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国語の塾別学習法の提案

桜蔭中入試対策・塾ごとの国語の学習法の提案(サピックス生)

Bテキストの有効活用

まず桜蔭中の入試問題で頻出の筆者の意見をまとめる問題や心情の変化を問う問題が、5、6年のBテキストでよく出題されるので、Bテキストはしっかり学習しよう。また内部生昇降テストのマンスリーテストや組分けテストでも出題されるので、テストの復習も合わせてしっかりやれば、相当力がつくだろう。他塾と比べて、その点ではかなり有利である。

ただし、記述問題は(もちろん記述問題だけに限らないが)、むやみにたくさん解いてもまったく効果がない。確かにある程度の演習量は必要だが、そもそも記述は論理的な思考問題なのだから、一つの設問を深く考え、思考錯誤を繰り返しながら、問題と格闘しなければ、レベルアップはできない。楽して、学力は身に付かないのである。

したがって、設問の考え方やまとめ方まで意識した学習が必要不可欠である。

さらに記述力を伸ばすためには、講師の質の高さ(講師自身の柔軟な思考力)も求められる。単純に、「考えろ」しか言わなかったり、解説を一方的にして終了したり、量をたくさんこなすことばかり求めたり、反論を認めず、自分の意図とする解答しか認めないような講師ならば、上記のような「試行錯誤」や「深く考えること」などを生徒ができるはずもなく、したがって論理的思考力を身につけることは、不可能になる。

講師がうまく問いかけて、生徒を解答へ誘導しながら、あくまでも生徒自身に答えを出せる、そんな指導ができてこそ、はじめて論理的思考力を伸ばすことが出来るのである。

このようなことを心がたうえで、授業中の記述の演習量を子供の処理能力より少し多めに与えれば、極端な話、家庭学習は授業の復習プラス1,2題でも十分である。実際に私は、このように指導してきたし、結果として偏差値60越え(御三家レベルの偏差値で、四谷だと偏差68以上のレベル)の生徒をたくさん輩出してきた。

もちろん、αコース以外でも60越えを果たしたことが多々ある。最高記録は、2年連続で桜蔭サピックス・オープン一位(国語)を取らせたことがある(さすがに、この二人の生徒はα1だが。当時の校舎規模は中規模で12~15コース。)。

このような指導が出来る講師がいれば、記述力は確実に伸びるであろう。

SSの単科の記述表現力講座・桜蔭中の学校別教材の有効活用

実は桜蔭中の文章題を攻略するためには、Bテキストだけでは不十分である。

上記のテキストを有効利用していくことが合格のカギとなる。

Bテキストはどちらかというと、開成、麻布、駒場東邦など最難関の男子校をイメージさせるような題材が多い。また桜蔭中の題材は独特なので、共通教材としては扱いづらいのである。だから、このSSの教材がサピックス生にとっては、本格的な桜蔭中対策の始まりといってよいだろう。

まず記述表現力講座は、文学的文章と説明的文章の二題構成である。扱う題材は講師に任されている。だから、二題両方扱う場合もあれば、一題のみの場合もある。

そのうちの一題は添削教室の問題が指定されており、講師は毎回、この問題を必ず生徒に解かせなければならない仕組みになっている。

(添削教室とは、6年生なら2週間に一回、4、5年生なら月一回の頻度で、添削科という専門の部署が、テキストの問題を一題指定する。それを受けて講師は、その一題を授業問題として扱い、生徒にその問題を解かせ、解答を添削教室専門の用紙に記入させる。終了した時点で講師が回収し、その用紙を各校舎から添削科に送って、添削科スタッフが採点、1、2週間後に答案を返却するというシステムのことである。)

できれば桜蔭中を志望する生徒は、二題とも取り組みたいところだ。
もちろん、設問はセレクトすべき。
セレクトの基準は、

①傍線部の言い換え問題。
②筆者の言いたいことをまとめる問題。
③心情記述の問題。
④心情の変化をまとめる問題。

の四つ。このようなタイプの問題を選ぶとよいだろう。

次に、志望校別特訓の教材について説明する。

これは文字通り桜蔭中対策として作られた教材であるが、文章の難易度は桜蔭中より難しく、桜蔭中の題材としてはやや的外れな題材もあるので、出来たかどうかをあまり気にする必要はない。目安としては、11月ごろまでに100点中50点を取れるような力を身につければ、充分である。45点くらいでも希望はある。

正直、この題材の復習だけでは対策にならない。やはり、過去問と合わせてやるほうがよいだろう。また欠席した場合は、無理してこの題材に取り組む必要はない。

なぜなら上述したように、一人では難しいので、学習するのに多くの時間が費やされ、結果として他の教科の勉強時間や過去問を解く時間がなくなってしまう可能性が高いからである。

授業では、特に設問文の読み取り方や、傍線部の解釈の仕方、解答へのプロセス、要素の導き方、まとめ方などをしっかりチェックし、テキストに書き込もう。

なぜなら、ノートに書き取る時間的余裕は与えられないからである。

また、おそらく時間の都合上、文章解説はほとんどしてくれないだろう。たとえ解説をしてくれたとしても、大雑把なまとめ方になる。だから、文章内容を授業でしっかり理解しようとすると、たちまちついていけなくなるだろう。文章の要点だけ確認し、分からなければ質問教室を利用して聞いてみるという風に割り切ることが大切である。

『塾ごとの国語の学習法の提案(サピックス生)』 >> 1 2
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