[1] | 問1 A 問2 A 問3 A 問4 A 問5(1) A (2)A (3)B |
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[2] | 問1 A 問2 A 問3 B 問4 A 問5 あ A いA うA |
[3] | 問1 B 問2 B 問3 B 問4 A 問5 A 問6 A |
[4] | 問1 A 問2 A 問3 A 問4 A 問5 A 問6 B 問7 A |
A…世田谷学園合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題
2017年度の世田谷学園は、難易度が高かった昨年度と比べると、かなり易化しただけでなく、典型的な問題の割合が高く、取り組みやすかったのではないでしょうか。
地学分野の問題は、冬の星座についての問題。
生物分野の問題は、エンゲルマンの実験についての問題。
化学分野の問題は、温度と物体が発する光についての問題と、中和についての問題の、2本立てでした。
世田谷学園特有の、基本的な知識と、文章やグラフを読み取る力を問う問題が中心です。
対策としては、基礎知識をしっかり身につけるとともに、表やグラフから読み取れる情報を的確に処理することができるように、ふだんから慣れておくことが大切です。見慣れない現象であっても、根本原理に立ち返ることで、普遍的な理解に通じることがあります。理科的な考え方を、しっかり身につけておきましょう。
問題構成は、3分野から大問4題、小問29問。
解答形式は、言語が15問、記号選択が10問、数字が4問。作図・記述はありませんでした。
言語は、固有名詞だけでなく、問題を正確に把握したうえで、現象を理科的な表現でかくものを含んでいました。
選択肢は、選ぶ数が指定されていて、比較的選びやすいものでした。
(地学)冬の星座についての問題です。
冬の星座の基本的な知識と、日周・年周運動を組み合させた見え方をきく問題からなり、至極典型的な問題でした。落ち着いて取り組み、しっかり得点したいところです。
星座Xはオリオン座です。いうまでもなく、合格者正答率100%でした。
右肩の位置の赤色の星がベテルギウス、左足の位置の青白色の星がリゲルです。星の色は、星の表面温度と関係があります。星の表面温度が低い順に、赤・だいだい・黄・白・青白色となります。
冬の大三角をつくる星は、オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンです。シリウスは、全天で最も明るく見える恒星です。
ふたご座のボルックスとおうし座のアルデバランは、冬の大六角をつくる星です。おおぐま座の一部は北斗七星とよばれ、カシオペヤ座とともに、北天に見られる星です。さそり座は、夏の南の空の低い位置に見られます。
(1)オリオン座の三ツ星は、真東からのぼり、南の空を通り、真西にしずみます。
(2)星座をつくる星は、自転によって、1日に1周日周運動をし、東から西へ1時間に15度動きます。また、公転によって、1年に1周年周運動をし、東から西へ1か月に30度動きます。
1か月後の同じ時刻には、30度西に傾いて見えますが、2時間前なら、同じ位置に見えます。
(3)2月1日の24時には、45度(15×3)だけ、西に動いて見えます。同じ時刻に真南にくるのは、45÷30=1.5より、1.5カ月だけ早い時期です。
(生物)光合成に使う光に関する問題です。
光合成は、何を吸収し、何を放出するはたらきでしょうか。光合成を行う場所は?
太陽光にはいろいろな色の光がまざっているので、プリズムで分光できるため、くわしく調べることができます。
「植物工場」では、内部環境をコントロールできるので、安全な食料を一年中供給できますが、初期費用(工場建設)や光熱費など、費用が高額です。
光合成を行う工場にあたるのは、葉緑体をいう小さな器官です
本文に、「酸素を使って呼吸するバクテリア」とあるので、酸素を求めて集まってきていると考えられます。酸素は、アオミドロの光合成によってつくられます。
→合否を分けた一題参照。
植物は、光合成の効率が悪い緑色の光を吸収せず、そのまま反射または透過させるため、緑色に見えると考えられます。適切な言葉がすんなり出てくるかどうかは、普段から書いておぼえるようにしているかによります。この問題も、記述問題ととらえ、正しい回答例として、書き出してみるとよいでしょう。
(化学)鉄の温度と色に関する問題。
物質の状態変化・熱の伝導・恒星の色のちがいなどの、基本の知識をもとに、考えを進めます。やや難しい問題を含みますが、図1のグラフを読み解いて、時間と鉄の温度との関係がわかれば、解答できる問題です。
鉄は常温では固体ですが、融点に達すると、液体に状態変化をします。固体から液体になるとき、エネルギーが必要なので、この間、温度が一定になります。
鉄がオレンジ色に光るのは、800℃~1000℃のときです。図1で、この時間は2目盛り分に当たるので、1目盛りが150秒とわかります。鉄が白く光り出すのは1300℃~なので、図1の7目盛り目。全て液体になるのは、1550℃から再び温度が上がりだす15目盛り目です。8目盛り(15-7)に当たる時間は、150×8=1200(秒)です。
鉄の量を半分にすると、温度上昇や状態変化に必要な熱量が半分になります。鉄が赤色に光り出してから500秒後の温度は、図1の1000秒後の温度と同じなので、6.5目盛り目で約1250℃になると考えられます。表から、このときの色は、黄白色です。
点Aからの距離が近い順に発光します。
熱の伝わり方のうち、物質の温度の高いところから低いところへ熱が伝わる伝わり方を、伝導といいます。
花火の色のちがいは、炎色反応によるものです。炎色反応は、加熱した物質から発せられる炎で、温度ではなく物質の種類によって、色が違います。
(化学)炭酸水と石灰水の中和反応に関する問題。
二酸化炭素を石灰水に通すと白く濁りますが、炭酸水と石灰水をまぜても同じことが起きます。炭酸水は酸性、石灰水はアルカリ性ですから、これは、中和反応でもあります。
炭酸水と石灰水を混ぜ合わせると、中和して、炭酸カルシウムと水ができます。炭酸カルシウムは水に溶けないので、溶液が白くにごります。
炭酸カルシウムは、石灰石の主成分です。うすい塩酸を加えると、二酸化炭素が発生します。
BTB液が緑色になった(エ)の組み合わせのとき、完全中和します。(ウ)は、炭酸水が余るので酸性、(オ)は、石灰水が余るのでアルカリ性です。
表から、完全中和するときの体積の比は、炭酸水:石灰水=2:3です。いま、石灰水が75cm3なので、75×2/3=50より、炭酸水は50cm3。
(イ)の水溶液を完全中和させるには、石灰水を追加する必要があります。炭酸水40cm3と完全中和する石灰水は、40×3/2=60(cm3)なので、60-10=50より、石灰水をあと50cm3加えます。
こさが2倍だと1/2倍の量ですみ、こさが1/3倍だと3倍の量が必要です。
完全中和するときの体積の比は、こさが2倍の炭酸水:こさが1/3倍の石灰水=2×1/2:3×3=1:9。全体が50cm3なので、こさが2倍の炭酸水は50×1/10=5(cm3)。
足し合わせた量の比が、炭酸水:石灰水=2:3となる組み合わせを選びます。
知識のない内容をあつかった問題であっても、文章や図などからの情報をもとに、考えて判断することができます。直前の問題までの内容も、大きな手掛かりになります。判断の材料を見逃さず、問題の流れをにらんで、解答できるようにしましょう。
問3から、「アオミドロの光合成が盛んな部分に」バクテリアが集まったことがわかります。
<エンゲルマンに実験>の結果の図で、バクテリアが集まった場所の、プリズムで分光した光の色を見ると、紫・青・橙・赤に多く、緑・黄は少なくなっています。
このことから、植物が光合成をさかんに行う「特定の色の光」として、青紫色と赤色を選ぶことができます。