毎日のように授業が続くので、副教材を用いた計画的学習を進めることが困難な時期になります。ただ、基礎知識の確認や弱点補強を行う最後のチャンスが夏休みでもあります。
C・Sコースならば四谷大塚の夏期講習テキストで実践を積むことで、基礎知識の総確認を行いましょう。ただ、受験では差のつかないレベルの難問も含まれているので、無理に全ての問題を理解しようとする必要はありません。問題の取捨選択は、私もアドバイスをしてまいります。
余裕があれば、「中学への算数」の「レベルアップ演習」や「日々の演習」のやり残しをすることで、算数の総合的な学力を高めることも可能です。
『四科のまとめ』は、基礎知識がある程度定着できているならば不要です。
日曜特訓の桜蔭の特別コースを受講できれば、学習の中心に据えましょう。桜蔭中の出題傾向を研究し、充分に練られた問題でテキストが構成されています。一問一問をじっくりと理解することで、桜蔭中に対応できる思考力を身につけることができるでしょう。
並行して最優先にしたいのが過去問演習になります。週例テストの代わりに土曜日の午前中など、自ら時間を設けて解く必要があります。過去問は10年分を遅くとも11月中には解き終えましょう。年内に2周目まで終わらせることができれば理想的です。なお、2周目も制限時間を守って、問題のセットに取り組むほうがよいでしょう。前回に解いてから時間が経っているはずなので、答えを覚えていることもないでしょう。添削の際のアドバイスをもとに、解答力・記述力の向上を感じることができるはずです。年が明けてからは、私は2周目でも間違えた問題の理解の徹底や、併願校の過去問演習を提案してまいります。
平常授業は間違い直しを徹底するだけで充分です。実力完成問題集のうち、授業で指定された箇所を定着できればよいでしょう。くれぐれも、解きっぱなしにしないことが重要です。
6年生後期は、自分の位置を客観的に把握することが、今まで以上に重要になってきます。そのためにも、様々なテストを活用する必要があります。
まずは合不合判定テストです。出題数が多く、手際の良さが求められる合不合判定テストの傾向は、正直に言って桜蔭中の入試問題には全く合っていません。ただ、四谷合不合の最大の強みは受験者層になります。桜蔭中を志望する受験生の大多数が受験するため、客観的に桜蔭中志望者内での総合学力を把握するには、最高の指標であると言えるでしょう。各科目の点数や偏差値ではなく4科目の総合偏差値で、桜蔭中志望者内での順位を意識しましょう。
次にサピックスが主催する学校別サピックスオープンです。桜蔭中の問題を研究しつくした講師が練り上げた出題ですが、本番よりも難易度が高くなっていることが多いです。生徒自身の学力も本番までまだまだ伸びる時期なので、点数は絶対に意識してはなりません。例年、学校が発表している合格最低点を超える生徒は数えるほどしかいないのが現実です。ただそれでも傾向や配点など、実際の桜蔭中の入試に即しているので、もっとも正確に桜蔭中志望者内での自らの位置を把握することができるという点では優れています。120位以内が合格圏と判断できるので、まずはこの2回のサピックスオープンを勉強の目標とすれば良いでしょう。
四谷大塚の学校別テストも可能ならば受験しておきましょう。桜蔭中に即したテストは数少ないですし、出題もよく練られた良問が中心です。ただ若干、受験者層が本番と異なるので、判定を鵜呑みにしないことが重要です。