[1] | (1)A (2)B (3)A |
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[2] | (1)A (2)B (3)B (4)C |
[3] | (1)A (2)A (3)(ア)B (イ)B |
[4] | (1)A (2)A (3)A (4)B |
[5] | (1)A (2)作図…B 面積…B 体積…C |
A:聖光学院中合格を目指すなら必ず得点したい問題
B:着眼点や解法ツールにより正答率・かかる時間に差がつく問題
C:難易度や処理量から判断してとばすべき問題
今年も、例年通り大問5題構成、時間が60分と長く与えられてはいるものの、聖光中らしい特徴的で難解な問題も中には目立ちました。
大問1は計算1問を含む小問集合、大問2は数の性質を中心にした場合の数の問題、大問3は平面図形を中心にした場合の数の問題、大問4は水量変化の問題、大問5は相似形を利用した立体図形の問題でした。
分数と小数が入り混じった穴あき算の計算問題。特に計算の工夫もないので、落ち着いて答えを求めるように。0.625や21.25は、瞬時に分数に変換できるようにしておきましょう。
立体切断の問題ですが、この切断は極めてシンプル。まずは1段目から8段目の個数を、三角数の考え方から合計して出します。1個の立方体について、3点で切断すると㎤が減ることになるので、1段目から8段目で表面に出ている個数を、等差数列の和の公式で求めることによって答えが導けます。
数の性質をメインのテーマに据えた、場合の数の問題。本校らしい問題で、着眼点によって差がわかれる問題と言えるでしょう。詳細は合否をわけた一題として、後述します。
正方形において、2つの辺を3等分する点から4つの点を選び、色々な四角形を考えていく問題。
ただの場合の数の問題です。4つの点から2つを選ぶのが何通りであるのか?本校の受験生は瞬時に求められなくてはなりませんし、ここでの失点は許されません。
こちらも、図2を見たら砂時計相似を利用して答えを求めるのだ、ということに気付かなくてはいけない問題です。ここまでは落とせません。
グラフはなく、問題文における水を入れ始めてからの様子と、水槽の図を比較しながら読み解いていく問題。正面から見た図については、段階ごとに確実に書いて解き進めるように。
ア時間後の様子から、仕切板の右側は満水になったことが分かります。あとは水深が0.9mになった時の左側の体積と、右側の体積が求まるので比をとるだけです(もちろん、奥行きがともに25mなのでそこを省略しても構いません)。
7.5時間後の様子から、仕切板の両側とも水深が3.6mになったことが分かります。体積→1時間あたりの水量が求まり、それがP-R+Qになるので、(1)で分かったことと照らし合わせると、まずはQの給水量が求まります。そのうえで、ア時間後の右側の水量を考えるとアも求まります。
18時間後、36時間後の様子から水が減ったのは仕切板の左側だけであることが分かります。長さから体積が出せるので、Rの排水量が求められます。ここまでは本校の受験生としては1問も落とせないところです。
どのように処理をしていけば困った受験生も少なからずいたのではないでしょうか。着目するのは9.5時間後。Qを閉めた時、計算すると水は2850㎥入っています。その後、完全に満水になるイ時間後まではP-R=150㎥が一時間ずつ入る量になります。そして、満水になった後はPを止めたので、R=100㎥が一時間ずつ減る量になります。最後に、18時間後の水量は計算すると2250㎥となります。150㎥/時増えていた時間と、100㎥/時減っていた時間の合計は18-9.5=8.5時間ですから、ここで弁償算の考え方を使うことに気付けたかどうかが正誤の分かれ目です。そこからイの時間が求まり、水量計算でウの値も求まるというわけです。
立体空間上で、複数の点の位置から相似形を使ったり、ある点の動く範囲を設定することで、他の点がどのように動くかを作図する問題。(1)の求め方が、(2)の作図につながっていきます。
大事なのは、立体でなくあくまで平面上で考えていくということ。面ABCDが問題用紙上に図として与えられているので、そこに点X・Q・Rをすべて書き込んでいきましょう。以下のようになります。
アの三角形とイの三角形の相似比は、各々の縦の長さから3:6=1:2となります。アの横の長さは4.5-4=0.5cmですので、イの横の長さも求まり、最終的にBRが分かります。XM=4cmと問題文で与えられているので、先ほどの相似比を使えばQRも求まります。
作図と面積までは何とかなるが、最後の体積については試験の残り時間が少ない点と、複雑な形になるので、出来なかった受験生も多くいたと思われます。
作図については、(1)でPが斜線部分の左上にある時はすでに考えました。Pが斜線部の右上に来るときは、先ほどの図と左右が逆の位置に来ることになるので、すぐに図が描けるでしょう。Pが斜線部の左下と右下に来るときについて、(1)で用いた相似を利用する方法で考えた上で作図をすると上記の答えのようになります。面積についても、作図さえ出来れば台形であることが分かるので、上底・下底・高さをきちんと考えたうえで計算をすれば容易に解けることでしょう。
題意の立体は、作図すると以下の形となります。
全体から、赤い部分を引いて考えることになります。
上図の様に、ア(8×6÷2=24㎠)を底面とする高さが1cmの三角柱と、高さが合計で3-1=2cmの三角錐でわけて計算するとよいでしょう。そのうえで、引くべき赤い部分についても同じように計算をしていくと求まりますが、立体の形が想像しづらいうえに、
計算の処理がかなり厄介なので後回しにすべき問題と言えます。
今年の聖光学院の算数は、60分という試験時間は変わらず、難易度の極端な変動のなかった試験と言えます。
今回は、前半の問題群の中で大問2の数の性質と場合の数の問題を、合否をわけた一題としてご紹介いたしましょう。
最大の数なので、まずは10・9・8・7のカードを取ったことが分かります。
(10+9)×(8+7)=285、(10+8)×(9+7)=288、(10+7)×(9+8)=289となるので、答えは289です(かけ合わせる2数の差を0に近づける方が積は大きくなる)。
答え:289
(A+B)×(C+D)=70なので、70の約数をペアにして書き出す、というポイントに気付けたか否かが、正誤の分かれ目です。
1 2 5 7
70 35 14 10
となりますが、2,3,6,8のカードで作れる組は5と14だけです(2+3=5、6+8=14とか)。
AとBの入れ替えで2通り、CとDの入れ替えで2通り、そしてA+BとC+Dの組自体の入れ替えで2通りなので、2×2×2=8通りとなります。
答え:8通り
先ほどの問題と同じように、かけて100になるペアを探し出します。
1 2 4 5 10
100 50 25 20 10
となりますが、AとBの和(あるいはCとDの和)は最大でも10+9=19なので、考えられるペアは10と10しかないことになります。
片方の組が1と9の場合、もう片方は2と8・3と7・4と6が考えられます。
片方の組が2と8の場合、もう片方は3と7・4と6が考えられます。
片方の組が3と7の場合、もう片方は4と6が考えられます。
それぞれについては、(2)から8通りが存在するので、答えは8×6=48通りとなります。
答え:48通り
これまでの考え方に倣って、積が108,140,144になり、存在するペアは以下のようになります。
108…6と18・9と12 140…10と14 144…8と18、12と12
140は一組に確定するので、ここから調べます。
10の組が1と9の場合、14の組は10と4・8と6が考えられます。
10の組が2と8の場合、14の組は10と4・9と5が考えられます。
10の組が3と7の場合、14の組は10と4・9と5・8と6が考えられます。
10の組が4と6の場合、14の組は9と5が考えられます。
この中で、108と144に合致するのは、2と8・10と4のみです(108は6×18で、2+4と8+10。144は12×12で、2+10と4+8)。
よって、小さい順に並べると2・4・8・10となります。
本問については、限られた時間の中ですから、すべての組について検証をする時間はなかなかないと思います。当てはまる組が見つかったらすぐにそれを答えとしてしまい、後半の問題へと進むようにしましょう。
答え:2・4・8・10