毎日授業が続き、体力的に最も厳しい時期になります。6年生前期の中学への算数などの副教材を用いた計画的な勉強はいったんストップしても仕方がないかもしれません。最優先にすべきなのは、毎日のデイリーチェックで確実に高得点を取るための復習です。Summer Sapixで、授業中に扱った問題の定着を図りましょう。
この夏休みが、基礎力を万全なものとする最後のチャンスです。この時期での頑張りが、秋からの成績上昇の鍵になります。
※お盆休み
お盆「休み」ではなく、お盆「特訓」です。夏期講習前半で、理解が浅い内容の定着を図ると共に、志望校である桜蔭中の過去問演習を始める時期です。
ただ、この時期はまだ、桜蔭中の入試問題では高得点は望めないでしょう。点数にこだわらず、時間配分と論理的な考え方の記述を意識して取り組みましょう。実際の試験のつもりで、きちんと時間を計って集中して取り組むことが大切です。私はその答案を添削し、具体的な過去問を解いていく計画を提案してまいります。
このお盆休みで冷静に志望校までの距離を見極め、秋からの学習の指針を明確にしましょう。
※夏期集中志望校錬成特訓
実質、ここからがSS特訓です。SS特訓志望校別と同じコース編成で、桜蔭中対策が進んでいきます。ただ毎日、演習授業が続くため、教材をすべて消化しきるのは難しいかもしれません。GS特訓と同様に、指定された問題の間違い直しを徹底することが大切です。
この時期からは、平常授業よりもむしろ、SS特訓の志望校別講座を最優先とした学習スケジュールを立てていくことになります。志望校別特訓で扱うプリントで、桜蔭中らしい答案作りの演習を重ねましょう。平常授業に関しては、間違い直しの徹底を図るだけでも充分です。
並行して最優先にしたいのが過去問演習になります。過去問はSAPIXでは授業中に一切扱わないので、土曜日の午前中など、自ら時間を設けて解く必要があります。
過去問は10年分を遅くとも11月中には解き終えましょう。年内に2周目まで終わらせることができれば理想的です。なお、2周目も制限時間を守って、問題のセットに取り組むほうがよいでしょう。前回に解いてから時間が経っているはずなので、答えを覚えていることもないでしょう。添削の際のアドバイスをもとに、解答力・記述力の向上を感じることができるはずです。年が明けてからは、私は2周目でも間違えた問題の理解の徹底や、併願校の過去問演習を提案してまいります。
次に優先したいものがSS特訓の単科講座になります。まず、思考力か解法力かの選択ですが、算数の単科は解法力講座で充分と言えます。桜蔭中対策をしていると、どうしても基本的知識の対策がおろそかになってしまいます。この解法力講座で基礎知識の確認ができれば、併願校の対策にもなるでしょう。もし充分に基礎力が備わっているならば、むしろ他の科目を選択したほうがよいのかもしれません。
なおSS特訓で合格への100題という冊子が配布されますが、過去問の類題やサピックスオープンの過去問で構成されているため、難易度はかなり高いです。1日に1~2問ずつ取り組めると良いですが、時間的に余裕がないならば、全く扱わなくてもよい教材です。
ここからは2つの重要なテストについて、お話ししたいと思います。
まずは四谷の合不合です。出題数が多く、手際の良さが求められる合不合のテストの傾向は、正直に言って桜蔭中の入試問題には全く合っていません。ただ、四谷合不合の最大の強みは受験者層になります。桜蔭中を志望する受験生の大多数が受験するため、客観的に桜蔭中志望者内での総合学力を把握するには、最高の指標であると言えるでしょう。各科目の点数や偏差値ではなく4科目の総合偏差値で、桜蔭中志望者内での順位を意識しましょう。
もうひとつが学校別サピックスオープンです。桜蔭中の問題を研究しつくした講師が練り上げた出題ですが、本番よりも難易度が高くなっていることが多いです。生徒自身の学力も本番までまだまだ伸びる時期なので、点数は絶対に意識してはなりません。ただそれでも傾向や配点などは、実際の桜蔭中の入試に即しているので、もっとも正確に桜蔭中志望者内での自らの位置を把握することができるという点では優れています。サピックスの桜蔭合格者数の130位以内が合格圏と判断できるので、まずはこの2回のサピックスオープンを勉強の目標とすれば良いでしょう。
※正月特訓
受験生に年末年始はありません。正月特訓では、ただひたすら桜蔭中の形式のテスト演習を重ねます。今まで培ってきた時間配分の工夫や記述表現力を駆使して、得点にこだわっていきましょう。