「式と計算」が要求される計算問題[1](2)については、普段から途中式を書いて計算練習に取り組んでいれば、特段の準備は要りません。過去3年間の出題は、計算の工夫が必要な問題ではないので、計算ミスに注意して丁寧に解き進めるだけです。
答案作成練習が必要なのは、「式と考え方」が要求される一行問題[2](5)と大問[5](1)(2)(3)です。
記述型入試では、与えられる解答スペースの大きさがポイント。何をどれくらい書かなければならないかを判断する、ひとつの指針となります。渋渋の記述問題は、[2](5)につきB5サイズの半分程度の解答スペースが、[5](1)(2)(3)につき合わせてB5サイズ程度の解答スペースが与えられます。これは、記述型入試の学校の中でも、余裕のある大きさと言えます。この渋渋の解答スペースに見合った内容を記述できるように、答案作成力を養っていきます。
答案練習にあたって、「普段しっかりノートに式と計算を書いているから自分は大丈夫」という甘い考えは捨ててもらいます。式の羅列と計算過程を残すだけでは通用しません。「このように考えて答えを求めました」というアピール、つまり①解答方針を“言葉”や“図”を駆使して示す、②方針を示してから答えを出すまでの過程を“式・計算・言葉・図”により説明し尽くす必要があります。
「まずは書きたいことを全て書いてみる → 余計な部分を削ぎ落とす・回りくどい部分を別の表現に置き換える → 過不足なく説明し尽くした答案に仕上げる」という一連の答案作成練習を添削とセットで繰り返すことで、徐々に添削される部分が減っていきます。
さらに、難易度の高い問題の場合に備えて、部分点狙いの答案作成練習も事前に積んでおくと慌てずに済みます。
渋渋の先生に“見てもらう答案”ではなく、“読んでもらう答案”を、講師と共に作り上げていきましょう。
最後に一言。
合格者平均点と受験者平均点の差を見れば、算数で最も得点差がつくことがわかります。算数を仕上げることが、合格への必要条件と言えるでしょう。ただし、それだけでは不十分です。
算・国ともに模試の成績良好、過去問演習でも合格者平均点をコンスタントに超えている、にもかかわらず毎年残念な結果に終わる受験生が相当数いるのが渋渋の怖いところです。
なぜか? 最大の要因は、得点しにくい理・社です。
渋渋に合格するためには、算・国は仕上げて当然。募集人数の少なさを考えても、ここで差がつくようでは勝負になりません。スタートラインにすら立てないと認識して下さい。厳しい言葉かもしれませんが、それが実情です。
算・国で点数を確保できる受験生のうち、得点しにくい理・社の点数を上手くまとめた者が合格すると心得ておきましょう。理・社の配点は算・国の半分ですが、おまけではありません。4教科均等配点の学校を受験する場合と同じ心構えで、理・社の学習に取り組んで下さい。
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