6年上の『予習シリーズ』は、5年と同様に1回2単元ずつですが、5年下よりもさらに難易度が高くなります。
なかでも、武蔵志望者に限らず、すべての受験生にとって重要な「平面図形と比」「速さと比」という2大テーマの学習が継続的になされます。どちらのテーマも4~5回に分けてきちんと段階を踏んで学習するため、他塾に比べて無理のない効果的なカリキュラムと言えるでしょう。
『予習シリーズ』6年上が終わる7月初旬までの学習スタイルは、5年生と同様。上述の〈1〉~〈11〉がモデルケースとなります。こちらで極力先取りをするのも同様です。
追加的な内容としては、四谷大塚の教材だけでは武蔵志望者に適切なレベルの思考力問題が不足するので、シグマベストの『思考力で勝つ算数』(文英堂)に取り組みます。1週間に1テーマずつこなせば全24テーマを夏休み前に一通り終えることができます。
なお、2010年度から総合回が全て組分けテストになるため、週例コースの昇降及び校舎内クラスの昇降が頻繁に起こる可能性があります。“組分けテストのための勉強”だけに陥らないように要注意ですが、従来と比べて組分けテストの範囲が狭くなるため、復習の計画は立てやすくなるでしょう。
大きな模試として、4月と7月に合不合判定予備テストが実施されます。志望校の合格可能性が数値として現れますが、この時期の数値を志望校の判断基準として使うことはできません。数値が良ければ頑張っている証拠だねと褒めますが、数値が悪くても気にする必要はありません。
重要なのは、その時点で解ける問題と解けない問題をはっきり識別すること、解き直しをして次に出題されたときは解けるような状態にしておくことです。
夏休み中は、夏期講習テキストによりこれまでの総復習を行うことになります。Sコース用テキストとCコース用テキストでは収録されている思考力問題の量・質に違いがあるため、生徒個々に応じて不足分を補充します。
夏休み中に授業で配布されるプリント類は、全てに手をつける必要はありません。授業中に演習を行って間違えた問題のみ、家庭で解き直しができれば十分です。
次に、夏休み前に配布される『四科のまとめ』の取り扱いについてです。
〈1〉1ページ10分以内を制限時間として、スピード練習の一環として位置付ける
〈2〉右ページ全50回分を、朝晩1ページずつ25日間で1回転させる
〈3〉1回転目の×問題のみ2回転目で取り組む
この方法で処理速度を上げていくとともに、典型問題の解法に穴がないかチェックしていきます。
夏休みに入るまでに思うように基礎固めができなかった生徒は、恐らく『四科のまとめ』の黒番号問題に手こずるでしょう。その場合は白番号問題のみスピード練習の素材とし、黒番号問題は解法の正しい理解・定着が最優先です。
基礎に不安がない生徒は、武蔵頻出の「速さと比」「平面図形と比」の2分野の演習量を多めに確保します。「武蔵の入試で失点したらおしまい」とも言われるこの2分野に自信を持つことが肝要です。どの塾も夏期講習が一旦お休みになるお盆休みの期間に集中的に取り組みましょう。