1 | 問1 A 問2 B 問3(1) A (2) A (3 B (4) A |
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2 | 問1 A 問2 A 問3 B 問4 B 問5 A 問6 B |
3 | 問1 問2 問3 |
A…武蔵合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で得点に大きく差がつく問題
C…難度、処理量から判断して部分点を拾えればよしとする問題
2021年は以下のようなセットでした。
「温度計で温度はわかるけど、その仕組みはどうなっているのか」
「カモが流れる川の中で同じ場所にとどまっているが、水の中でどんな動きをしているのだろう」
といった、武蔵らしい「なぜ」に挑むセットとなっています。
単純知識を問う問題は全く見られませんでした。
武蔵中学校の理科では自分の頭で考える力、自分の言葉で表現する力が問われます。
1 理屈がわかる。
2 的確に言語化する。
決められたことを覚える学習のみでは十分ではありません。過去問の対策はもちろんですが、ベースとなる力は「対策」以前の学習姿勢が影響すると思われます。
・身の回りの現象に疑問を持ち、仮説を立てて思考する。
・一つの事柄について、仕組み、理屈の面から理解し、他者に説明する
これらのことを平素から意識的に実践することが、長い目で見ると有効な対策になるでしょう。
液体の体積が温度によって変化することを利用して、温度計を作ります。
一本の温度計を与えて、何でもいいから自分で説明しなさい、と言われたら、どのくらいのことを説明できるでしょうか。自分で説明するためには一つ一つのことを「完全に」わかっていなければなりません。
増えた体積を底面積で割ると高さが出ます。
水を用いると液体温度計として使えない理由を2つ答えさせます。
水は0℃を下回ると凍る、まではすぐ出てきます。2つ目はどうでしょうか。
与えられた条件をよく見てみましょう。水の体積は0℃、5℃、10℃のすべての温度において、1.000となっています。
体積変化があるから温度計として成り立つ、という当たり前のことに気づかないと、ここを見落とす可能性があります。
増えた体積を底面積で割ると高さが出ます。
断面積が小さいとわずかな体積変化でも高さが大きく変化する、ということに言及すればよいので、問題なく答えられるでしょう。
液だめのガラスが薄いことの利点を答えさせます。薄いとその分多く液体をため込めますが、これは(4)で聞かれていることと重複します。
薄いほど熱の移動が容易となることに気づくと、正しく答えが書けそうです。
液だめがあることの利点を答えさせます。液だめが小さい場合と比較して考えるとよいでしょう。
「液だめあることによって、~となるから」という型にまとめていきましょう。
ここまで触れてきた体積変化のことを簡潔に書けばよいので、内容は難しくないでしょう。
(地学・生物・物理)川沿いの散歩コースから様々なジャンルの問いに答える総合問題です。
川の水面の高さの変化の様子を表すグラフを選びます。降り始めの直後にピークになる選択肢(あ、い)に引っかかるとは思えません。
流量が一定なので、細いところほど早く流れないとつり合いません。図で与えられた条件のみに注目して答えていけば問題ないでしょう。
もやに関する問題です。もやは目に見えるので、小さな水滴であることはすぐにわかるでしょう。
あ.お茶から湯気が出る
う.ドライアイスから煙が出る
の2つで迷うのではないでしょうか。
川面から蒸発した水(気体)が冷やされて小さな水滴になったものと考えると、あ.の方が現象としては近いでしょう。
桜の開花時期が手掛かりになります。問題文中に「都区内」とあるので、東京23区内であることがわかります。よって開花は3月下旬。この100日前は12月中旬から下旬と考えられます。時期さえ決まれば答えは決まるでしょう。
カモの移動速度と、水の流れる速度を合わせて考えます。岸に向かって垂直な向きに泳ぐと、流水の影響で斜めに移動してしまいます。
→合否を分けた一題で後述します。
本文に水草を食べていたことが書かれているので問題ないでしょう。
ここで同じ場所にいる理由を答えてしまうと、続く(3)の内容とかぶってしまいます。
同じ場所にとどまる→上流を向いている→その訳は? と発想していくことが必要です。答えにくい問題であったと思われます。
問5の延長上にある問題です。同じ場所にとどまるためには、自分の泳ぐ速度と流水の速度が逆向きで同じ大きさになればよいですね。
(観察)
線がかかれた紙と、線がかかれた透明なシートを用いて、指定されたように動かしたときの見え方を観察する問題です。
武蔵受験生であれば、「おみやげ」問題対策は、一通り行っているはずです。
①観察→②分析→③推論→④説明
の一連の過程のうち、今年度の問題はほぼ①観察、④説明の2つの力が求められる構成です。
仕組みを考える部分が薄いので、表現力の差はあるにしても、対策をしてきた受験生の間で大きな差はつきにくいセットであったと言えるでしょう。
①観察→②分析→③推論→④説明
の型として、ここで取り上げる問題は典型と言えるでしょう。書くべき推論にたどり着けないと、磨きをかけた表現力を活かすことができません。
カモの横からの図と後ろからの図を観察して、読み取った事実を的確にまとめます。
まず、後ろから見た図では右側の足が大きく広がっており、それに対して左側の足は小さくせばまっています。これを横からの図と照らし合わせると、後ろにける足が大きく広がり、前に戻す足は小さくせばまっています。この差が前方への推進力を生むことを答えればよいでしょう。
例えば、ボートのオールを水中に入れたまま激しく前後に動かすとします。ボートは振動こそしますが、前には進みませんね。
ボートに限らず、人が泳ぐときにどのように前方への推進力を得るか、説明できる力が必要です。
平素からこのようにものごとのメカニズムを考えることは有利に働くことはもちろんですが、
①観察→②分析→③推論→④説明
の順に訓練を積めば、たとえ知識が少ないところでもクリアできる