東大合格者数では女子校最多を続け、医学部進学者も多い、まさに女子最高峰の進学校である桜蔭中。算数の出題も質・量ともに女子最難関を誇り、生半可な実力では太刀打ちできないことは周知の事実です。
大きな特徴として平成15年以前は算数と理科を合わせて55分という独特の出題形式だったことも挙げられます。ただ、平成16年以降は、算数1科目で50分という一般的な出題形式に変更されたこともあり、以前よりも対策が立てやすくなりました。そこで、ここでは平成16年以降の問題から傾向と、その対策を提案していこうと思います。
これらの問題は、算数のパターン学習では全く歯が立ちません。問題文を正しく読みこんで、自分の頭で考えて条件を整理するという思考力と作業力が試されています。その対策は合格戦略の提案 難問対策で述べてまいります。
今までは正しい答えを出せばよいと教えられてきた中学受験の算数ですが、考え方を記入させる桜蔭中では、正解に至るまでのプロセスも重視されるのです。
たしかに普段、式や考え方を書くことに慣れていない生徒にしてみれば、なんとも不安を掻き立てる内容ではあります。ただ実は考え方を記入させるということは、むしろチャンスなのです。この部分点の取り方というものを、合格戦略の提案 記述・表現力でお話ししてまいります。
桜蔭中の場合は、決して「たかが計算」と侮ってはなりません。大問1の計算問題から、計算量と同時に求められる工夫も高度な出題が見られます。後半の出題でも計算量が多く、しかも答えが汚い数値になることも多いという事実にも注意が必要です。
したがって計算の処理だけでもかなりの時間がかかることを覚悟しておきましょう。それを踏まえた時間配分のコツを、以下の合格戦略の提案 時間配分で述べてまいります。