2月から受験生になったとはいえ、夏休みが始まるまでは、まだまだ基礎固めの段階です。基本的には5年生までと同じ、算数Bと基礎力トレーニングを中心とした勉強法を続けましょう。
ただSAPIXの場合は、6年生になると算数が週2日になります。平常授業の重要性は何度も述べているとおりですが、土特の位置づけに迷いがある方も多いのではないでしょうか。土特は演習授業なので、その場で出来る問題を見極め、的確に得点する練習であると割り切り、家庭学習も指示された問題の直しだけでよいのです。平常授業でコースによっては扱うことになる「入試問題演習」も、同等の位置づけで結構です。決して全ての問題を完璧に理解する必要はありません。
とにかく、6年生前期は教材の多さに振り回されず、その週の平常授業の内容を定着させることが課題です。教材の取捨選択も、私は指導の一環であると考え、生徒に応じた学習課題を提案しています。
※GS特訓
ゴールデンウィークには「GS特訓」が開催されます。SAPIXのカリキュラムで、初めて本当の意味で志望校別の問題を扱う特訓です。その際、点数を意識する必要は全くありません。むしろ良くない点数を取って、志望校までの距離を再認識することに価値があります。復習は、間違えた問題をその日のうちに解きなおすことで充分と言えるでしょう。
GS特訓はSAPIXに初めてお弁当を持ってくる機会になります、よきライバルでもある友人と朝から夜まで勉強し、食事も共にすることで、一緒に桜蔭中学校に行こうと結束が固まり、多くの6年生は受験生としての意識に目覚めます。
入試休み
5年生までの内容に不安があるならば、「算数パワーアップトレーニング」の5年生編を早急に仕上げてしまうことを提案しています。新6年生としての平常授業が始まる前に、基礎トレに加えて取り組むことで、5年生までの範囲の算数の基礎知識を網羅し、6年生で扱う難問を解くための算数の素地を築くことができるでしょう。
2月から
算数を武器にしたいのならば月刊誌「中学への算数」の「レベルアップ演習」まで取り組んでおきたいところです。余裕があれば「日々の演習」に毎日少しずつ取り組むことで、この時期から桜蔭中レベルの難問対策をすることも可能です。その際には必ず専用のノートを用意し、答えを出すだけではなく、その経過を意識した自分なりの答案作りを心がけることが大切です。私はその答案を添削し、この時期から答案の質も高めていくことで、6年生後期の成績の向上を図っています。
なお、この中学への算数を用いた学習は、入試直前まで続けることで、確実に実力につながりますが生徒によっては手が回らないこともあるでしょう。私は個々の生徒の実力を適宜見極め、必要な課題を明確に与えてまいります。
7月から
サピックスでの個人面談が終わった頃には「有名中学入試問題集」が発売になります。この教材では、様々な学校の入試問題に取り組むことによって、問題の取捨選択や時間配分のコツを会得することが目標です。決して点数で一喜一憂してはなりません。私は「とるべき問題をしっかり得点できたのか」ということと「時間配分は適切だったのか」をチェックし、具体的に点数を取るためのアドバイスを与えてまいります。