設問の難易度は、すべて応用から発展レベルで、漢字の書き取り問題さえも該当する漢字を考えさせたうえで、二字熟語を作らせるというレベルを要求する。
そして、何より桜蔭中も問題を難しくさせているのは、設問がすべて記述であり、しかも上記で述べたとおり、文脈を正しく掴み、設問の意図や段落の要点、人物の境遇や心情の変化を押さえることを求めているので、感覚的な読み取りでは全く歯が立たない点である。
したがって、入試本番ではどんなに優秀な生徒でも余裕がなくなることが予想されるので、時間配分をしっかり考えたうえで、あせらずに解くことが重要である。
そういう意味では、二の問三までしっかり解けたかが、合否を分けるポイントとなるだろう。
今までの文章や設問で解いたことを踏まえ、「杉子」がどういうことに気付いたのかを二百字以内で答えさせる問題である。
まず、傍線部の前後の内容(傍線部から文章の終わりまで)を確認する。
そこから、杉子は
①自分に自信が持てなくなり、不安を強く感じている。
②以前は自分を天才だと思っていた。
ことが読み取れる。
つまり杉子は、今までの自分の考えに自信が持てなくなり、孤独感を感じているのである。
さらに、
問一で、今までの杉子の考え方=周りに合わせず、自分らしく生きることが、価値があるということ
問二では、周囲の友達が周りに合わせて生きていることに戸惑いを覚えながらも、批判的な杉子の心情を読み取らせていることから、(設問のつながり)
↓
今までは自分の考え方(問一+②)に自信を持っていたが、
↓
周囲の友達の幸せそうな様子に戸惑い、不安を感じ始めた。
↓
今までの自分の考えに自信が持てなくなり、孤独感を感じている。
(傍線部から文章の終わり)
という心情の変化になっていることがわかる。