[1] | 問1 (1) A (2) A (3) A (4) B 問2 A 問3 A 問4 A 問5 A 問6 A 問7 A 問8 A 問9 B 問10 B 問11 A 問12 A |
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[2] | 問1 (1) B (2) A 問2 (a) A (b) 熊本県:A 静岡県:A (c) A 問3 B 問4 B 問5 (a) B (b) C 問6 (a) B (b) B 問7 C 問8 B |
[3] | 問1 (a) B (b) B 問2 (a) C (b) A 問3 (a) B (b) C (c) A |
[4] | 問1 B 問2 B 問3 B 問4 A 問5 B 問6 B 問7 (a) A (b) A |
A:易しい(聖光学院中合格を目指すなら確実に正解すべきレベル)
B:標準的(ややまぎわらしいが落とせないレベル、ここで差がつく問題)
C:難しい(受験者の大半ができないため差はつかない問題)
難易度は全体を通じて、例年通りでした。選択肢問題はやや高めで、しっかりとした知識がないと解けないでしょう。聞きなれない用語や説明なども出てくるため、一つ一つの選択肢を知っている知識で選別したり、問題の取捨選択をしたりということが求められます。また、記述問題は単なる知識に依らない、資料や文章の読解力をもつことが大切です。
その年に話題になったニュースは出題されやすいので、時事問題の対策はしっかりと行っておきましょう。基礎基本をおさえたうえで、なるべく知識や思考力を踏み込んだところまで学習しておくことで、聖光学院中の合格を掴めるようになるはずです。
箱根温泉を題材にした歴史の問題。
語句や人名を答える問題です。(4)以外は解きやすい問題といえます。(4)は品文中のヒントを頼りに解答を進めましょう。空欄の前後に「1940年に(4)開催が1936年に決まると、これを外国人観光客誘致の絶好の機会…」ということばから、4年に一度のイベントであり、しかも海外から多くの観光客がやってくるものであるということがわかれば、解答ができたでしょう。
人物について、誰がどの時代で何をした人なのかがわかれば、解答ができます。特に今回は天皇についてですので、室町時代まではかなり数が出てきます。一問一答形式で、しかも時代を意識しながらの学習を進めましょう。
問2と同様です。後白河上皇と後鳥羽上皇など、似ている人物が出てきますが、平安時代と鎌倉時代のように時代が異なりますので、区別することができます。
史料の問題です。たびたび出題されることがありますので、有名なものはしっかりとおさえておきましょう。今回出題があった後醍醐天皇の建武の新政を批判した史料は「二条河原の落書(らくしょ)」とよばれるもので、夜討・強盗・にせの天皇の命令が飛び交うほどに京都が乱れていたということを表しています。5~6年前ほどから中学受験での出題があってから、少しずつ入試問題に取り入れる学校が増えています。史料問題は、よく出るものがもちろん大切ですが、聖光学院レベルの入試を想定するならば、初見の史料をいくつか確認しておくのも良いでしょう。ちなみに、アの「今一度、日本を洗濯いたし申し候。」は幕末の維新志士である坂本竜馬の名言です。
室町幕府の将軍についてです。15代将軍まですべて覚える必要はありませんが、大きな事件が起きた時の将軍は整理しておく必要があるでしょう。江戸時代の将軍と並んで、「将軍―出来事」の組み合わせでの正誤問題がよく出題されます。足利義昭が織田信長に京都追放を受けたということがわかれば解答できたでしょう。
江戸幕府4代将軍についてですが、詳しく知っている受験生は少なかったのではないでしょうか。ただし、ほかの選択肢が基本的な知識ばかりであったため、選択しやすかったでしょう。このように、「この中から、誤っているものを選ぶ。4つのうち、ア・イ・エが明らかに正しい。だから、内容は知らなかったが、ウを選択する。」という解法もあるのです。聖光学院中では毎年数問はこのように解答するものが出題されます。
シーボルト事件は、伊能忠敬らが作成した詳細な地図を国外に持ち出そうとして、幕府に処罰された事件です。これがわかれば容易に解答が選択できました。なお、なぜ地図を持ち出すことが処罰の対象であったのかといえば、正確な地図は日本を侵略する際の貴重な資料になりえるからです。
福沢諭吉の肖像画を選択する問題です。他の3つが有名であるため、解答にたどりつけたのではないでしょうか。ただし、福沢諭吉といえば、普段は一万円札などで見かけることがありますので、若いころの福沢諭吉は見慣れないものだったのではないでしょうか。
井上馨については、聖光学院受験者は知っていてほしい人物ですが、そうでなければ、五代友厚の説明であるイと悩んでしまった受験生も多かったのではないでしょうか。 鹿鳴館での外交により1858年に結ばれた不平等条約の改正交渉を行いましたが、失敗に終わってしまいました。
この程度の並び替え問題ならばあっさりと解答を進めましょう。
一問一答の選択肢問題です。容易に突破し、そのほかにある記述問題に目を向けるだけの時間を確保しましょう。
書くべきものを整頓しておきましょう。箱根温泉では天災以外で、「どのような要因」で、「どのような危機」にさらされているのか。を答えます。その時の参考が、設問中の新聞記事です。「危機」ということばから、何らかの問題点があるということをかんがえて記事に目をやると、「非常に寂れ」や「熱海の物価は箱根の物価の約半分であるために熱海に客が集まった」などから、「観光客がとられてしまう」という危機にさらされていることがわかります。また、その要因として、「小田原―真鶴間の鉄道開通」が挙げられています。以上の2つの要素を書くことが出来れば立派な答案が作成できたはずでしょう。
神奈川県の地形に関する地理の問題。
真鶴半島が相模湾に突き出しているということはわかりにくいかもしれませんが、神奈川県内の小学校で調べ学習などをしていたのかもしれませんね。もしくは、伊豆や箱根などのキーワードから相模湾を紡ぎだすことができたのかもしれません。ハリスは基礎用語ですので、確実に答えることができたでしょう。
(a)かんきつ類はおもにミカンの仲間であるため、その使い道に関して正しいものを選べば良い。理科など、他科目で学習が進められていれば、しっかりと解答ができたかもしれません。しかし、ここまでミカンの特徴まで手広く学習することが求められているのではなく、日常生活で旬や、果実の使い道など、少しだけ意識しておくことが大切であるといえます。
(b)熊本県と静岡県と聞いて、生産量上位のものが浮かべられるでしょう。熊本県はナスの促成栽培、静岡県は牧ノ原台地での茶の栽培や三ヶ日の段々畑でのみかん栽培が有名です。これらを手掛かりしたり、イチゴ・ミカンの生産量上位の都道府県を思い浮かべたりしていけば、しっかりと解答につながるでしょう。
(c)静岡県の工業は「東海工業地域」に分類されます。ここでの特徴を選べば良いのです。二つの大きな工業地帯にはさまれた立地で、交通の便が良かったために発達しました。また、工業生産の割合は機械工業が約50%であるため、判別の際には参考にしましょう。なお、シリコンロードと呼ばれていたのは「東北自動車道」ですので、東名高速道路ではありません。
関東大震災(1923年)、阪神淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)の自身の特徴について正しいものを選びます。東日本大震災に関しては、みなさんの中にも大変な思いをした人もいるのではないでしょうか。岩手県宮古市田老町には、「万里の長城」とたとえられるほどの大きな防潮堤があったにもかかわらず、津波の被害を受けてしまいました。自然と共生している日本という風土で生きる我々は自然の恵みに加えて、恐ろしさもよく考えながら生きていく必要があるのです。また、関東大震災の起こった9月1日は「防災の日」とされていますので、9月に新学期初めには避難訓練を実施する小学校が多いのです。
日本には、昨年男体山が活火山に指定され、合計111か所の活火山があります。このすべての火山の噴火予知ができるわけではない上に、いつ噴火が終わるのかはわからないとされています。
(a)毎年出題のある形式、聖光学院にける”典型題”です。方角は合っているという条件が付いていますので、図1の見え方をする方向を図2から考えてみればよいのです。平地に見えるところや、図1の左側の凸になっている場所はどの方向からみているのだろうかということを考えていけば、解答ができるはずです。また図1の海の見え方もヒントになり得ますので、注目してみましょう。
(b) イの佐渡島や、エの小笠原諸島は判明するはずですよね。1980年に三原山が噴火したということから伊豆大島だということがわかれば、解答ができたでしょう。ウの硫黄島には自衛隊の基地が設置されています。日米自衛隊・軍隊の共同訓練のためなどに使われるため、一般人の立ち入りは禁止されています。
(a)合掌作り集落が「茅葺き屋根」ということをきいたことがあれば、すぐに解答ができました。植物の出題ですが、社会科の問題です。このように、近年の入試傾向として、「理社混合」の問題が出題されることがあります。社会(理科)が苦手と考えずに、理社セットで学習を進めてみると良いでしょう。
(b) 富山県と岐阜県にまたがっているこということと、写真より「白川郷・五箇山の合掌作り集落」ということはわかっても、それが「白川郷」なのか「五箇山」なのかは細かな知識であったといえます。
キンメダイの釣り方で、「網」と「釣り」の違いを考えてみましょう。魚そのものは変わらないにもかかわらず、網よりも釣りの方が高い値段で売れるということに注目します。網だと大量の魚を一気に水揚げしますが、釣りは一匹ごとに釣りあげます。また、キンメダイは高級魚で、姿煮などの見た目も重要なのではないかということまで考えつけば、解答にたどり着けると思われます。
⇒ 合否を分けた一題で扱います。
日本国憲法25条生存権に関する公民の問題。
(a) 「朝日訴訟」とは、生活保護や生存権などの考え方を考える上で大きな事件でしたこれを管轄していたのが厚生省(今の厚生労働省)でした。
(b) 「文化的な生活」というものは人間らしく生きることであり、現代に当てはめてみれば、最低限度の義務教育を受けることもそれにあたります。そのほかのものは所得の格差をなくすために、所得に応じて所得税の税率を変えているしくみなど、目的が異なるので選べないと思いますが、聞きなれない「国家戦略特区制度」などに惑わされてしまった受験生は多かったのではないでしょうか。この設問は必ずしも受験生活で全員が触れる知識ではありませんが、聖光学院という難関校の合格を考えれば、手持ちの知識と思考で解答にたどり着きたいものです。
(a) 社会的弱者とは、児童や高齢者などの所得・身体能力・発言権などが制限されている人のことであり、それを社会福祉の観点で救済するのであれば、エが不適切であるとも言えますが、ハローワークのような公共の救済をも視野に入れると必ずしもエが不適切であるとは言い切れないでしょう。
(b) 飼い主のいない、いわゆる「野良ネコ」などは保健所で保護されます。
(a) エンゲル係数は一世帯ごとの、家計に占める食費の割合のことです。経済成長が進んでいけば、この指数は上昇していくとされています。
(b) 「一億総中流社会」は聞きなれないものでした。設問中の「社会の格差を好きなく、」などの言葉から推測することは可能でしたが、難しい一問だと言えます。
(c) これらの項目のなかから「経済的な理由で実現できない項目が3つ以上あると」というところから、ア・ウではないと判断がつきます。また、経済的にゆとりがないのであれば、支援対象であることが分かるので、ウ・エではないと考えます。すると残ったイが正解となります。
時事要素のある、貨幣に関する公民経済の問題。
日本で使われるお金に関する漢字には「貝」を使うことが多いです。「売」の部首は「士」ですが、旧字体である「賣」は「貝」が部首となっています。
図書カードやギフトカードなどは「金券」といい、その額面相当のものが購入できるものですが、特に使用することによる割引はありません。
仮想通貨はインターネットを通じての取引であるため、情報が漏れてしまうなどの不安は残りながらも未来の貨幣の形であるという意見もあります。
一万円札に描かれているのは福沢諭吉です。夏目漱石は野口英世の前に千円札に描かれていました。
消費税率は1989年の竹下登内閣の時に3%、1997年の橋本龍太郎内閣の時に5%、2014年の安倍晋三内閣の時に8%、2019年の10月に10%へ引き上げ予定であり、これを表現することばを考えつければ解答できたでしょう。
少子高齢化が進み、年金受給者を以前の「おみこし型」から、「かたぐるま型」へすすみ、約一人で一人の高齢者を支えていくようになると考えられています。
日本銀行の役割は「政府の銀行」「銀行の銀行」「発券銀行」ですので、それにあてはまるものを選択すればよいのです。
伊東市の統計と、本文を参照しながら、
①伊豆半島の地形
②伊豆半島の農業の特徴
を読み取ります。その際に「火山」という語を用いるという条件が付いています。
また、設問にある伊東市の統計から、静岡県全体とくらべてみると、耕地面積よりも、水田面積の比率が低いことがわかります。これと「火山」という言葉を関連させ、
“火山によってできた平地(平野)であるため、水持ちがわるい(水はけがよい)ため、稲作に不向きである”という情報が分かれば②の要素としては上出来です。
ここまで整頓したうえで、本文にあたると、火山によって形成されていたことが分かります。さらに、ミカン栽培が盛んであるということも書かれていますので②の要素も満たしました。あとはこれを繋げて書くだけで、解答が完成します。