女子最難関の桜蔭中です。「女の子に何もそこまで…」という同情があるならば捨てて下さい。6年後の大学受験時には男女の差は存在しません。小学生のうちから男子の最上位生と競い合うことで、大学受験にも通用する、勉強に対する体力を身につけておきましょう。
さて、桜蔭中の算数で合格点を超えるためには、盤石の基礎力の獲得を前提に、いかに高度な思考力、記述・表現力を身につけていくかが課題です。
立体図形 (H21 3)(H20 4)(H17 6)(H16 6)等
見取り図だけでとらえることや、頭の中だけで考えることは、正直言って、かなり無理があります。投影図、段に分けて考えるなど、平面でとらえることが必要です。
立体図形を苦手とする生徒は多いですが、実は平面図形と比べると、思考パターンは決して多くはないのです。1つ1つ定石を確認し、問題に応じた応用の仕方を学んでいきましょう。
不定方程式 (H18 4)等
問題の条件をまずは表でも図でも、自分なりの形で整理しなおすことが必要です。次に整理することによって見つけた条件を○や□や△を用いて、式にしてみましょう。
条件に合致するものがひとつ見つかれば、あとは芋づる式に答えが見つかります。この分野は類題に多数触れることで、すぐに式を立てることができるようになります。
条件の整理 (H21 4)(H20 5)(H19 4 5)等
問題文の意味が捉えられないならば、まずは条件に合致するものを書き出してみましょう。ただ書き出して条件に合うものを全て見つけるだけの問題も少なくありません。もちろん、書き出すことによって規則が見つかり、その規則を式にすることで解いていく問題も多いです。とにかくまずは手を動かすことが第一歩となります。
一般的に言われている「式を書く」だけの答案づくりでは、正直言って高い部分点は望めません。必要なことは「式」ではなく「考え方」を明らかにすることです。「考え方」は「式」よりもむしろ、採点者に授業をするつもりで「言葉による補足」と「解答方針の図示」を多用していくことが大切です。ただ桜蔭中の解答用紙は開成中や栄光学院中、鷗友学園中などと比べて記述欄が狭いことも特徴として挙げられます。書きたいことを全て書くのではなく、必要なことを簡潔に書く練習も必要です。その際、見やすく、字もきれいに書くことは、自分の見直しにも有効ですし、何よりも採点者への絶好のアピールになります。確実に部分点を稼ぎましょう。
ただ、この答案づくりは個人差が大きいのが事実です。トレーニングを重ねると、一般的には、始めは論理的に破綻した答案でも、冗長すぎる答案を経て、最後に無駄がそぎ落とされた良質な答案が出来ていきます。段階に応じた適切なアドバイスを受けることで、次のステップに進むことが出来ます。
したがって専門家による添削指導は必須です。個性を活かしながら、より良い答案が作れるよう、良質な添削を重ねてもらい、桜蔭中合格に向けた答案の質を高めていきましょう。
50分で大問5~6個というのは一見すると1問あたり10分近く時間をかけることが出来、余裕のある設定に思われます。しかし計算が煩雑なことや、調べ上げるのに時間がかかる出題も多いことから、決して余裕のある時間設定とは言えません。きちんとした計画的時間配分が出来なければ、むしろ短いとも言えるのではないでしょうか。
そこで時間配分に明確な作戦を立てることは必須です。ただ計算のスピードや、分野による得手不得手は個人差が大きいので、第三者による分析、アドバイスが必要となります。残念ながら、この最適な時間配分の提案は保護者の皆様には難しいのではないでしょうか。数多くの桜蔭受験生を指導し、専門的知識を持った講師の個々のアドバイスを参考に、個々人に応じた時間配分の作戦を立てていきましょう。