(難易度付き→易しめ=基本、中位=標準、難問=応用、超難問=発展)
難易度は応用レベル。だいたい6年生で習うような漢字が多い。言い換えれば、簡単な漢字問題は出ないということ。ただ、桜蔭中を受験するなら、このレベルの漢字は確実に点数に結び付けたい。
あと22年度では、あてはまる漢字を使って熟語を作らせる問題が出題されたので、注意が必要。(熟語で漢字を覚えさせる陰山先生の影響?)
典型的な問題例
①傍線部の意味を問う問題
これは物語文にも言えることだが、傍線部をしっかり読みとらせる問題が多い。
平成20年度では、傍線部3のから読み取れることを傍線部4から考えさせるという問題を出題している。これほどまでに、傍線部の正確な解釈を求めるのが、桜蔭中なのである。
対策としては、設問文が聞いていることや設問条件をしっかり押さえたうえで、傍線部やその前後の文をよく読み、傍線部の文で不明確な言葉や内容を具体化していくこと(例えば、傍線部に指示語や比喩があれば、何を指しているのか、前後の内容からはっきりさせていく。)が重要である。
そのうえで、キーワード(問われている言葉)をとらえ、それを具体的に説明しているところを探せば、解答の根拠が見つかる。
後は、因果関係に注意しながら、まとめていけばよいのである。
具体的な解き方の例
平成20年度 一 問三
傍線部「イラクで毎日人が死んでいることも知らない」について、何故知らないと言うのか、この傍線部に込められた筆者の思いを説明せよ。という問題。
まず、この設問が二段構えになっていることに注意する。答えるべき内容は、
①「知らない」と筆者が言う理由
②①のように表現することで、筆者が読者に伝えたい思いは何か。
以上、二つである。
そしてポイントは、筆者の考える「知っている」とは何かということを押さえることである。(「知っている」という言葉の定義づけ)
次に、傍線部の前後の内容を確認する。すると傍線部の直前の形式段落の内容から、「私」たちは、その対象物を知識として学習することによって、実際に見てもいないのに、「知っている」と錯覚しているだけであり、だから本当にその対象物を「知っている」とは言えないという筆者の考えが読み取れる。
つまり筆者は、知識としては知っているが、実際に見たり聞いたりしていないので、そういう意味で、「知らない」と言っているのである。
次に、②を考える。上記のことから、自分たちが物事を情報だけで深く考えずに判断してしまう傾向があることが分かる。だから筆者は、あえて傍線部の直後に「自分が知っているのは目の前に寝ている猫たちが愛らしいということだけだ。」と傍線部の内容と対比させる文を書くことで、自分は情報として、それを(傍線部の内容)知っているだけであることを強調するとともに、それを「知っている」と錯覚してしまう自分たちへの戒めの意味もこめて傍線部のような表現をしたことが読み取れる。
後は、①を理由にして、②を文の最後に持ってくる形でまとめる。