まず聖光学院中は8,000字から9,000字程度の長文を出題するので、早いうちから長文に慣れておくことが必要である。
例えば、入試問題から物語文の長文を選んで読ませるといった方法も効果的であろう。その際には、自然、言語、社会の規律や日本人の性質など、中学入試ではよく出題されるテーマを題材とした説明的文章、少年、少女の心情や他者との心の交流を描いた文学的文章を中心に選ぶ。もし時間的な余裕や入試問題を解けるレベルであれば解いても構わないが、そうでなければ、文章を読む→文章のパターンを認識するために設問を読む→解答を読んで理解するという手順でも構わない。
あと、大人の常識である道徳的価値観も学ばなければならない。
大人が教えること以外に、
①中学受験 必ず出てくる国語のテーマ 著者 小泉 浩明 (ダイヤモンド社)
②朝日小学生新聞 などを活用するとよい。
聖光学院中の国語は、漢字問題や語句の問題が必ず出題されるので、市販の問題集で早めに仕上げておく。また心情に関する語句の知識を増やしておけば、心情記述にも役に立つ。毎日、コツコツと繰り返し勉強していこう。あと、覚えにくい言葉や漢字は辞書を引いて意味調べしておくこと。(電子辞書は止めよう。楽をして学習すると、身に付かない。)
*市販の問題集では、
旺文社から出版されている「でる順漢字3500」
陰山先生の「漢字プリント」や「熟語プリント」シリーズ
文英堂から出版されているズバピタシリーズ
また語彙力を強化するために、学研から出版されている「言葉力1200」、「言葉力ドリル」、「カードで合格・読解記述キーワード」などをやっていくとよいだろう。
聖光学院中の国語の入試問題に対応するためには、記述問題減少傾向とはいえ、記述力を鍛える必要がある。
ここでは数年前まで出題されていた文章全体から心情の変化を読み取らせる方法を記述問題対策の例として挙げておく。この考え方は、違うタイプの心情記述にも活用できるので、参考にしていただきたい。
解き方
基本的には設問の最後のほうに位置していることからもわかるように、これまでに解いてきた設問がヒントになる。
これを踏まえたうえで、
1・文章の結末(傍線部がある場合は傍線部付近)の主人公のセリフを押さえる。→変化後の心情の読み取り
2・2のきっかけとなった出来事(転)を押さえる。→さらに、そこで何を感じたのかを確認する。(つまり、学んだこと。ここで、大人の価値観(道徳的なテーマ)がかかわってくる。)
3・3より以前の心情をセリフや今まで解いてきた設問の解答などを手掛かりに読み取る。
以上の手順で考え、3→2→1の順でまとめていくことがポイントになる。
塾でもこのようなことを教えてくれると思うが、参考にしていただきたい。さらに、類題演習すると効果的である。
具体的には、市販の各学校の過去問を集めた問題集(みくに出版で出しているものがお勧め)を使って、物語文の心情記述の問題をピックアップし、それを丁寧に解く。わからない場合は、模範解答を見て逆に考え方、まとめ方を学習するとよい。
添削は、なるべくプロ(塾)の先生にしてもらう。そこで、何が足りないのか、確認するとよい。さらに、解き方を教えてもらうと一石二鳥である。(なるべく、普遍的な方法を教えてもらうようにする。)
記述の添削は、ただ添削するのではなく、書き方や心情のパターン(中学受験特有のものがある)を伝えなくてはいけないし、模範解答以外の解答の可能性、生徒の記述した表現の解釈をどこまで許容するかなどのスキルが必要である。しかし、このようなスキルを身につけるためには、片手間では無理。やはり、ある程度の経験と研究する時間が必要である。だから、「プロ」のほうが好ましい。もちろんここで言う「プロ」とは、小手先のテクニックや読書指導、漢字学習だけに偏ったり、文章理解だけを目的に指導する先生ではなく、しっかりと語彙力、論理的思考力を伸ばし、道徳的価値観をふまえた記述指導をしてくれる講師を指す。
また、このような学習が難しい場合は、市販のテキストを使い、記述力を上げていこう。
具体的には、
①出口先生の論理エンジンを使った「読解・作文トレーニング」4~6年を使い、論理的思考力、記述力の基本を身につける。
②啓明舎の「読解の応用・完成」で、論理的思考力、記述力、テーマ別の考え方を養う。
③啓明舎の「名作できわめる中学受験の記述高学年用」や四進ジュニアの「記述完成」Ⅱで、本格的な記述問題にチャレンジする。
④旺文社の「塾で教える国語・実戦問題集(文学的文章)」で仕上げる。
順番としては、①、②を仕上げた段階で、③、④に取り組むとよいだろう。
さらにプロの講師が添削+アドバイスしてあげると、効果的である。
ここで具体的な間違い直しのやり方を簡単にアドバイスする。
↓
まず自分の解答と模範解答を比べ、△や×の場合、なぜそれがだめなのか、何が足らないのかを考えさせる。分からない場合は解答・解説を読んで、それから本文に戻り、解答に必要な要素やその導き方、記述のまとめ方を理解する。そして正しい考え方をノートに書いたうえで、それを見ながら書き直しをする。あくまでも自分の力で記述させることがポイントである。(岡野のホームページより引用)
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