの「突然に」の比較ですが、「途中で」につながるものであること、より嫌悪の情がこもっているものであることを考えると、アの「勝手に」が適切です。最後に「良い点」ですが、イの「きちんと」は止まるべきときに止まるという意味があるので×となります。よってウの「自然と」が適切です。言葉の意味をしっかりと考えないと落としてしまう問いです。
自分のためでなく、ゼムスのために、あえて触れなかったという読み取りができれば、正解が選べる問いです。
後ほど合否を分けた一題で説明いたします。
少し時間はかかってしまいますが、本文を確認して確実に正解したい問いです。合否を分けた一題で説明いたしますが、慶應湘南藤沢中等部受験生は物語文の工夫した読み方を身につけることが必要です。過去問演習が本格化する前の時期から、そのような読み方の練習を始めておきましょう。
グラフが二つ載っているので、それらを比較し、情報を得て、仮説と証明方法を作文する…、そのような問題に見えますが、実質的には問いの文言以外の情報はなく、例年に比べ難度が非常に高い問題になっています。学校から求められた作文を書くのは難しかったことでしょう。
今回は大問三の問八を、合否を分けた一題として取り上げたいと思います。
慶應義塾湘南藤沢中等部恒例の長い物語文ですが、文章全体を把握することが求められる問いが出題されることがあります。その対策として、受験前にしておくことを説明したいと思います。
ゼムスの性格を表す語を次の中から全て選び、記号で答えなさい。
解き方の手順
長文の中から、あてはまるものすべて選ぶ問いは、正直に(根拠を確認してから)答えを出そうとすると時間がかかってしまい、読んだ印象だけで答えを選んでしまう受験生が多いのではないでしょうか。試験時間が45分と短く、さらに課題作文もあるので、悠長に解くわけにはいきませんから、印象で答えを選ぶのは最終的には仕方がないのかもしれません。しかし、物語文の話の流れ、文章全体をとらえるための読み方とは、主人公または中心人物の情報を追っていくことだと言えます。このような「物語の読み方」を事前に身についていたならば、対応できない問題ではありません。
主人公、または中心人物の情報とは、心情が読み取れる部分が核になります。それ以外に、性格、人間関係、状況などが読み取れる部分もあてはまります。このような部分を意識して読んでいく方法を身につけましょう。
5ページ 下段「とてつもなく丁寧」→凝り性
6ページ 上段「ようやく気に入った響き」→凝り性
「いい加減にしないかとお父さんに注意されても、耳を
貸そうとしません」→頑固
9ページ 上段「精巧な仕上がり」→凝り性
「寡黙で粘り強い気質」→凝り性・頑固
「朴訥で実直な性格」→純朴・正直
12ページ下段「頭を縦に振りませんでした」→頑固
「頑なに断り続けました」→頑固
答え イ 頑固 ウ 正直 エ 純朴 カ 凝り性