一 | 問一A 問二B 問三C 問四B 問五A 問六A |
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二 | 問一A 問二C 問三C 問四C 問五B |
A…桜蔭中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題
行動の理由を心情で説明する問題です。
傍線部Aの後の心情説明の部分が、傍線部Aの理由として説明されていることに気づけば、スムーズに解けます。
傍線部Bのように感じた理由を考える問題です。
文脈を追っていけば、ある程度解答が見えてきます。ただ、自分で言葉を補わなければいけないので、語彙力がない生徒や、このような自分の言葉で説明する記述に慣れていない生徒は苦しいでしょう。
合否を分けた一題として、後ほど解説します。
傍線部Fの内容を具体的に言い換える問題です。
筆者の「コンプレックス」の内容と、その「コンプレックス」と「共存」するというのは、具体的にどういうことを指しているのかを考えていきます。「抽象→具体」の言い換えができるかどうかがポイントです。
慣用句の問題です。この2つの問題は確実に正解したいところです。
漢字の書き取り問題です。桜蔭中は毎年出題されます。
傍線部1の心情の理由を文章全体から考えて説明する問題です。
いきなり文章全体から読み取る問題に入りますので、驚いた受験生も多かったのではないでしょうか。桜蔭中の求める国語のレベルの高さがうかがえます。
今年の特徴として、二百字記述が設問の最後にあるのではなく「途中にある」ことが挙げられます。26年度もそうでしたが、もはやこれぐらいの記述問題では差がつかないということでしょう。心情の変化を対比させて考えながら、比喩の言い換えを行い、二百字にまとめていきます。
意外と難しいです。
「心を白くして」→「心」=「頭」
「白く」=「まっさらにする、先入観を持たず、純粋に受け入れる」
という言い換えができるかがポイントになります。
傍線部3にある「涙を流した」理由を考える問題です。傍線部3の前にある段落に心情説明の文がありますので、そこを押さえれば書けるでしょう。
桜蔭中は国語の入試問題の難度が高いことで有名です。
24年度や26年度は比較的、難度が落ち着いていましたが、今年は難度が上がりました。
ただ16年~20年、22、23年度のような難しさではないので、過去問にしっかり取り組んで対策を立ててきた生徒は慌てずに問題に取り組めたのではないでしょうか。
桜蔭中の国語の入試問題は、独特で、尚且つ言葉が難しい文章ばかり出題しますので、過去問の研究は早めに行い、対策を立てておきましょう。
では、合否を分けた一題を具体的に見ていきましょう。
桜蔭中の典型題であり、さらに難化している問題なので、この問題を「合否を分ける問題」としてあげました。
傍線部同士を結び付けて、傍線部の内容を説明させる問題で、桜蔭中では定番問題です。
ただ今回は、傍線部を3つつなげなくてはいけないこと、自分の言葉で説明しなければ解答できないことの点から、相当、国語力がないと苦しむでしょう。
実際に塾が発表している模範解答もばらばらで、内容が割れています。
それほど難しかったということでしょう。
解き方としては
「最後までやり遂げなければならない」ことと「退屈なことでも、一生懸命やることが大切」ということが、筆者のコンプレックスを刺激するとはどういうことかを考えていけばよいでしょう。
[1] まず、コンプレックスの中身を具体化していきます。
筆者のコンプレックス=技術に弱い、実現力にとぼしいと思い込み、自信がないこと。
[2]「コンプレックスを刺激」するとはどういうことかを考えます。
傍線部C、Dと傍線部Eのつながりを因果関係で考えるとヒントが見えてきます。
解法としては
傍線部C「やり始めたことは、最後までやり遂げなければならない」
傍線部D「退屈なことでも、一生懸命やることが大切だ」
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これらの言葉は、技術に弱いというコンプレックスを持ち、弱気になりがちな筆者の心情を「刺激」して制作のモチベーションを上げさせるものばかりだと傍線部Eは表現しています。コンプレックスとモチベーションの関係は、上段の真ん中あたりでも述べられていますので、それを解答の参考にしてもいいでしょう。